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6月下旬~期末テスト

この話の前半は、プロローグ書く前に、こんな話入れたいと思って書いていたものを、若干手直ししたものだったりします。

 来週は期末テストということで、部活動停止期間に入る。


(・・・なんか居る・・はぁー)


 学校に向かう途中、向かう先に亮が立っているのが見え、朱里はげんなりして、思わず立ち止まってしまった。別の道にしようかとルートを考えていると、


(気づかれたっ)


 少し先の角にいる亮が気づいて、爽やかな笑顔で近づいてくる。

「おはよう、朱里」

 まだ幼さの残る、明るい声で話しかけられる。仕方ないので、

「・・おはよぅ」

 小さく答えれば、亮は更に笑顔になって、

「一緒に学校行こう!」

(嫌)

 思わず心の中で即答してしまった。いくら向き合おうと思ってはいても、いきなりは無理すぎる。突然のことには対応できない。


 黙っていると、

「朱里?」

 更に近づいてくるので、思わず後ずさりする。

「なんで・・」

 無駄だろうけど、一応理由を聞いてみる。

「今日から部活停止期間だし、まあ、そもそもオレは朝練出ないから、朝は一緒に学校行けるよ!」

(そうだった・・困ったなぁ、どう回避しよう)

 莉奈と怜は今朝まで朝練参加でいない。悩んでいると、

「じゃあオレは後ろからついていくからさー・・」

「ストーカー」

「う・・だって朱里となりで歩くの許してくれなそうだから」

 嫌がっているのは分かっていた模様。このままここで立ち話しているのも居たたまれなくなって、

「今日だけなら・・」

 仕方ないと朱里が歩き出すと、

「やった」

 と、亮は笑顔で横に並んで歩きだした。その様子に、朱里はため息をついた。


「なあ朱里、今日だけと言わず明日も一緒に行こうよー・・なんなら帰りも一緒にさぁ」

「聞いてる?朱里」

「朱里~明日もー」

 亮が話かけてくるが、絶賛スルー中である。学校に向かっているということは通学路なわけで、人気者の亮と、亮が「好き」と公言している朱里が、一緒に並んで歩いていれば目立たないわけがなく、周りから視線が向けられまくる。そんな中、朱里はただ前を向いて、亮はいないものとして学校に向かっている。ただ声が聞こえてないわけじゃないのが、辛いところではある。

「あっ朱里、また週末家行っていい?」

 ずっと無視していたら、爆弾落としてきた。

(近くにいた人たち聞き耳たててるんですけどぉーっ)

 朱里は周囲の反応が気になって仕方がなくなる。


「お兄に聞いておく」

 と、あくまで亮は兄に用があるものと対応すれば、周りも「なんだー」という雰囲気になる。

 実際亮は、兄の隼人を慕って家に来ていたので、間違っていない。ただ、今の話は兄とは関係ないんだろうとは思う。

 亮的には、朱里に反応させたかっただけの話題だったため、すぐ、

「よろしく。じゃ明日も一緒に学校行こうね! 同じところで待ってるから」

 当初の目的である通学の約束をとりにきた。

「無理」

「えー無理じゃないよー」

 朱里が無理だと言っているのに、何故か嬉しそうに話してくる。


(しまった会話しちゃった)


 話するつもりはなかったのに、結局亮のペースにはまって、返事してしまったことに気づき、朱里はうなだれる。当の亮はとても嬉しそうにしていて、その顔を見てしまった朱里はドキッとしてしまい、歩みを早めてしまう。

「朱里?」

 くすくすっと笑って、また亮は横に並んだ。そして、朱里の顔を覗き込むようにすると、

「一緒に行くの楽しいね!」

(私は楽しくない)

「え? 楽しいのオレだけ?」

 まるで心の声が聞こえたかのごとく話かけてくるので、スルーするに限ると、思う朱里であった。


 そうこうしているうちに校門を抜け、

「おはようございます」

 校門に立つ先生に挨拶をする。ただ、その先、昇降口向かうまでのところに、女子が数人たまっているのが見えて、一気に気が重くなる。その中の一人がこちらに気がついて、

「亮くん、おはよう」

「おはよう!」

「おっはよー、亮くん」

 続々と声をかけつつ亮を取り囲む。当然朱里は無視され、亮との間にも入ってくる。朱里はそれでも構わないので、そのまま亮を囲む人垣をよけて昇降口に向かう・・と、後ろから、

「朱里、今日はありがとう」

 という声が聞こえた。

(ここまでただ並んで来ただけなのに、なんでそんなに嬉しそうなのだろうか)

 亮の周りの、女子たちの視線が背後から刺さってくるのを朱里は感じていた。


 もう構わないでほしいのに伝わらない。ちゃんと伝えていない自分もいけないのかもしれないけど、変に話すと余計なことまで言ってしまいそうで・・というか、なんだかんだ彼の理論で、言い包められてしまいそう。そして、それでもいいかと思ってしまうあたり、結局突き放しきれない自分が嫌になる。教室について自分の席に座ると、

「はぁーーーーー」

 盛大なため息をついてしまった。



 この日の帰りは、莉奈と二人で帰りたいと、断固拒否し、一緒に帰ることは回避できた。

「明日の朝から、どうするの?」

「莉奈と行くよ」

「いや・・亮くんとも行くの?」

 莉奈に問われる。帰りにも朝の約束を取り付けにきて、一応断ったが、向こうはそれを了承していない。恐らく朝また待っている・・莉奈もそれを予想しているのだろう。

「莉奈と行くよ」

 再び言うと、

「私を壁にでもするつもり?」

 莉奈はため息まじりに言うが、何故ばれたのだろう?


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・


 そして翌朝、莉奈の裏切り(朱里的見解)にあった。ちょうど家を出る頃、『先に行く』とメッセージが届いたのだ。

 他の道から学校に行くことも考えたが、昨日亮が居た角は、通らないと、かなり遠回りして学校に行くことになる場所だった。相変わらず回避しにくいことをしてくる。ただ今日は、まだ突然じゃないだけマシだ。


 そう覚悟を決めて、学校へと向かう。昨日、亮が居た角が見えてきた。

(あれ? いない・・?)

 角にも着いたが、周囲に亮の姿は見えなかった。まさかホントに断ったことを了承したのだろうか? 不思議に思ったが、いないなら一人で行くだけと思い、学校に向かう朱里だった。



 教室に入ると、莉奈がいたので、

「おはよう、莉奈」

「おはよう、今日はゴメンね、朱里・・あれ? 亮くんは?」

 一緒じゃないの?という視線を向けてくる。

「いないよ」

「なんで?」

「昨日断ってるからね」

 それしか考えられない。ぐるり教室を見渡しても、亮の姿はなかった。いつもなら、朝練がなくても、朱里より前に来ている気がするのだが、取り巻きたちもいないし、まだ来ていないようだ。珍しい。


 昨日確かに断ったとはいえ、今まで朱里が拒否しても、無理を通してきた亮が、受け入れるとは思わなかった。いなくて良かったと思う反面、いなかったことにモヤモヤした気分になる。

(何かあったのだろうか?)

 ふと、そんなことを思い、そう思ったことに、自分もそうとう亮に毒されてきてしまったかもと、心の中で頭を抱えるのだった。


期末テスト自体は次回だったことに気づいたけれど、次回のタイトルには微妙だったのでこのままにしました。

まあ、サブタイトルは若干適当、時系列が迷子にならないようにというかんじです。

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