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第十四話:アジトのボス、その名はアーネイル

 三頭の馬にそれぞれが乗っていた。先頭を走るのはジェネガルの馬だ。それを追尾するように並んでゼルクの馬とヴィクロスの馬が走っていた。今の三人はメリルの後を追っていた。


 するとジェネガルが手綱を巧く操り馬の走りの減速に入った。その減速に追随するようにゼルクの馬とヴィクロスの馬も減速し始めた。次第に減速は増して行き最後の方で止まった。


 遅れてゼルクの馬とヴィクロスの馬も止まった。すると先に止まった馬からジェネガルが降りた。またしても遅れてゼルクとヴィクロスが馬から降りた。そして辺りを見渡し始めた。


 なんとも不気味な建物がゼルクとヴィクロスの視界に入った。ゼルクとヴィクロスは見渡しながらジェネガルの後ろに付いた。その瞬間にゼルクとヴィクロスは静かに立ち止まった。


「ここだ。ここ。・・・・・・確かここだった筈だ」


 ジェネガルがどうして先頭を走っていたのかと云えばなんでも赤翼の盗賊団のアジトを知っているらしかった。だからゼルクとヴィクロスは少しの疑問を残して案内して貰っていた。


 一体なんの疑問が残っているのかと云えばそれはもうどうして赤翼の盗賊団のアジトを知っているのかと云うところだ。どうやらジェネガルにはまだまだ秘密がありそうだ。しかし。


「ここがアジトですか。確かにあの時と雰囲気が似ています」


 ゼルクはジェネガルの秘密を訊こうとは思わなかった。なぜなら人には誰にだって知られたくない秘密があるからだ。きっとジェネガルもそんな感じだろう。ゼルクは気力を使った。


「なぁ? ジェネガル? どうしてアジトの場所を知っているんだ?」


 ぐふとゼルクがヴィクロスの言葉を聴いた瞬間に口から吹いていた。なんだろう。確かにヴィクロスにはデリカシーがない感じがする。もしこれでジェネガルが怒ったらどうしよう。


「うん? 俺がどうして赤翼の盗賊団のアジトを知っているのかって? それはな」


 ほ。ゼルクは安堵した。それにしてもジェネガルは重たそうな口を開いた。やはりなにかしらの事情があったのだろう。デリカシーのないヴィクロスさんは凄いなとゼルクは思った。


「待て。・・・・・・これは囲まれているぞ」


 ジェネガルがそう云い終わると背中から大剣を取り出した。ゼルクとヴィクロスは何事かと思った。だけどジェネガルの云うとおりで急に辺りから騒々しい葉と者が擦れる音がした。


「・・・・・・怪しい奴らめ。ここで死にたいか」


 気付いた時には十数人に囲まれていた。その内の一人が云っていた。どうやらその内の一人が十数人を纏め上げる存在のようだ。よくよく数えると十二人はいた。果たしてどうなる。


「・・・・・・返事がない。ならばここで死ねばいい。おい。やれ」


 その内の一人がそう云った。なんとも古典的だが果たしてゼルク達は十二人を相手に出来るのだろうか。ゼルクとヴィクロスはすぐさまに戦闘になると思った。だから長剣を抜いた。


 そしてすかさずゼルクとヴィクロスは敵に背を見せないように二人で重なった。そこにどうしてジェネガルがいないのかと云えば単純に大剣は場所を取るからだ。当たれば致命傷だ。


「ヴィクロスさん! ここは共闘しましょう!」


 ゼルクは敵に襲われる前に云った。ゼルクとヴィクロスは仲間なので共闘になるのが普通だろう。一方のジェネガルは仲間外れになっている事をむしろ感謝した。これで遠慮はない。


「ああ! そうだな! ゼルク! 俺達の力を見せてやろうぜ!」


 ヴィクロスも敵に襲われる前に云っていた。ヴィクロスはゼルクの提案に凄く前向きだ。これはゼルクとヴィクロスの間に友情が芽生え始めていた。信頼はもう既に構築済みだった。


「うむ? ゼルク? ・・・・・・ぬぬ!? おい! お前達! そいつはアーネイル様への土産を台無しにした奴だ! いいか! 生きて帰すな!」


 その内の一人がゼルクと聴いてなにかを思い返していた。そして沈黙が開けるとその内の一人がなぜかゼルクの事を知っているようだった。これはもしかしてダイモンのせいなのか。


「へぇ~。ゼルク。お前って有名人なんだな」


 ヴィクロスはこんな状況にも関わらずに最初に口笛を吹いた。それから口笛をやめていかにも意外だと云わんばかりの反応を見せた。確かにゼルクはもう既に怖い位に有名人だろう。


