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第87話 Eランク冒険者、潜水艇を作る!?(27)
俺たちは、工房を飛び出した。
港の向こう──水平線の一部が、不自然に盛り上がっていた。
巨大な波が、ゆっくりとこちらへ向かっている。
だが、それは普通の波ではなかった。
波の表面には、青白い魔法陣が浮かび上がっている。
そして、その中央には、海底神殿と同じ三叉の槍の紋章……
「……まさか」
キュモポレイアが、震える声で呟いた。
「封印が、もう……」
俺は魔力リール竿を握りしめた。
港の人々が、次々と避難を始める。
ガルドさんの声が響く。
「全員、住民の避難を優先しろ! 船を港から離せ! 警備隊は防御魔法を展開!」
俺は、海を見つめた。
前世で、津波に飲まれた記憶が蘇る。
【巨大な水の壁】
【逃げ場のない海岸】
そして、暗い水の中へ沈んでいく感覚……。
俺の身体が、一瞬だけ震えた。
怖い……当然だ……あんな死に方をしたのだから。
だが、俺は今、一人ではない。
隣には、海の女神がいる。
肩には、ルルがいる。
そして、俺の召喚陣には海の魔獣たちがいる。
俺は、深く息を吸った。
「キュモポレイア」
「……新作」
「今度は、俺たちで止めよう」
女神は、俺を見つめた。
その瞳に、迷いが浮かぶ。




