第28話 初依頼は魔獣釣り!?(2)
「すみません。初心者でも受けられる依頼を探しているんですが」
「はい。昨日登録された藤原様ですね」
栗色の髪をまとめた麗しい受付嬢が、依頼書を数枚取り出した。
「現在、港周辺で小型魔獣の目撃情報が増えています。漁師の方々から調査依頼が出ておりますので、こちらはいかがでしょうか?」
「小型魔獣の調査?」
「はい。港の東側にある入り江で、漁網が何度も破られているそうです。魚を食い荒らす魔獣がいるのではないかと」
なるほど! 確かに! 初心者向けの調査依頼だ!
危険な魔獣を討伐するのではなく、原因を調べて報告する仕事らしい。
報酬は銀貨三枚。
異世界の物価がまだよくわからないが、食費と当面の生活費を稼ぐには悪くない。
何より、海が舞台だ。
「これ、受けます」
「承知しました。では、依頼内容を説明しますね」
受付嬢は依頼書を広げた。
「調査対象は、アクアベル東部の小さな入り江です。最近、夜明け前に漁をしていた方が、青い光を放つ魚のような魔獣を見たと証言しています。大きさは三十センチから一メートル程度。群れで行動している可能性があります」
「青い光を放つ魚……」
俺は思わず身を乗り出した。
異世界の魚!
しかも魔獣!
どんな姿をしているのだろう?
ルアーには反応するのか?
群れなら、どんな泳ぎ方をするのか?
考えるだけで、釣り人としての好奇心が刺激される。
「新作!」
「なんだよ?」
「それなら、わらわが海を調べてやろう!」
キュモポレイアが、どん、と胸を叩いた。