「はは」


 そんなゼルクは空回りな笑い声をあげた。だけどゼルクはヴィクロスが嫌味を云っているようには思わなかった。なぜならここで嫌味を云うようなら仲がよろしくないように思えた。


「おい! お前達! ふざけずに戦え!」


 どうやらそんなゼルクとヴィクロスのやり取りをジェネガルはふざけているように思えたようだ。確かに一見するとそうなりそうだった。もっと本腰を入れるようにと云ったようだ。


 するとゼルクとヴィクロスは黙って戦うようになった。ゼルクはヴィクロスと背中を合わせている。つまり逃げ場所がない代わりに背後を取られる心配がなかった。二人の連携技だ。


 この連携なら多少離れても背後を取られる事がなかった。それになによりゼルクはヴィクロスがいる事に安堵を憶えていた。それはヴィクロスも同じだった。二人の絆は確かな物だ。


「くる! ヴィクロス! 気を付けて!」


 ゼルクが念の為に云った。するとゼルクを狙う盗賊の一人が動き始めた。その瞬間にゼルクは長剣を構えた。それからほんの少し経ってゼルクを狙う盗賊の一人がサーベルを上げた。


「ああ。お前もな。ゼルク」


 ヴィクロスがそう云い終わる前に今度はヴィクロスを狙う盗賊の一人がヴィクロス目掛けて突っ込んできた。ヴィクロスも長剣で対処しようと構え始めた。ヴィクロスは待ち構える。


 ヴィクロスが待ち構えているとそれに乗るように敵がサーベルをギリギリの間合いになるまで上げなかった。ヴィクロスはサーベルを見てすぐさまに長剣で防御体勢に入ろうとした。


 敵の持つサーベルは突き攻撃に特化していた。それでもいちよう長剣のように扱えるようだ。ヴィクロスの長剣と敵のサーベルが当たる度に重厚感のある音が断続的に辺りに響いた。


 どうやら敵は果敢に攻めてくるタイプのようだ。しかしジェネガルは大剣を無闇に振り回しているので敵は近寄り難いようだ。どうやら後手に回ったのはゼルクとヴィクロスだった。


 ジェネガルはこれだけ暴れているがまだ一人も倒せていない。これではジェネガルの体力が先に尽くか。もしくは愛しい子供の為や仲間の為に暴走を続けるか。これは二つに一つだ。


 とここでゼルクは鍔迫り合いに入った。どうやら敵とゼルクの力は拮抗しているようだ。そんな互角の状況にゼルクの方が先に嫌気を差した。ゼルクは力を振り絞ると長剣を弾いた。


 ゼルクは長剣を弾く事で敵に一瞬の隙を作らせた。敵が体勢を崩して長剣が上向いた。その瞬間にゼルクはすぐさまに動作が繋がるように動き敵に一閃を入れた。静かに敵が倒れた。


 ゼルクが敵を倒したのも束の間に次の敵がやってきた。ゼルク達は既に敵に囲まれているので逃げ場がさらにない。これでは凄まじく時間を喰う事になる。出来れば早くに倒したい。


 だがゼルク達にそのような力はなく。今はひたすらに地道に戦わなければいけないような状況だった。その証拠にゼルクは新たな敵と戦い始めた。気持ちが負けたら死に急ぐだけだ。


 ただしゼルクにとって赤翼の盗賊団はダライアスと比べて弱い方と感じていた。だからここはビビーを温存しておこうとした。魔力剣も即ち。だからゼルクは同じ戦術で挑み始めた。


 ずばりゼルクの思惑は当たっていた。ゼルクが感じた通りに力ではゼルクの方が上だった。だから防ごうとしても防げていなかった。敵の長剣が上向いた。次の瞬間。ゼルクが動く。


 ゼルクは再び動作が繋がるように動いた。そしてすぐさまに敵に一閃を入れた。これでゼルクが倒したのは二人目だ。正直のところでだれも死なせたくはなかった。つい本音が出た。


 でもそれでも赤翼の盗賊団は人を平然と誘拐するような連中だ。ゼルクはメリルを救う為ならば盗賊団の頭首であるアーネイルを討つ覚悟がある。だけど話し合いで解決も最重要だ。


 あくまでも話し合いでの解決がどうしても無理と判断した時のみ武力を行使するつもりだった。ただしメリルが人質と化している場合もある。つまり最悪の場合はメリルが死ぬ事も。


 正直の話は嫌な感じしかしない。常に想定して動かないといけないが今回ばかりは不運ばかりが目立つような気がした。そんな事を脳裏に浮かべつつもゼルクはひたすらに防御した。


 ゼルクはもう既にお得意になっている敵の長剣弾きを実行していた。敵の長剣はまんまと上向いた。そして動作を分断しないように繋ぎながら敵に一閃を入れた。静かに敵が倒れた。


