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第3話 プロローグ【悪戯波と、釣り人の最期】(3)
「……うむ。これは、まずいことになったのう」
誰かの声が聞こえた。
「まずいどころではありません、お父さま!」
別の声が響く。
「新作殿は人間ですよ!? 人間は神と違って、溺れても息ができるわけではないのです!」
「いや、それはわしも承知しておる。承知しておるのだが……」
俺は目を開けた。
白い……。どこまでも白い空間だった……。
床も壁も見当たらない。なのに、俺の身体はしっかりと何かに支えられている。
「……ここ、どこ?」
声を出した瞬間──二人の会話が止まった。
目の前には、立派な白髭を蓄えた老人がいた。
青い衣をまとい、黄金の三叉槍を持っている。
その隣には、青い髪の美少女がいた。
海のような色の瞳! 真珠をあしらった衣装! 人間離れした美しさ!
そして、頭の上には申し訳程度に垂れた二つの小さな魚のひれのような飾りがある。
……いや、待て! 何だ、この組み合わせ!
「おお、目覚めたか! よかった、よかった!」
老人が大きく息を吐いた。




