表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法科学の最終定理 ──創世の術式と黒甲冑──  作者: ポポ丸


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

91/99

第91話◆うしろに引かれる

 車窓から顔を出す。


――黒甲冑がいた。


列車の後方。

片手を掲げたまま、動かない。




次の瞬間。


列車はどんどん後ろへ引き戻され、軋む音を立てながら、スピードを落としていく。


「くそっ……!」


煉が低く唸り、明里とポルックスに向かって叫んだ。

「明里、ポルックス! 乗客を先頭車両に誘導しろ! 車掌には全速で走るよう伝えろ! 急げ!」


明里とポルックスは即座に頷いた。

先頭車両へ、全力で走り出す。


車内を駆けながら、二人は叫ぶ。


「前に移動してください! 急いで! 後ろは危険です!」


真ん中あたりの車両まで来た時、明里は足を止めた。


(煉……一人で、あれと……?)


胸の奥がざわつく。


(私の判断ミスで、みんなを巻き込んでしまったかもしれない)


――あのとき、魔力を使わなければ。


あの瞬間。


ほんの一瞬の判断が、

今、全員を巻き込んでいる。



「……ポルックス、ごめん。乗客の誘導を頼む。私は煉のところに戻る!」


言い終わらないうちに、明里は踵を返した。

後方の車両へ駆け出す。


一方、煉は最後尾の車両で一人、身構えていた。


列車は急に前方へゆっくりと動き出したかと思えたが、――ガツン。天井から、重い金属音が響いた。ガツン……ガツン……規則正しく、まるで何かが歩いているような足音。



ガツン。


音が止まる。


――来る。


煉は息を殺し、天井を睨む。


その瞬間――


天井の金属板が大きくへこみ、ドンッ!という重い衝撃音が車内に響き渡った。


鉄板が裂ける。


裂けた鉄板の隙間から、


――黒。


まず、それだけが見えた。


次に、指。


金属の、ありえない形に歪んだ指が、縁を掴む。


車内の空気が、重く沈んだ。


続きが気になったら、下の【☆☆☆☆☆】で応援お願いします!励みになります

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