第11話 とんでもない事実を聞かされ、驚きを隠せない
「このクソガキが・・・・・・」
男が怒りの表情を露わに睨み付けてくる。
勢いよく起き上がったが、先程叩きつけられたダメージが抜けきっていないのでふらついている。
それでも敵愾心だけは残っており、再び攻撃しようとしている。
流石に止めた方がいいかもしれない。
「はい、ストップ」
「・・・・・・見苦しい」
俺が動く前に相手側の男女が止めに入る。
重装で糸目の男と軽装のおとなしい感じの女性だった。
「止めるんじゃねえよ」
「・・・・・・完全に負けてた。認めないと」
「何だとっ!」
女性の言葉に男は噛みつく。
見た目の割に真っ向からはっきりと言っている。
事実かも知れないが、もう少し手心を加えた方がいい気もする。
だからこそ、男も反論しようとしているし・・・・・・
「ごめんなさいね、ウチの馬鹿が」
相手側の最後の一人が話しかけてくる。
赤髪のポニーテールが特徴のスラッとした女性だった。
身長は180近くあるだろうか、かなりの長身だった。
「いえ、大丈夫ですよ。ウチのお嬢様が煽ったのも原因ですし」
元々の原因はあちらではあるが、流石にこちらも非がないわけではない。
冒険者ギルド内の出来事なので、職員に助けを求める手もあった。
相手の方が格上であることを理由にパワハラとして訴えれば良かったのだ。
「なかなかのじゃじゃ馬みたいだね。ウチの馬鹿に真っ向から挑むなんて」
「申し訳ないです」
「いや、それが良い」
「え?」
女性が変なことを言った気がした。
思わず反応してしまったが、彼女は気にした様子もなく話を続ける。
「私はこのパーティーのリーダーをしているパーヴァだ。糸目がシェイド、小さいのがトゥル。馬鹿がオネス」
「誰が馬鹿だっ!」
女性──パーヴァさんの自己紹介に反論する男──オネス。
馬鹿扱いされるのが嫌なのだろう。
まあ、そういう扱いされても仕方がないと思うけど・・・・・・
「好きな女に素直になれず、子供のように意地悪を言う──そんな男が馬鹿以外の何者だ?」
「「「え?」」」
予想外の話に俺達は呆けた声を漏らす。
一体、何を言っているのだろうか?
誰が誰を好きに・・・・・・
「俺はそんなこと──」
「そういう素直じゃないところが駄目なんだよね」
「・・・・・・本当に迷惑」
「うるせぇっ!」
押さえつけられている二人に反論しようとするオネス。
どうやら図星のようだ。
恥ずかしいのか、顔を真っ赤に赤らめている。
「一体、どういうことですの?」
お嬢様がパーヴァさんに質問する。
疑問に思っているのは俺も同様である。
明らかにオネスはヘルバさんを馬鹿にしていた。
とても好意を持っているようには見えなかったが・・・・・・
「まあ、こいつの態度も問題があったから、わからないのも仕方がないよね。とりあえず、何から話そうか・・・・・・」
パーヴァさんは困ったような表情を浮かべ、考えるような仕草をする。
一体、どんな話をするのだろうか?
男の子は好きな子に対して素直になれない生き物です。(たぶん)
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