「ええーい! お前等は! 無能か! ここは一気に攻めろ!」


 三度目の正直と云わんばかりにその内の一人が云った。確かに一対一ならば敵の方が武が悪いようだ。だからその内の一人は数人で一気に襲えと命令した。これはまずい。どうする。


「ぬぅ!? 敵の動きが変わった!? おい! 気を付けるんだ!」


 ひたすらに大剣を振り回していたジェネガルは次第に無視され始めていた事に気が付いた。だからジェネガルは大剣を振るうのをやめた。そして急にゼルクとヴィクロスに警告した。


 ジェネガルに云われた時にヴィクロスはゼルクと同じ数の敵を倒していた。即ち敵は今六人になった。ただし指示を出した敵を加えると七人だ。とここでゼルクに三人の敵が襲った。


 またヴィクロスにも同じタイミングで三人の敵が襲い掛かった。ゼルクとヴィクロスは急に走り始めた。どうやら連携を捨てて個人戦に出るようだ。果たして敵に勝てるのだろうか。


「ぬぅ!? 仕方がない。ここは! 司令塔を倒すか!」


 だれも相手にしてくれない事にジェネガルは困惑した。だけどまだ司令塔がいる事にすぐに気付いたジェネガルは大剣を背中に装備すると司令塔目掛けて走り始めた。単独で挑んだ。


「ぐ!? 仕方がない! ここは俺様も戦うか!」


 司令塔が痛いところを突かれたような感じで云っていた。しかしすぐに開き直った。だから司令塔はサーベルを抜くと走り始めた。それを見たジェネガルはびびる事なく走り続けた。


 どうやらジェネガルは止まる気がないようだ。しかしジェネガルが司令塔の間合いに入り込むと急に立ち止まった。なぜなら司令塔がサーベルを使って連続切りをしてきそうだった。


 ジェネガルは司令塔の連続切りを想定内にしていた。だからジェネガルは凄まじい反応で避けた。ジェネガルは司令塔が切ってくる度にちょっとずつ後ろに下がる羽目になっていた。


 このせいでジェネガルは中々大剣を取り出す事が出来なかった。しかしジェネガルはとある考えを持っていた。それは司令塔の攻撃が止まる。その一瞬の隙を突くと云う作戦だった。


 ジェネガルは妙に自信満々だった。なぜなら人間の集中力には限りがあると思い込んでいた。だからその一瞬の隙を突けばこちらにも勝機があると思った。果たして思惑通りなのか。


 とここでジェネガルの予想は見事に当たった。ジェネガルは司令塔の一瞬の隙を突いて司令塔目掛けて走り始めた。そしてジェネガル自身の間合いに入ると大剣の柄に右手をやった。


 ジェネガルは司令塔の目の前で急に立ち止まると司令塔目掛けて大剣で抜き切りをした。ジェネガルの抜き切りに司令塔は防御するしかなかった。ジェネガルの重たい一撃が入った。


 ジェネガルの渾身の一撃は司令塔の両足を地面に滑り込ませた。とそれと同時にジェネガルの渾身の一撃によって司令塔のサーベルにヒビが入ったようだ。ジェネガルの底力は凄い。


「まだだ。まだ終わっていない」


 ジェネガルの声がした。どうやらジェネガルは今から回転切りをするようだ。だからジェネガルは体勢を整わせると右回転した。ジェネガルが回りながら大剣に遠心力を溜め始めた。


 実のところでジェネガルは二回転か三回転くらいしたかった。だけどいくらなんでもそこまで待ってくれる敵はいないと思った。そう思ったジェネガルは一回転で済ませようとした。


 大剣の回転を一回にしたので遠心力はそんなに出なかった。それでもジェネガルは運がよければヒビの入ったサーベルを真っ二つに割れると思った。さすがの敵も武器なしは降伏だ。


 もしくは逃げる者と見ていた。とここで中途半端に勢いに乗った大剣が司令塔のサーベルに当たった。すると見事に司令塔のサーベルが真っ二つに割れた。この軍配は大剣の勝ちだ。


「ひぃっ!?」


 司令塔は急に折れたサーベルを両目のまん前に持ってきた。そして折れてしまったサーベルを畏怖しながら見ると全身から身震いが起きた。司令塔は余りの衝撃に今にも逃げそうだ。


「ぐぬぬぬぬ。く、くそ。この俺様が遅れを取るなんて。お、憶えてろよ。その・・・・・・お前」


 司令塔は歯軋りをしながら云っていた。そして実に悔しそうに続けていた。どうやら司令塔は勝つ気でいたようだがジェネガルに見事にしてやられた。だから今にも逃げ出しそうだ。


「俺の名はジェネガル。去る前に聞こう。貴様の名を」


 ジェネガルが紳士っぽい事を云った。果たして訊くほどの者だろうか。それでもジェネガルは訊かなければ気が治まらなかった。だからジェネガルは渋い感じで司令塔に訊いていた。


