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13話 冒険者 その1


 俺がグリムハウトに正式に加入してから1週間が経過した。その間、2日に1回くらいの割合で冒険に出ていたけど、そのくらいの頻度が効率が良くなるとのことだ。やはり毎日冒険してばかりだと病んでしまうんだろうな。


 同業者の死体を見る回数も増えるわけだし……冒険者というのは命を懸ける仕事だからな。


「ま、そんなわけでカイン。オフの日は基本的に自由行動よ。無理に私達に付き合う必要はないから」


「そうか……分かったよ」


 俺は16歳のシャルナからグリムハウトとしての志しを教わっていた。教わっていると言っても大した内容を聞かされているわけではないが。以前のパーティであるハリウッダでは、ほぼ毎日のように遺跡に行っていたからな。


 定休日とか特になかったし……そういう意味では激務だったのかもしれない。基本的にBランク冒険者というのは生活出来る分岐ラインと言われている。冒険者はランクに応じて収入が変わって来る。SS、S、A、B、C、D、E、Fの8段階に分かれているが、冒険者だけで生活出来るであろうラインがBランク以上なのだ。


「俺の以前のパーティはBランクだったこともあって、ほぼ毎日出動していたけどな」


「ああ~~Bランクだとそうなるかもしれないわね」


「まあ、そうだよな。ちょうど、総合的な強さや稼ぎが中堅って言われるレベルだし」


 厳密に言えば毎日出動する必要はないのだが、蓄えを多くする為にハリウッダでは毎日出動が原則になっていた。リーダーのシウスはさらに蓄えを多くする意味合いで俺を追放したのだろうか。真相は不明だが……。


「冒険者は上位と下位で稼ぎにかなりの差があると言われているわね。特にAランク以上とそれ以下では顕著らしいわ」


「それは俺も聞いたことがあるな」


 稼ぎの差は格の差とほぼ同義だ。グリムハウトみたいなアットホームなパーティの方が稀だと言える。上位のメンバーが下位のメンバーと仲良くすることは基本的にはない。その為か、下位の者達はAランク以上の冒険者を尊敬の眼差しで見ることも多いんだとか。


「なあ、あれってグリムハウトのメンバーじゃないか?」


「そうだったか? 女の方は見たことあるけど、男の方は……?」


「なんだお前知らないのか? 最近加入したメンバーらしいぜ。何でも、マリスの遺跡に出現したオーガロードを倒したとか。神秘の迷宮のリザードロードを倒したとか色々言われてるぜ」


「ま、マジかよ……? オーガロードにリザードロードってお前……!」


 俺とシャルナの二人は冒険者ギルドの隅で話していたわけだが……明らかに俺のことを噂している連中がいた。


「ふふっ、良い意味で噂されるのは同じ仲間として嬉しいわ」


「いや、それはありがたいんだけど……恥ずかしいな」


 噂をされるのは悪い気分にはならないけど、必ずそれに反発する者も現れるわけで……。


「おいおい、あのシウスに解雇されたカイン君がどうやってグリムハウトに加入できたんだよ? ああ?」


 ほら、やっぱり……振り向くとそこには見覚えのある人物の姿があった。ハリウッダにいた頃、シウスと付き合いのあった男だ。確かBランク冒険者「ヴォイド」のリーダーである、ラングウェイだったか。


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