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parallels  作者: 核子
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4/11

困惑

いや、この身体は・・・14年前の私の身体。

つまり私は、身体全体でジャンプしたのではなく、記憶と共に意識だけがジャンプしたのか?

頭の中に仮説だけが渦巻き、現実の確証も得られないまま玄関のドアを開けた。


あの頃のまま・・・これが今の私にとって現実なのか?

ビールグラスを傾けながら妻の顔を窺った。


「どうしたの?」


ここに来てもう5日目、悟られてはいけない。


「いや、新製品の開発が思う様に進まなくてね・・・」

「機械ってヤツは、思った様に動くんじゃなく、作ったように動くからな」


常套句である。

考え事の内容を悟られないためには、仕事の内容にすり替えて見せるのが最上の手段だった。

そして、妻は諦め顔でテレビに目を向けた。


自分に何が起きているか、この場所が何処なのか・・・

早く現実を見極めなければ、超常的な人間に思われてしまうのも時間の問題である。


「まるでXファイルだな・・・」

シャワーを浴びながら呟き、ある事に気がついた。

もしかすると同じ様な出来事が、タブロイド的な情報としてインターネット上に有るかもしれない。


しかしこの時代は、まだインターネットが普及していない・・・パソコン通信レベルで個別ネットワーク網の掲示板を検索するしかない。

2009年の時代に生きて、IT痴呆に侵され始めている頭脳は、どうしようもない不便さを感じていた。



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