「ふん! 俺様の名前はな! ザグロス! ザグロス・バーリオン! よく! 憶えておく事だな! 俺様が赤翼の盗賊団で二番目に偉い事を!」


 司令塔ことザグロスの云っている事は本当だろうか。この情報は赤翼の盗賊団で一番のアーネイルに訊いて見ないと分からない事だ。だけどジェネガルは訊こうとも思わないだろう。


 なぜならこれから起きる事は大きくてきっと訊く暇がないだろうと考えていた。もし万が一にでも訊けたとしても相手が真剣に答えてくれる確立は低そうだ。それにメリルが優先だ。


「んじゃあな!」


 ザグロスがそう云い終わると走り去って行った。するとザグロスの部下達が残り三人と云う時にザグロスの部下達が情けない声をあげながら散り散りに逃げて行った。勝ったようだ。


 ゼルク。ヴィクロス。ジェネガルは勝ちを悟った。だから持っていた武器をそれぞれに元に戻し始めた。そしてゼルク。ヴィクロス。ジェネガルは息が揃うように館に集まり始めた。


 よくよく不気味な建物を見ると洋館だった。立派と云うには程遠いがそれでも人が住むには丈夫そうだ。ちなみに初めてメリルが誘拐された時に助けに行った建物と構造が似ていた。


 ゼルク。ヴィクロス。ジェネガルは洋館の出入り口付近で合流した。ようやく三人は洋館の中に入れると思った。するとジェネガルが勝手に出入り口のドアノブに右手を被せ始めた。


 そしてジェネガルは静かにドアノブを回し始めた。ジェネガルの感通りならばこの先にメリルとアーネイルが待っている筈だ。それにしてもアーネイルとはどんな人物なのだろうか。


 ジェネガルによって洋館の出入り口が開こうとしていた。洋館の出入り口は両扉になっていた。ジェネガルは両手でそれぞれの両扉を押していた。あともう少しでメリルと出逢える。


 どうやら洋館の中はエントランスホールになっているらしい。全体的に明るくないのは蝋燭の火が乏しいからだろう。それでも陽光が差し込む窓がいくつかあり日の気を感じさせる。


 まさしくゼルクが初めてメリルを助けに行った時の洋館そのものだった。ならば答えはもう知っている。きっとこの先にアーネイルがいる筈だ。そしてメリルもまたそこにいる筈だ。


 ただしこの前と違うのは頼りになる仲間が二人も出来た事だ。先頭を歩くジェネガル。その後方をゼルクと一緒に歩くヴィクロス。二人共本当に頼りになる存在だ。まさしく屈強だ。


 三人共々静かに次の部屋を目指した。どうやらこの部屋には罠がないらしい。それを悟った三人はこの先にいると思った。だから三人は次の部屋に行く為の出入り口で立ち止まった。


「この館・・・・・・前にメリルちゃんが誘拐された時の館にそっくりだ。それが本当ならきっとメリルちゃんはこの先にいる筈だ」


 ゼルクがだれよりも先に云った。ゼルクには分かる。この館の構造がダイモンと対峙した時の館と瓜二つな事が。もしそれが本当なら次の部屋は二階がある筈だ。そこに奴等がいる。


「そうか。メリルとか云う娘は過去に一度誘拐されたのか。・・・・・・赤翼の盗賊団は狙った獲物は執拗に追うと聴いている。大変だったな」


 ジェネガルが物寂しそうに云っていた。どうやらジェネガルも赤翼の盗賊団について詳しいようだ。ジェネガルはゼルクに慰めの言葉を送った。気休め程度だが云って複雑さはない。


「おっと! 俺はメリルなんて娘の事を知らないが? 赤翼の盗賊団なら聴いた事があるな。なんともまぁめんどくさい連中に目を付けられたもんだな」


 ゼルクが返事をするのかと思いきやヴィクロスが割って入ってきた。ヴィクロスは当然の事でメリルを知らない。だからあえてメリルの会話は続けずに赤翼の盗賊団の話をし始めた。


「その因縁も今日で終わる。いや。終わらせるんだ。・・・・・・行こう。メリルちゃんが待っている」


 ゼルクは神の篭手を目の前に持ってきながら云った。そして沈黙に入ると神の篭手を元の位置に戻した。ゼルクの両手や下顎に思わず力が入る。ここからが本番だとゼルクは思った。


「ああ。分かった。ヴィクロス。準備はいいな?」


 ジェネガルはゼルクの気負いが十分にある事を確認した。その結果はゼルクは大丈夫そうだった。だからジェネガルはヴィクロスに声を掛けた。この時のジェネガルは真顔で云った。


