第46話 古い海図と、海のダンジョンへの招待状(4)
「数千年も放置されておるのじゃぞ。正常に動いている保証などない」
俺は頭を抱えた。
【古代の海底施設】
【謎の魔力反応】
【行方不明の漁船】
どう考えても、初心者向けの仕事ではない。
「……ギルドマスター。俺たちに何をさせたいんですか?」
ガルドさんは俺を見た。
「調査隊を編成する。君には、その隊に加わってもらいたい」
「俺が?」
「ああ。君はEランクだが、蒼雷魚を釣り上げ、海底の魔力反応を最初に報告した。さらに、召喚魔獣を使役できるという特殊な能力もあるそうだな」
「まあ、はい」
「ならば、その能力が役立つ可能性がある」
ガルドさんは、海図を丸めずに、そのまま俺の前へ滑らせた。
「ただし、君を戦力の中心にするつもりはない。危険な場所では上位ランクの冒険者の指示に従ってもらう。調査が困難だと判断したら、すぐに撤退する」
その言葉を聞いて、俺は少し安心した。
このギルドマスターは、無謀な人間ではなさそうだ。
「わかりました。参加します」
「よし」
ガルドさんがうなずいた。
その隣で、キュモポレイアが手を挙げる。
「では、わらわが隊長じゃな!」
「いや、隊長は私だ」
「なにっ!?」
「君は協力者として参加してくれ」
「神じゃぞ!?」
「神でも指揮系統には従ってもらう」
「ぬぬぬ……!」
キュモポレイアは悔しそうに唸った。
俺は心の中で、ガルドさんに拍手を送った。
この人、すごい。
女神を相手に、まったく動じていない。
◇◇◇




