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第89話 港町に迫る大津波! Eランク釣り師、女神と力を合わせて海を救え!(1)
海が、唸っていた。
アクアベルの港に立つ俺、藤原新作は、目の前の光景を信じられずにいた。
水平線から押し寄せてくる、巨大な水の壁……
その高さは、港に停泊している帆船のマストを軽々と超えている。波の表面には青白い魔法陣が幾重にも浮かび、中央には三叉の槍を象った紋章が輝いていた。
そして、波の奥に浮かぶ巨大な目……。
まるで海そのものが、こちらを見つめているかのようだった。
「……おいおい。冗談だろ」
喉が、からからに乾いた。
俺は知っている。
あの水の壁が何を意味するのか。
前世で、俺は海岸のテトラポッドでルアーフィッシングをしていた。
そのとき、突然押し寄せた津波に飲み込まれた。
逃げようとした。けれど、間に合わなかった。
冷たい水。息苦しさ。身体を自由に動かせない恐怖。
そして、暗闇──
あれが俺の最期だった。




