↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
釣り竿一本で異世界海域を攻略する! 津波の女神が相棒になったけど、俺だけ冒険者ランクEなんですが!?  作者: かず斉入道


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

53/176

第53話 古い海図と、海のダンジョンへの招待状(11)

 昼前……


 シーグラス号は、ゆっくりと港を離れた。


 帆が風を受け、船尾の魔石が淡く輝く。


 推進装置から低い振動が伝わり、船体が滑るように前進した。


「出航だ!」


 レオンが船首で声を上げた。


 俺は手すりにつかまり、町が遠ざかっていくのを眺めた。


 港の建物が小さくなる。


 潮の匂いが強くなる。


 海面は穏やかで、空には白い雲が浮かんでいた。


 異世界で初めての本格的な船旅!


 しかも、これから向かうのは海底遺跡のある海域だ!


 冒険の始まりとしては、悪くない。


「新作、見よ!」


 キュモポレイアが、船の反対側から俺を呼んだ。


「新作」


「ん?」


「そなた、今、楽しそうな顔をしておるぞ」


「……そうか?」


「うむ。釣りの話をしているときのそなたは、いつもそんな顔じゃ」


 俺は少し照れくさくなり、海へ視線を戻した。


「まあ、好きだからな」


「ならば、よいことじゃ」


 キュモポレイアは、珍しく穏やかな声で言った。


「好きなものを追いかけるのは、人間に許された特権じゃからな」


 ……この女神、たまに妙にいいことを言う。


 その直後──。


「ところで新作! あの魚は食べられるのか?」


「台無しだよ!」


 俺のツッコミが、青い海へと響き渡った。



 ◇◇◇



「何だ?」


「海が美しいぞ!」


「そりゃ、海だからな」


「違う! よく見るのじゃ!」


 彼女が指さした先──海面の下を、銀色の魚の群れが通り過ぎていった。


 一匹一匹が手のひらほどの大きさで、身体の側面に淡い光を帯びている。


 その群れは船の下をくぐり、波間へと消えていった。


「……きれいだな」


 俺は思わず呟いた。


 この世界の海には、まだ見たことのない生き物がいくらでもいる。


 いつか、そういう魔獣を一匹ずつ釣り上げて、図鑑を作ってみたい。


 どんな餌を食べるのか、どこに棲んでいるのか、どういう習性を持っているのか、考えるだけで、俺の胸が躍った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。