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海に並ぶ背中③

前話はだいぶ暴走しましたが、

ハゲマッチョさんが気に入りすぎて、自分でも何を書いているのか分からなくなり、完全に迷子になっていました笑

今回は少し落ち着いてお送りします(たぶん)

3人は妙な視線を感じつつ、浅瀬で水上バイクに乗り進んでいく。


チェイズ「へえー結構スピード出そうじゃん」

アディオ「そうだな…無茶するなよ…?レン」

レン「わかってるってー。何回も乗ったことあるから大丈夫だってー!」


にこにこ笑いながら波を蹴るレヴィン。

アディオは心配しつつも見守ることにした。


水上バイクが波を切って進むたびに、太陽の光で水しぶきがキラキラと光る。


チェイズ「おおーー楽しいなこれー!!」

チェイズは持ち前の運動神経で一瞬で乗りこなした。


アディオもさすがとしか言えないほど安定して操る。


「よっしゃ!!見てて!!」


先ほどのこともあり、周囲にいた観衆も思わずレヴィンに注目してしまう。


「おりゃ!!」


レヴィンの水上バイクが小さくジャンプする。

「うわっ…!」岸の観衆も息を飲む。


そのまま一回転するレヴィン。


うおおおおおおお!!すげぇぇ!!


レヴィンは水上バイクの上で無邪気にガッツポーズを決め、キラキラした笑顔を見せる。


周囲の観衆から再び拍手喝采が巻き起こった。


チェイズ「な…なんか恥ずかしいな…」

アディオ「そうか…?」


すでに感覚が麻痺しているアディオ。


アディオ「俺はレンの笑顔が見れて嬉しいがな…」

チェイズ「まあ…それはそうだけどよ…俺達で来てんのに…」


と少し口を尖らせるチェイズ。


水上バイクのレンタル時間が過ぎ、返却に向かう3人。


チェイズ「次は平和にビーチボールでもしようぜ」

レヴィン「おう!!」

アディオ「構わんぞ」


水中にじゃぶじゃぶと浸かる3人。

波が太陽にキラキラと反射し、足元の砂が柔らかく揺れる。


チェイズ(海の中でボール遊びくらいなら、さすがに目立たねえだろ…)と少し安心した表情を浮かべる。


だがチェイズは忘れていた──

自分たち3人が現役ハンターと元ハンターであったという経歴を。



「行くぞおおー!!」


バッッッッ!!


水中から異常なジャンプ力を発揮するレヴィン!


