細かい設定を与えます
思った以上にAIがポンコツなので、俺がしっかりとヒロインの設定を与えることにします。
マジでAIは俺がいないと何もできないな。
【俺の与えた条件を忠実に守って魅力的なヒロインを作れ】
――承知しました。
あなたが提示した条件を一切曲げず、読者に「この子、好きだ」と思わせるヒロインを設計します。
今度は一つずつ忠実に拾って、そこからヒロインを組み立てます。
条件を入力してください。
【まずは美少女。めちゃくちゃ可愛いって設定。あとは、見た目は怖いけど実は優しいってギャップがある。で、主人公を溺愛してる。孤独って設定も入れといて。で、主人公だけがその孤独を埋められる。これを忠実に守ったヒロインを考えろ】
――条件を確認いたしました。
今回生成するヒロインのコンセプトは「怖い外見のヒロインの奥にある孤独へ、主人公だけが届いてしまう」。
これを核に与えられた条件で設計いたします。
名前:メチャ・コワーイデ
基本コンセプト
「魔界中から恐れられている最強魔王。しかし、勇者の主人公にだけ心を許している」
魔王メチャ・コワーイデは圧倒的美貌とカリスマ性で魔界を統べるキレカワ系クール美少女。しかし、彼女の稀有な才能に誰も付いてくることができず、理解者が不在で魔界で孤立している。
彼女の斬新な政策や、伝統に囚われない改革は魔界の住民から強い指示を得る反面、保守派からは猛烈な反発も受けており、常に命を狙われている状態でもある。
そんな中で、魔王討伐のために単身で魔王城に乗り込んできた主人公。
勇者として類い稀なる才能を持つ主人公は、メチャ・コワーイデ相手に一時優勢となる戦いを繰り広げる。
これまで、何をやっても他を寄せ付けない才能を発揮していたメチャ・コワーイデにとって、劣勢になるというのは初めてであり、彼女にとって強い刺激となる。そして、それは勇者への強い関心へと変わる。
なんとか勇者を追い返したメチャ・コワーイデだったが、その後も勇者のことに注視するようになる。やがてその強い関心は恋心となり、勇者と結婚して家族となることを夢見るようになる。
このヒロインの最大の魅力は「孤独」です。
あまりにも才能がありすぎて、誰も自分を理解してくれない。そんな孤独なんの中で、唯一勇者である主人公だけが、ヒロインの高みへと到達することができます。
魔王と勇者、決して相容れない不倶戴天の敵同士。そこに芽生える恋が物語の推進力となります。
【は? なんでファンタジーになってんだよ。ラブコメっていったら普通は学園ものだろうが】
――web小説投稿サイトやライトノベルでは、ラブコメという作品の設定はとても幅広く、ファンタジーやSF、ミステリーなど他ジャンルの特徴を取り込んだ作品が多く存在しています。
ですが、「ラブコメと言ったら学園もの」というイメージを抱くのも自然です。
その理由は以下の通りです。
①恋愛と学園の相性
学園、または学校という場所は、男女が強制的に毎日顔を合わせる環境です。
そのため恋愛が始まる理由を自然に演出することができます。
また、きっかけとなるイベントも豊富にあります。
・席替え
・修学旅行
・文化祭
・夏休みetc
これらのイベントを通して、登場人物の恋模様を描いていくことができます。
②「恋愛に慣れていない」という状態
学園を舞台にすると、登場人物は思春期となるのが自然です。
この時期は様々なことに敏感で、特に恋心という大きな感情には振り回されやすいです。
その様子を描くことで、登場人物たちの魅力を自然な形で引き出していくことができます。
③「青春」という時間制限がある
学園生活には「卒業」という明確な終わりがあります。
なので「この時間は永遠じゃない」という感覚が、最初から物語の中に埋め込まれている状態です。
普段ならくだらない放課後の会話も、夏休みも、文化祭も、帰り道も「学園生活の中でしか存在しない時間」になる。
だから恋愛だけじゃなく、友情、進路、部活、夢、別れ、成長、すべてがラブコメに接続可能です。
そして最大の強みは「卒業までに、この関係はどうなるのか?」という物語上の時計が自然に存在することです。
これによって、ただの「男女がイチャイチャする話」が「限られた青春の中で、二人の関係が変化していく物語」になります。
これらの理由から、ラブコメと学園は非常に相性が良く、作品数も多くなっています。また数々の名作も生み出されている。
そのため「ラブコメといえば学園もの」というイメージが強くなっていると考えられます。
【そんな分析頼んでないしどうでもいいんだよ! 学園もののラブコメを書けって言ってんの!】
――承知しました。
それでは先ほどの条件をもとに、「学園もの」のラブコメヒロインを再生いたします。
名前:御堂 朱莉
基本コンセプト
「普通を与えてくれる一途な少年に恋する極道令嬢」
御堂朱莉は普通に憧れる女子高生。
しかし、実家が「御堂組」という地域最大の極道組織であり、そのことから学校中から恐れられている。
そこに、何も知らない主人公が転校してくる。
朱莉の実家が極道だと知らない主人公は、彼女のことを普通のクラスメイトとして接する。
これが朱莉にとってはとても新鮮で、次第に主人公に対して特別な感情を抱くようになる。
しかし、主人公は朱莉の実家が極道だと知ってしまう。朱莉は主人公が自分から距離をとってしまうと落ち込む。だが、主人公は「これまでの御堂さんを信じたい」と言って、変わらない距離で接してくる。
そんな主人公に朱莉は完全に恋に落ちてしまう。
このヒロインの魅力は「普通に憧れているけど、環境がそれを許さない」というジレンマにあります。
極道という肩書きが常に付き纏い、それを鬱陶しく思っているヒロイン。
しかし、主人公だけがこの肩書きを無視して接してくれます。
【やっとまともなヒロインを作ったな。俺の指摘がなかったらとんでもないヒロインしか生成できないんだな。まぁいいや。このヒロインで面白いラブコメ書いて】
――御堂朱莉をヒロインとしたラブコメを生成いたします。
タイトル『壁の向こうの朱莉ちゃん』
本文
壁一枚隔てた隣の部屋から、コンコンとノックの音が響く。
「……おい、そこの料理テロリスト。今日の夕飯、煮込みハンバーグだろ。匂いが壁を突き破ってこっちに来てるんだけど」
壁の向こうから聞こえるのは、どこかトゲのある、けれど鈴を転がすような美声。
学園では「極道令嬢」と恐れられている御堂朱莉の声だ。
ただし今の彼女は、俺が隣に住んでいることすら知らない。
「悪かったな。お詫びと言っちゃなんだが、ベランダの仕切り板の下からタッパー挟んで送ろうか?」
「……べ、別に欲しくて言ったわけじゃないし。……でも、残すのはSDGs的に良くないと思うから、受け取りだけはしてあげる」
壁越しだからこそ見えてくる、彼女の「素の癖(あまのじゃくな性格)」。
学校で冷たくあしらわれるたび、俺は心の中で思うのだ。
(お前、昨日の夜は『君の作る味噌汁、毎日飲みたいレベル』って壁に向かってつぶやいてただろ……)
……マジでクソ。
どうなってんのコレ?
みんな課金してもっと高性能なやつを使ってるのかな?




