第二話 渾然する策謀
「ふああーあ。ん?俺って手紙送られるような友達っていたっけ?」
そこはある場末の酒場。ある日起きてきたその酒場の店主は、ドアの外に置いてあった一通の手紙に目をやる。
なぜなら彼が参加する組織の連絡手段は、特殊な能力を持ったカラスたちによって行われる。本来であれば、手紙などで連絡されるはずは無いのだ。それゆえに、彼は訝しみながらも手紙を手に取る。すると、彼の表情は一瞬で驚愕へと変わる。
「おいおい、嘘だろ!?ボスに連絡しなくては!」
そう言って彼は、急いで酒場の中に入っていった。そんな姿を僕は、路地裏から見つめながら呟く。
「さて、この選択が吉と出るか凶と出るかそれはよくわかりませんが、まあ凶と出ることはまず無いでしょう。この世界が平和に終えるには、彼が生き残る必要性もまたある。ただ、彼女が来るでしょうね…」
僕は、僕のことを『先輩』と呼ぶ少女のことを思い出し身震いする。正直言って、僕にとって彼女は相性も悪くそして過去にしたことの負い目もあるため決して会いたく無い存在でありできることなら一生関わらずに生きていたい人物だからだ。
「さて、それはまあ諦めるといたしましょう。とりあえずは、武器の新調をしなくてはいけませんね。この武器では能力を使うのも難しい。」
そう呟くと、僕はその裏路地を後にした。
◇
「ボース!」
「あん?どうしたんだ?柚刃急に呼んだりして。」
そこは暗闇に包まれた場所、おそらく洞窟であろう場所に二人の人影が現れた。
「いやーそれが大変なんですよ。『義賊』が帝国軍に殺される可能性が出てきたって報告があったんですよね。」
「ほう?何でだ?あいつは強い。それこそ大軍将並みの実力を持っている。それでいてまあまあ勘もいい馬鹿だけどな。馬鹿だけどな。」
「二回言いましたね。ボス。いやそれがその手紙には、『先輩』が討伐隊に参加するという情報も書かれてるんですよ。」
柚刃と呼ばれた少女の何気ないその一言に、ボスと呼ばれた男は驚愕する。
「何!?あいつが来るのか!?なるほど、それじゃあ死ぬ可能性が高いな。よし、悪いが柚刃頼まれてくれるか?」
「ええ!もちろんですよ!『先輩』に会えるというのなら、私はどこにでも行きます!たとえ地の果てでもね!」
「お、おう。そうか、それじゃあ『義賊』のやつを助けてやってくれ。」
「了解しました!それじゃ、いってきまーす。」
そういうや否や、少女は姿を消していた。
この作品が面白いと思ったのならば、感想と評価などもよろしくお願いします。