「ああ。心の準備は出来ている。行こう。そのメリルって子を助けに」


 ヴィクロスの気合いも十分だった。ヴィクロスは最初の言葉の時に深く頷いていた。そして頷く事をやめて心の準備が出来ている事を打ち明けた。だからヴィクロスもやる気だった。


「よし。んじゃ開けるぞ。お前達」


 ジェネガルがそう云い終わると次の部屋へのドアノブに右手を掛けた。そしてそっと開けた。次の部屋と扉の隙間からはなんの光も差し込んでこなかった。最後まで開いても同じだ。


「入るぞ」


 凄く短い言葉をジェネガルは云うと次の部屋へと歩き始めた。一方のゼルクとヴィクロスは並んで入って行った。どうして並んで入れたのかと云えば単純に両開きの扉が開いていた。


 次の部屋は真っ暗だった。この流れはまさしくダイモンの館とそっくりそのままだった。きっとアーネイルもダイモンと似たり寄ったりのところがあるのだろう。まさしく瓜二つだ。


 しかし違った点があった。確かに天井からぶら下がっている照明からの急なスポットライトは似ていた。だがしかしアーネイルはダイモンとは違って一階の奥にいた。メリルもいた。


「メリルちゃん!」


 ゼルクは即座にメリルを確認するとだれよりも先に出た。とその前にジェネガルとヴィクロスは部屋の真ん中に行く事を諦めて立ち止まっていた。だからゼルクは二人を越していた。


「え? その声は・・・・・・ゼルク様?」


 当の本人であるメリルはまさかこのタイミングでゼルクが来るとは思わなかった。だからメリルは不思議がっていた。ちなみに見た限りのメリルは人質にされている訳ではなかった。


「メリルちゃん! よかった! 無事で!」


 ゼルクは一先ず安心した。もしメリルになにかが起きたらどうしようと思っていた。でも見た限りは本当に人質になっていなかった。つまりだれかに羽交い絞めにされていなかった。


「あ!」


 メリルがなにかを云おうとした。その感じから察するにそんなに緊迫はしていなかった。むしろここは安全圏ですと云われそうだった。でもそれでも敵は敵だから油断は大敵だろう。


「おっと! それ以上の無礼は許さんぞ」


 よくよく見るとメリルの横に二人から三人ほどの距離を開けて突っ立ている謎の人物がいた。謎の人物はおっと! の時点で丈長いマントから右手を開きながら前に差し出していた。


「お前が・・・・・・お前がアーネイルか!」


 ゼルクは右手を右に振り払いながら云っていた。この時のゼルクは半ば怒りになっていた。だから冷静さを失い二度も云う羽目になっていた。それにしても謎の人物はアーネイルか。


「ふん! まぁいいだろう。そうだ。この俺こそが赤翼の盗賊団のボス! アーネイルだ!」


 謎の人物はゼルクの無礼な物言いに嫌いが入り始めていた。しかしそこをなんとか耐え忍び謎の人物は自身の事をアーネイルだと認めた。アーネイルはさながらヴァンパイアのよう。


「アーネイル! 今すぐにメリルちゃんを返せ!」


 ゼルクは即座にアーネイルだと分かると単刀直入に云い始めた。駄目元でも云わなければ伝わらないと思った。だけどゼルクは云う事を聞くタイプではないと心の奥底で思っていた。


「ふん! 出来んな。それに・・・・・・この子は我が赤翼の盗賊団の一員になる事を今約束した」


 既にアーネイルはゼルクの事が嫌いに成り掛けていた。即ちこれでは解決出来る筈がなかった。それによくよく聴くとどうやらメリルはアーネイルと約束をしたようだ。本気だった。


「そんな! 馬鹿な!」


 今すぐには信じられないがアーネイルの云っている事は本当だった。確かにメリルはアーネイルと約束をした。でもそれは絶対に不当だった筈だ。それなのにメリルはどうしたのか。


「信じられないのも無理はありません。ゼルク様。これでいいんです。これで」


 メリルは真顔で淡々と云っていた。だけど分かる人には分かると思う。これがメリルの本心ではない事が。そう。メリルはただ単にゼルク達に迷惑を掛けたくない一心に約束をした。


「嘘だろ! メリルちゃん! 俺・・・・・・云ったよね? 絶対に助けるって!」


 ゼルクは絶句しそうだった。それでもゼルクはなんとか持ち直して云っていた。全て嘘だとメリルに云って欲しかった。絶対に助けるって約束した筈だ。ゼルクは納得をしていない。


「ゼルク様」


 メリルの演技の集中力が切れ始めた。だからメリルは下を向き悲しい表情をしていた。メリルは自分以外には聞こえない声量で云っていた。メリルはまだ心の中では納得していない。


