第68話 Eランク冒険者、潜水艇を作る!?(7)
「きゅうっ!」
「どうした?」
ルルの視線の先。
珊瑚礁の陰から、何かが飛び出した。
青い甲羅! 鋭いハサミ! 大きさは大型犬ほど!
そして、その頭部には、赤い魔石が埋め込まれている。
『――魔獣を確認』
『――種族:ブルークラブ』
『――危険度:E』
『――特徴:硬い甲羅と強力なハサミを持つ水棲魔獣』
「おっと……!」
ブルークラブは、俺たちを見つけるなり、ハサミを振り上げた。
キュモポレイアが前に出ようとする。
「任せよ! わらわが海流で――」
「待った!」
俺は女神の腕をつかんだ。
「今回は俺がやる」
「む?」
「せっかくの経験値だ。Eランク冒険者にも、仕事をさせてくれ」
キュモポレイアは、少し驚いた顔をした。
やがて、にやりと笑う。
「よかろう。では、見せてもらおうか。そなたの釣りの腕を!」
俺は魔力リール竿を構えた。
ルアーケースから選んだのは、小型の甲殻類を模したワームルアーだ。
ブルークラブが普段何を食べているのかはわからない。
だが、甲殻類の魔獣なら、似た形の餌に反応する可能性がある。
俺は水面近くにルアーを落とし、軽く竿先を動かした。
《ぴくっ》
ルアーが小さく跳ねる。
ブルークラブの目が動いた。
もう一度──
《ぴくっ、ぴくっ》
今度は、ハサミを動かしながら近づいてくる。




