第15話 女神様はSランク、俺はEランク!?(6)
冒険者ギルドは、港町の中央広場に面した大きな建物だった。
石造りの三階建て……入り口の上には、剣と盾を組み合わせた紋章が掲げられている。
扉を開けると、アニメやライトノベルのように酒場のような賑やかな空気が流れ込んできた。
壁際には依頼書が並び、受付には冒険者らしい人々が列を作っている。
【鎧を着た戦士】
【杖を持った魔法使い】
【弓を背負ったエルフ】
【犬や猫、キツネにうさぎのような耳を持つ獣人】
ファンタジーの見本市みたいな光景だった。
「おぉおおおっ……!」
俺は感嘆の余り、思わず声が出た。
これは、いい。
実にいい。
俺も冒険者になれるのか、俺の胸が高鳴った。
「新作! あの者たちは、ずいぶんと弱そうじゃな!」
「おい!」
俺は慌ててキュモポレイアの口を塞いだ。
「何をするのじゃ!?」
「頼むから、そういうことを大声で言わないでくれ!」
「事実ではないか!」
「事実かどうかは関係ないんだよ!」
周囲の冒険者たちが、こちらを振り返っている。
中には、眉をひそめている者もいた。
俺は頭を下げ、そそくさと受付へ向かった。
「すみません。冒険者登録をしたいんですが」
「はい、承ります」
受付にいたのは、栗色の髪を後ろでまとめた女性だった。
年齢は二十代半ばくらいだろうか。
落ち着いた笑顔で、こちらの話を聞いてくれる。
「新規登録ですね。お名前をお願いします」
「藤原新作です」
「フジワラ・シンサク様ですね。こちらの用紙に必要事項をご記入ください」
渡された用紙には、名前、年齢、種族、職業、得意分野などの項目があった。
種族は人間。
年齢は、転生後の身体に合わせたものらしく、以前とほぼ同じ。
問題は職業だった。
「……召喚釣士?」
受付嬢が、用紙を見つめた。
「はい。そう表示されています」
「申し訳ありません。私、初めて聞く職業なのですが……」
「俺も初めて聞きました」
「そ、そうですか」
受付嬢が困ったように微笑んだ。
その横から、キュモポレイアが身を乗り出した。
「新作は釣りをする者じゃ! 竿と糸で魔獣を捕まえるのじゃぞ!」
「……魔獣を?」
「そうじゃ!」
受付嬢の笑顔が、微妙に固まった。
いや、気持ちはわかる。
俺だって、そんな職業があるとは思っていなかった。