「なにを云っても無駄だ! どちらにせよ。我が赤翼の盗賊団は狙った獲物は逃さない。な! メリル」


 アーネイルは急に云い始めた。まるでメリルを庇っているような感じだ。しかも最後に止め的にメリルと呼び捨てにした。アーネイルはメリルならばきっと理解しただろうと思った。


「はい。アーネイル様」


 その証拠と云わんばかりにメリルは返事をした。しかも皮肉な事にアーネイル様と呼んだ。メリルの本音はゼルク一筋でいたかった。でもそれだと今の状況に合わないから利かせた。


「メリルちゃん! ぐ」


 それを耳に入れたゼルクはメリルに目覚めて欲しいと云う一心の下で呼び掛けた。でもそれでもメリルの心は頑なだった。その頑な心を理解してしまったゼルクは両手に力を込めた。


「ふん! さぁ! お帰りはあちらだ! さぁ! 帰って貰おうか! さぁ! さぁ! さぁ!」


 アーネイルはふてぶてしい態度を取ると右手の人差し指でこの部屋の出入り口を示した。しかもさっさと帰れ的な事も云っていた。さらに鋭く詰め寄るアーネイルの言葉による嵐だ。


「馬鹿な! こんな事があっていい筈が・・・・・・ない!」


 ゼルクは今にも蒼褪めそうな顔立ちで下を向きながら云っていた。ゼルクは沈黙の際に顔を上げてメリルの方を見ながら云っていた。ゼルクの言葉は空しかった。沈み掛けの言葉だ。


「・・・・・・ゼルク様。ご迷惑お掛けして申し訳ありませんでした。でも・・・・・・もう大丈夫ですから。ここからは私がゼルク様をお守りしますね?」


 メリルは一生懸命に悲しみを堪えた。だからここにいるのは本当のメリルではない。空しい空気だけが辺りに流れていた。メリルは自分の呪われた運命を受け入れたまでだ。なのに。


「脅されてるのか。アーネイルに」


 ゼルクは現実逃避をし始めていた。だがこれもあり得る話だと思い始めた。だからゼルクはやや悔しそうに云っていた。しかも全身に力が篭っているので喋りが実にぎこちなかった。


「脅しなんて人聞きの悪い。俺はただ仲間になればそれでよいと云ったまでだ」


 アーネイルはゼルクの言葉を耳に入れると即行で断ってきた。どうやらゼルクはアーネイルの怒りをほんのちょっと買ってしまったようだ。だがアーネイルはその程度では怒らない。


「でも! それでも!」


 ゼルクは現実逃避の他に無駄なあがきをし始めた。ゼルクはメリルを助けたい一心で云っていた。だがそれがどう考えても子供染みた事ばかりだった。具体的な解決方法は闇の中だ。


「ゼルク様! しつこいですよ? 私の人生は私の選択で決めます。これは私が望んだ事なんです」


 遂にメリルはゼルクに対して怒り始めた。確かにメリルの云う通りで自分自身の未来は自分自身で決める物だろう。だがメリルの心の奥底はどうにかして抜け出したいと思っていた。


「だそうだ。さぁ。帰って貰おうか」


 アーネイルは不敵な笑みを浮かべながら云った。実に優越感に浸ったアーネイルは機嫌がよさそうだ。このままではアーネイルとメリルに追い返されてしまう。それだけは避けたい。


「嘘だ。嘘だ。嘘だ」


 ゼルクはもう既に心ここにあらずな心境だった。同じ言葉を三回だけ連呼すると下を向いたまま黙り込み始めた。このままではアーネイルの側近との戦闘が確実に待っているだろう。


「分かってはいたが・・・・・・やはりここは」


 ジェネガルがゼルクの心情に同調し始めた。悲しい事にジェネガルまでもが下を向き始めた。ジェネガルは悔しそうに上下の歯で食い縛り始めた。歯軋りは起きていないが苦しそう。


「いざとなれば人質にしそうだな。これは」


 ヴィクロスが妙に出てくる額の汗をそのままにして冷静に敵の動きを分析し始めた。その結果が今さっき云った通りだ。確かにヴィクロスの云う通りで平然と人質をとりそうだった。


「ふうん。大人二名は子供一名を保護して帰るように。いますぐに!」


 アーネイルはまたしても上機嫌そうな声をあげた。そしてアーネイルはゼルクの事を子供扱いした。もうそれ位にアーネイルはゼルクの事を鬱陶しいと思っていた。ここで消そうか。


「ゼルク様・・・・・・え?」


 メリルももう投げ掛けてあげれる言葉に限界がきていた。だからメリルは下を向いてだれにも聞こえない程度に云っていた。とここでメリルはなにかの反射を見つけて不思議がった。


「うわああああ!」


 と急に謎の男がアーネイル目掛けて走り始めた。どうやらこの感じからして謎の男はアーネイルの側近らしかった。しかしなぜか。アーネイルの側近である謎の男がナイフで刺した。


