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parallels  作者: 核子
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8/11

心療内科

こんな取引先は無いよな・・・。

月曜日に出社すると、デスクの上に『ウーニウェルスムリサーチ』と社名の書かれた封書が有った。

住所は都内になっている。


単なるDMだろうと思ったが、何気なく開封してみると、緑色の紙が一枚折り畳んで封入されていた。

「ミドリイロ?」

ぶつぶつ言いながら取り出して開くと、英文タイプの文章と下に日本語の署名が記されている。

「何だこりゃ?しかも英語だし・・・鈴木未来って誰だよ・・・」

と思いながら眺めていた私の目に入って来た単語が有った。


『Alternate world』


パラレルワールドに関する記載である。

仕事するふりをして早速意訳に取り掛かったが、CM文章から抜粋した様なフレーズの繋ぎ合せで、全く意味を呈していない。

が・・・最後の1行に今日の日付と時間、病院の名前が記載してある。


Hanazono Psychosomatic Medicine Clinic


花園心療内科医院。

2週間ほど前に開業した医院であった。

時間は10時27分、微妙に半端な時間指定である。


「ちょっと出かけます。」


総務に言い残して社屋を後にした。


多重人格,心療内科,パラレルワールド。

全て今の自分に関連性のあるキーワードだが・・・

そんな事を考えながら医院の受付前に立った時、私は言葉を失った。


「あ、あなたは・・・」


その私の言葉を打ち消すように、受付の女性は言った。


「佐々木さんですね。お掛けになってお待ちください。」


私にメモ書きを残した女性が目前に座って居たのだ。


時間は・・・ちょうど10時27分。

おかしい。

会社を出たのは10時15分。

ここまでは15分以上かかる道のりである。


「佐々木さ~ん」


診察室から混乱している私を呼ぶ声が聞こえた。



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