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第136話 沈没船の墓場に眠る秘密(2)
「この海域には、過去の戦いで命を落とした者たちの想いが残っておる。怨念だけではない。約束や後悔、そして守るべきものへの執着もな」
「つまり、亡霊がたくさんいるってことか?」
「そういうことじゃ」
「……できれば、今日は一匹だけで勘弁してほしいんだけど」
『残念ながら、そうもいかぬ』
バルガスが答えた。
『この先には、我が船を守る番人がいる。そやつを越えなければ、第一の海印には届かぬ』
「番人?」
『そうだ。かつて我が船の航海士を務めた者。海図を読み、潮流を操り、幾多の嵐を越えてきた男だ』
バルガスは、沈没船の奥を見つめた。
『名は、セイル。今もなお、我が船を守り続けている』
そのとき、潜水艇の外側から、コンコン、と音がした。
「……え?」
窓の向こうに、何かがいる。
人影だった。