「ぐふ!? き、貴様は?」


 アーネイルは謎の男の隠しナイフによって心臓まで到達するほどに刺されていた。するとアーネイルから謎の男が急に離れた。この時の謎の男の両手には刺した後のナイフがあった。


「きゃあああ!」


 メリルの叫び声だ。それもそうだろう。急に人が刺された。それが例え敵であってもメリルにとってはありえない事だった。メリルは余りの状況に耐え切れなくなった。気を失った。


「お前は! こんな事をしてまでも欲しいのか! こんな事! 間違っている!」


 謎の男が両手に血塗れのナイフをしっかりと持ちつつも云っていた。どうやら謎の男はアーネイルの事が気に喰わなかったらしい。ちなみにアーネイルは謎の男が離れた事で倒れた。


「ガーロイド! 貴様! 裏切ったな! この!」


 アーネイルの側近が云い終わる直前に裏切り者のガーロイドに近寄った。どうやら謎の男はガーロイドと云うらしい。ガーロイドは斬られると思って両手を解いて元の位置に戻した。


「ぐ」


 その瞬間にガーロイドはアーネイルの側近に斬られた。斬られたガーロイドは全身の力が抜けるようになりナイフを床上に落としてから倒れ込んだ。この時にナイフは床に刺さった。


「ガーロイド!」


 ジェネガルがなぜか叫んだ。しかも初対面の筈なのにまるで古くからの知り合いのような感じがした。なぜだろうか。ジェネガルは叫んだ後にガーロイドの下に走り始めた。なぜか。


 ちなみにジェネガル以上にこの状況をヴィクロスは好機と思った。だからヴィクロスはジェネガルの後を追うように移動を開始した。狙いは当然の事でアーネイルの側近だ。左側の。


「ぐ」


 先にアーネイルの側近を倒したのはジェネガルだ。ジェネガルに斬られたアーネイルの側近はその場に倒れ込んだ。ジェネガルは斬り終えた瞬間にガーロイドの下に急いだ。なぜか。


「ぐ」


 次にアーネイルの側近を倒したのはヴィクロスだった。どうやらアーネイルの側近は二名しかいないらしい。これでここにいた敵は全て倒しただがなぜか一人だけ浮かばれない者が。


「ぐ・・・・・・」


 ガーロイドが痛そうな声をあげた。ガーロイドはアーネイドの側近に斬られた事で大量に出血していた。このままではガーロイドは助からないだろう。そんな中でジェネガルがいた。


「ガーロイド!」


 ジェネガルとガーロイドはやはりなにかの縁がありそうだった。もうそれ位の感じがした。ジェネガルはガーロイドに近付くと仰向けにして膝枕をした。一体どんな関係なのだろう。


「父さん。俺・・・・・・ぐふ」


 なんとガーロイドはジェネガルの事を父さんと云った。なんと云う事だろうか。でもこれでジェネガルが赤翼の盗賊団のアジトを知っていた事の説明が付く。彼らは実の親子だった。


「もういい! 喋るな!」


 ジェネガルが心の底から云っていた。もう既にガーロイドが手遅れである事をジェネガルは悟った。ジェネガルは親としてガーロイドが赤翼の盗賊団に入った事を今になって許した。


「やっと・・・・・・分かったような気がする。本当にごめん。こんな・・・・・・俺で」


 ガーロイドはそう云い終わると静かに息を引き取った。こんな残酷な再会があっていいのだろうか。最期に分かり合えた事だけでもよしとしても失った命はもう二度と元に戻らない。


「うおおおおおお!」


 急に息子を亡くしたジェネガルは本当に心の底から震えるような声をあげていた。しかし最期の最後で息子が頬に触れた感触だけがジェネガルの意識を正常にさせていた。どうして。


「・・・・・・ジェネガル」


 ヴィクロスが沈黙の時にジェネガルに近寄った。この時のヴィクロスは半ばなにが起きたのかを知らないでいた。だが云える事は今のジェネガルとガーロイドは並ではないと云う事。


「ジェネガルさん」


 ゼルクが遅れてジェネガルに近付いてきた。そして会話が普通に出来る距離で立ち止まり云っていた。ゼルクの声はもう生気が感じられなかった。メリルに神経を使い過ぎた結果だ。


「・・・・・・行くぞ」


 すると実にあっさりとした沈黙の後にジェネガルが云っていた。その発言は小さくても遠くに届きそうな声音だった。しかし二人に届くかは不明だ。もし届いても聞き取れないかも。


「え?」


 その証拠に一番近い筈のヴィクロスでさえこの有り様だった。ヴィクロスと比べてほんのちょっと遠いゼルクもヴィクロスと同じ感じだった。嫌。もしかすると聞こえていないかも。


