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「お寂しいですか?」
私は聞いた。
「長く一緒にいたからな。でも彼らには役割がある。魔法を集めたり修行をせねばならない。タナックの知恵が必要な人がここ以外にいるだろうし、エランの魔法を待っている村もあるだろう。スーリはもっと力をつけねば」
「私が一緒にいますからね」
と大きな手を両手で包んだ。
「ああ。そうだな」
とようやく涙をシャツの袖で拭った。
「それにしても魔法使いと召喚士が女性とは驚きです。好きになったりしなかったのですか?」
長く時間を共にしていれば恋心も生まれるだろう。
「エランは魔法の力で若さを保ってるけど200歳くらいだし、スーリもああ見えて40歳なんだ」
びっくり。二人とも私と同じ歳くらいに思えた。
賢者と魔法使いに見習い召喚士? 戦事に詳しくない私でも指折り数えながらおかしいと感じる。
「パーティおかしくないですか? 物理攻撃がモクビリー様だけですわよね」
「以前は武術の老師がいたんだが、旅もせずずっと同じところで戦っていることに飽きたと逃亡してしまって。それももう10年以上も前のことだが」
そんなことってあるの?
しばらく二人で空を見上げた。雲が流れてゆくのを見るなんて、モクビリー様にとっては退屈なことだろう。しかし、あなたが魔王を倒してくれたからこうしていられるの。私だけじゃない。たくさんの人が感謝をしているに違いない。
正直なところ、モクビリー様が旅に出たいと言ったら私は止めない。一緒にも行かない。邪魔になるのは目に見えている。私を守ってばかりいては戦えないもの。
「あっ、エランに紅茶の葉を渡せばよかった」
後片付けをしながらモクビリー様が嘆く。
「次に会ったときに渡しましょう」
「そうだな」
私もエラン様にモクビリー様が寂しくならない魔法を習えばよかったと後悔していたところだった。
四人の友情やそれ以外の感情を共に時間を過ごしていない私がわかるわけない。助け合い、戦って絆を深めた。私とモクビリー様も将来的にそうなるといいな。




