第14話 女神様はSランク、俺はEランク!?(5)
俺はポセイドンさまから受け取ったものを思い出そうとした。
確か、転生時に最低限の所持品は用意してくれるという話だった。
ポケットを探ると、見慣れない革袋が出てきた。
中には数枚の銀貨と、折り畳まれた紙が入っていた。
紙には、見たことのない文字が書かれている。
……読める。
なぜか意味が理解できた。
どうやら転生の際に、この世界の言語を理解する能力も与えられたらしい。
紙には、俺の名前と簡単な身分証明が記されていた。
「これでいいですか?」
「ふむ……藤原新作。旅人か。こちらの娘は?」
「キュモポレイアじゃ!」
「……本名か?」
「もちろんじゃ!」
兵士が困った顔をした。
俺も困った。
まさか本当に女神の名前を名乗るとは。
「ええと、俺の旅の連れです」
「そうか。なら、町に入ったら冒険者ギルドで登録するといい。身分証があれば依頼も受けられるし、身元の証明にもなる」
「ありがとうございます」
兵士は頷き、俺たちを通してくれた。
よし。
まずは冒険者ギルドだ。
異世界転生の定番といえば、やはりそこだろう。
冒険者になって、依頼を受けて、資金を稼ぐ。
そして、釣り竿を強化する。
できれば船も欲しい。
いつかは潜水艇にも乗ってみたい。
俺の頭の中で、これからの計画が膨らんでいく。
その隣で、キュモポレイアが無邪気に笑っていた。
「楽しみじゃな、新作!」
「……まあな」
「冒険者ギルドとやらで、わらわの力を見せつけてやろう!」
「いや、普通に登録するだけだからな?」
この時点で、俺はまだ知らなかった。
この女神が冒険者ギルドでどれほど面倒な騒ぎを起こすのか。
そして、俺の冒険者人生が、初日から大きくつまずくことになるのかを。
◇◇◇




