表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/9

Ⅱ 堕天の光【プロローグ】

──消えた光が、もう一度世界を照らすとき。

**リリカ**


眠れぬ夜、胸の奥で、あの光がまだ瞬いている気がする。あれは痛みと希望がまじりあった、たったひとつの心臓の音。触れたら消えてしまいそうで、それでも確かに――ここにある。


あのひとがいなくなってから、世界は少し透明になった。見えなかったものが見えて、見えていたものが霞んでいく。それでも歩き出せるのは、あの声が背中に残っているから。


「行け」と言った人の光が、まだ、私を導いている。



**慧吾**


終焉のあとに残るのは、静寂と呼吸だけだった。闇の底で、わずかな脈動を感じる。――それが、リリカの心臓だ。


彼女の光が、あの場所を照らした瞬間を、今も覚えている。機は熟した。あの一言に、すべてを賭けた。


けれど、もしもこの“無”に音が届くなら、それは、まだ生きたいと願う誰かの鼓動だろう。


リリカ。おまえの光は、まだこの世界を温めている。



**ジャック**


焼けた風が頬を撫でた。灰が降る。かつて仲間だった者たちの名を、もう口にはしない。


「これで終わりかよ、まったく」笑ってみせたが、声はすぐに砂に吸われた。


あの夜、誰もが信じていた。最後の作戦が、夜明けを連れてくると。だが、夜は明けなかった。銃声も、叫びも、すべて炎に呑まれた。


残ったのは俺だけだ。それが“奇跡”ってやつなら、神はずいぶん悪趣味だ。


それでも――まだ弾は残っている。次に誰かを守れるなら、その火を、もう一度撃つために。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
, ,

,

,

,

,
,
,
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