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第72話 教室にやってきたのは美少女ではなく、悪魔だった?

「貴様にはいろいろと世話になった。感謝している。ただ、今回の事は出来るだけ内密に頼む。やはり、自分の過去を他人に知られるのは恥ずかしいからな」

「言われなくても誰にも話さない。安心してくれ」

「フフ。そうか。貴様は意外と男らしいのだな。深く感心した。それはそうとSMオルガニスについてなんだが、こちらの方は私と貴様の名でパートナー申請を済ましておく。よろしく頼むな」

  

 えー。何じゃそりゃ!

 誰がいつどこで組織に入ると言った?冗談じゃないぞ。

 と言いたい所だが、こんないい空気をぶち壊せる訳ねー。


「では、貴様にかけた魔法を解く。しばし待ってくれ」

 はー。本来なら嬉しいハズなのに何だかとてつもなく憂鬱だ。

 こうなったら身代わりでもたてようかな。


「解!」

 イザベルが力強く言葉を発した直後、手以外に力が入るようになった為、そのまま立ち上がる。


 やった。

 いろいろな事があったが、ついに保健室ともおさらば出来る。

 

「無事に起き上がれたみたいだな。ならとっととクラスに戻るぞ」

「ああ」

 後に行われた終礼で問題が発生する事は一切なく、話を終えた

イザベルは何ともクールに教室から出ていった。


 


 やっぱあいつはこうでなくちゃな。

 完全復活したみたいで何よりだ。さあ、俺もグズグズしてないで帰るぞ。

 カバンを手に教室から出ようとするが、キーリがドアの前に立ち塞がり、外へ行く事が出来ない。


「おい、何のつもりだ?」

「何よ。私が邪魔だというの?」

 悪びれるそぶりなど全くなく、キーリが言葉を返してくる。

 

 たく。こっちはトラブルばかりで疲れ果ててるというのに。

 何の目的があって邪魔なんてする?

 どうせ、大した用もないくせに。

 


「ああ、ハッキリ言って邪魔だ。邪魔邪魔でしょうがない」

「ふーん、じゃあ、いいわ。アンタにはある情報を教えようと思ってたけど、聞きたくないならしょうがないわね」

 程なくキーリが、ドアの正面から横へ移動を行う。


 何だよ。

 そんな事言われたら、気になってしょうがないじゃないか。

  

「な、なあ。ほんの少しでいいから、お前の知ってる事を教えてくれないか?」

「あら、話が聞きたくなったの? しょうがないわねー。今回は特別よ。私に感謝しなさい」

「あ、ああ」

「実はさっき星名先輩が一ーE教室に来たのよ。どうやらアンタの事を探してるみたいで私に居場所を聞いてきたの」

 

 な、なにー。

 そういえばすっかり忘れてたが、俺は昼休みに先輩の所に行けなかったんだよな。

 うわ……

 途端にトラブルのニオイがしてきた。


「まさか、先輩がな。かなり驚きだが、いつ来たんだ?」

「えーと、五限目の後の休み時間よ」

「そうか。で、どんな表情だった?」

「うーん。先輩はいつも機嫌が悪そうだけど、今日はやたら怖かったわね。クラスの皆もたいそう怯えていたわよ」


 ひー。

 まじか……

 この分だと先輩に殴られるだけで済まず、魔法で火あぶりにされるかもしれないぞ。


  

「どうしたの? 顔が青いわよ。もしかして怖いの?」

「バ、バカ言え。そんな訳ないだろ」

 

 とは言ったものの、体が震える。

 俺はこの後どうなるんだろ。


「なら、心配は要らないわね」

「ま、まあな。ところでお前は、まゆり先輩の問いに対してどう答えたんだ?」

「正直に知りませんと答えたわ」

「そしたら、先輩はどうした?」

「普通に教室から出ていったわよ」

 

 という事は、俺への伝言は一切なかった訳か。

 てっきり気性の荒い奴の事だから、呼び出しくらいありそうな感じだったんだがな。

 ちょっと予想外だ。というか、先輩は今どこにいるんだろう?

 ひょっとしてどこかに身を潜め、俺を捉えようとしているんじゃないだろうな。

 正直どうしようもないくらい不安だが、ずっと教室にいてもしょうがない。

 


「俺はそろそろ帰る。貴重な情報ありがとな」

「そ、そ、そうでしょ。私に感謝しなさい」

 強気な態度の一方でキーリの顔が赤くなる。


「プッ。分かりやすい奴」

「な、何なのよ、アンタ! 私を馬鹿にするのもいい加減にしなさい」

「はいはい。分かった、分かった」

「くー。何よもう! すざくのくせに」

 まむなくキーリと別れのあいさつを済ませ、教室の外へ出る。

 

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