一気にまた観衆の視線が集まる。


「あ…やべ…」


放たれたビーチボールは、驚異的なスピードで海上を一直線に突き進む。


チェイズはそれを片手で軽々と止めると、手のひらの上でまだギュルギュルと回転しているビーチボールを見た。


「いよっっっっと!!!」


チェイズはそのままアディオに向かって投げる。

ただの投擲のはずなのに、波がズババッと割れる。


波間を裂いて迫るビーチボール。

アディオは軽やかにジャンプし、両手でそれをキャッチした。


そして構えを取り、華麗なフォームで投げ返そうとした瞬間──


海面から、ぞろぞろと黒い影が蠢いた。


小さな手のようなものが波間から次々と現れ、それらがひとつに集束する。


アディオの術。霊体を操る力。


ビーチボールの周囲に、不気味な怨霊のようなオーラが纏い、異様な気配を放ちながらレヴィンへと迫っていく。


「うええええ!?すげぇぇな!!」


レヴィンはそれを真正面から受け止めるも、ボールごと勢いに押され、浜辺近くまで滑らされる。


レヴィン「ふう…受け止めたぞー!!」

アディオ「さすがだな…レン!!」

チェイズ「ハッハッハ!!今のは予想外だぜ!!」


周囲の人々は息を呑みながら、その超人的なビーチボール遊びを目で追っていた。


ボールが波を蹴って跳ね上がるたびにざわめきが広がり、時には思わず声援すら湧き上がる。


3人はビーチボールを抱え海から上がると、観衆たちは「すげえもの見たな…」とでも言いたげに、再び海へと視線を戻していった。


パラソルに戻った3人は、砂まみれになりつつもテンション高めだった。


チェイズがクーラーボックスを開けながら言う。


チェイズ「よーし、腹減ったな!!肉でも焼くかー!!」


レヴィンは目を輝かせる。


レヴィン「楽しみだなー」


チェイズ「ちょっと準備あるから、お前ら2人で遊んでこい」


アディオ「ああ…わかった。シーボードでもやるか」


レヴィン「おう!!」


チェイズは鼻歌混じりに料理の準備を始めた。


その背後で、またしても人間離れしたやり取りが繰り広げられ、海はもはや“奇跡のショー”と化していた。


チェイズ「できたぞー!!って、波作んなよーレン!!」


レヴィンとアディオは、シーボードで遊びながら無意識に高波を起こしていたが、その言葉ではっと我に返る。


レヴィン「おっと…やべ」


すぐに威圧を緩め、波が落ち着く。


2人はボードを抱え、チェイズのいるパラソルへ戻ってきた。


そこにはすでに、美味そうな料理がずらりと並んでいた。



レヴィン「美味そおおお!!」

アディオ「いい香りだな…」


チェイズは得意げに胸を張りながら焼き加減をチェックし、2人の皿に料理を取り分けていく。


チェイズ「さあさあ、遠慮すんなって!!今日は俺の本気メシだぜ!!」


レヴィンは「いただきまーす!!」と元気よく手を合わせ、体格に似合わない勢いで食べ始めた。


チェイズ「おおっ、いい食いっぷりだなレン!!」


アディオは少し前屈みになり、柔らかい笑みを浮かべながらレヴィンを見守る。

そして静かに、自分の好物をレヴィンの皿にそっと移してやった。


チェイズも嬉しそうに笑いながら、焼きたての肉をさらに追加する。


チェイズ「ほらほら、まだまだあるぞ!!食え食え!!」


──


しばらくして。


チェイズ「すっげえ…予備の分まで食っちまった…」


クーラーボックスはすっからかんになっていた。


レヴィンは砂の上にごろんと寝転び、少しだけ丸くなった腹を晒す。


チェイズ「あはは!レン、腹出てるぞー」

レヴィン「満腹だもん!!」


にこやかに肩を揺らすレヴィン。


アディオ「ははは、動けばすぐへっこむさ」


するとパラソルの外から、少し遠慮がちに3人組の女子が声をかけてきた。


女子A「皆さんすごく格好いいですね」

女子B「ご一緒してもいいですかぁ?」

女子C「すごい筋肉ですね…」


アディオが一瞬でスリーサイズを目測した。


アディオ「悪いな…今日は男だけの水入らずの日なんだ」


チェイズは驚愕した。


チェイズ(こいつ…レンの前だからって断りやがった…この前なんかホイホイついて行ってたのに…)


女子のひとりが、寝そべっているレヴィンをちらちらと見る。


女子「えっと…連絡先だけでも…」


アディオはすっと前に出て、彼女の手に自分の連絡先を無理やり持たせた。


アディオ「いつでも連絡してくれ」


女子たちは戸惑いながらも、アディオの妙な“威圧的な優しさ”に押され、そのまま砂浜を去っていった。


レヴィン「お前ら目当てだったんじゃねーの?断って良かったのか?」


自分はその中に含まれていない前提で話すレヴィン。


アディオはレヴィンを見下ろし、柔らかい笑みを浮かべる。


アディオ「今日は俺たち3人の久々の再会だろ?」


チェイズは飲み物を飲みながら思う。

(全く…アディオは本当にレンがいると人格変わんねえな…)


「ふーん…」


そのとき風が吹き、レヴィンの髪がさらりと揺れる。


その笑顔が、アディオの視界にふと入った。


アディオ「ぐはっ!!」


レヴィン「アディオ!?」


アディオはその場に崩れかける。


アディオ「太陽の下のレンの笑顔はやはり元気が出る……昨日も一昨日も徹夜で仕事終わらせて来て良かった……」


レヴィン「アディオーーー!?死ぬなああ!?」


チェイズ「お前どんだけレン中心の世界なんだよ」


呆れたような一言がポツリと落ちる。


──その時だった。


「誰かぁー!!」


女の悲鳴が浜辺に響く。


「なんだ!?」

「子供が……子供が波にさらわれて……溺れてるんです……!私泳げなくて……助けてえええ!!」


一瞬で空気が変わる。


アディオ「行くか……」

レヴィン「おう!!」

チェイズ「あたぼーよ!!」


3人は迷いなく立ち上がり、同時に砂を蹴って海へ駆け出した。


そのまま一気に海へと入水する。



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