「行かないとな」


 ジェネガルの今度の言葉はヴィクロスにはっきり聞こえたようだ。この時のジェネガルは半ば怒り気味だった。だからいつ憤怒しても可笑しいはなかった。一体いつ怒り始めるのか。


「どこに?」


 ヴィクロスが恐る恐るジェネガルに訊いて見た。ヴィクロスはなにやらジェネガルが怒りそうな事に内心ドキドキしていた。なぜなら相手はあの大将軍だ。暴れられたらたまらない。


「いいから! 全員運ぶんだよ! 今すぐにな!」


 案の定。ジェネガルが怒った。しかしなんとか理性は保っていた。それでもその怒号に近い感じの発言はゼルクにまで余裕で届いていた。ゼルクはジェネガルが今したい事を悟った。


「お墓ですか」


 だからゼルクが静かに云った。その一言はまるで刃物で薄い紙がスルリと斬れたような感じだった。それ以上になんとも云えないような感じをゼルクは背負っていた。重たい空気だ。


「ああ。そうだ。今は静かに埋葬してやりたい」


 どうやらジェネガルが云いたかった事をゼルクが代弁したようだ。ジェネガルは少し前まで男泣きをしそうだった。しかしなんとか男泣きを抑えて今は息子達のお墓を造りたかった。


「だな。なら早速運ぶとするか」


 ヴィクロスがジェネガルとゼルクとのやり取りを見て察した。この時のヴィクロスは両腕を組んで一回だけ頷いた。そして云い終わると両腕を元に戻した。すると物静かに見渡した。


「ああ。そうしてくれ。俺はガーロイドを運ぶ」


 ジェネガルは頷く事なく云い終わった。そして云い終わると息子であるガーロイドを運び始めた。本当はこんなところよりももっと身近な故郷にでも埋葬したかった。でも出来ない。


「なら俺は・・・・・・まずはアーネイルから運ぶとするか」


 ヴィクロスは敵とは云え亡くなったアーネイルを埋葬する事を選んだ。なぜと云われたら困るが死んだら皆平等と云う考えがどこかにあったのだろう。ヴィクロスは移動を開始した。


「俺は・・・・・・気を失っているメリルちゃんを運びます」


 ゼルクは真顔で云っていた。その真顔の中にはどこか切なそうな表情があった。メリルが無事とは云えこの終わり方は最早無様だった。ゼルクは心の奥底でもっと出来ればと思った。


「お! そうだな! こんな状況で女の子を一人にするなんて出来ないよな? さすがだ。ゼルク」


 ヴィクロスが急に立ち止まってから云った。ヴィクロスとメリルは初対面以下だがヴィクロスはメリルと云う名前から女の子だと目星を付けていた。だからこんなにも円滑になった。


「俺は・・・・・・約束したんです。どんな事があっても守るって」


 ゼルクは悔しさの中に真顔を作っていた。その複雑そうな表情は最早歴戦の猛者と云うべきだろう。かつてない出来事がゼルクを苦しめていた。それももう終わった。最悪な結末で。


「そうか。その約束・・・・・・果たせるといいな」


 ヴィクロスがゼルクの気持ちを知れて安堵した。だからヴィクロスは安堵した分の余裕を発言に回した。ヴィクロスの気持ちは本当に晴々としていた。それも一途なゼルクのお陰だ。


「はい! 守って見せます!」


 ゼルクは威勢よく返事をした。そして断言した。ゼルクの気持ちは生半可ではない。これからはもっと細心の注意を払って行こうと思っていた。ゼルクの気持ちが更なる高見になる。


「んじゃあ俺達も運ぶとするかぁ!」


 ヴィクロスはゼルクからすこぶるような元気を貰った。それはまさにヴィクロスとゼルクの間に更なる信頼が生まれた瞬間だった。ヴィクロスは云い終わるとゼルクの返事を待った。


「はい! ヴィクロスさん!」


 ゼルクはこれまた威勢よく返事をした。するとゼルクとヴィクロスはさっきまでが嘘のように清々しい気分で移動を開始した。気分が高揚して感覚が鈍くなったところもあるだろう。


 こうして赤翼の盗賊団との対立は収束へと向かっていった。残党が心残りだが当分の間は動かないと思っている。もし仮に残党らが復讐にきてもゼルク達は負けるつもりはなかった。


 だってゼルク達には守りたい者達がいるから。それに交渉次第で分かり合えないなんてないと思っていた。どんな敵も己自身の敵も自分自身から死にたいとは絶対に思わないだろう。


 守りたい者や守れなかった者も共存出来る世界が必ず来ると信じてゼルク達は邁進して行く。果たしてそんな状態のゼルク達の前に現れるのは最悪な未来か。それとも最善の未来か。

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