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第55話 古い海図と、海のダンジョンへの招待状(13)
「うおっ!?」
レオンが手すりをつかむ。
海面が盛り上がり、船の周囲に奇妙な渦が生まれた。
「全員、手すりにつかまれ!」
ガルドさんの声が飛ぶ。
俺も手すりを握りしめた。
渦は船を引き寄せるように回転し、船尾の魔石が警告音を発した。
『――魔力推進装置、出力低下』
『――船体制御、異常』
「なんだよ、これ!」
俺は叫んだ。
エマが必死に計測器を操作する。
「海底の魔力が、急激に変化しています! 何かが、こちらを引き寄せているんです!」
「海底に何かいるのか!?」
「わかりません!」
そのとき、キュモポレイアが船首へ駆け出した。
「全員、下がっておれ!」
「おい、待て!」
女神が両手を広げる。
海面が、彼女を中心に大きく波打った。
青い髪が風に舞い、瞳が強く輝く。
「海よ、静まれ!」
《ドォオオオン!》
巨大な波が、船の両側へ押し分けられた。
渦の回転が、一瞬だけ弱まる。
「今じゃ! 船を離脱させよ!」
ガルドさんがすぐに指示を飛ばした。
「推進装置を最大出力に! 渦の外へ出るぞ!」




