120/209
第118話 海中航行、開始!(3)
「キュモポレイア。ちょっと静かにしてくれ」
「む? 何じゃ?」
「海流が変だ」
俺は魔力を集中させた。
海底へ向かう流れが、一定の周期で強くなったり弱くなったりしている。
自然な海流ではない。
何者かが、意図的に流れを変えているようだった。
「……誰かが、こっちへ誘導している?」
その瞬間──。
船体が、ガクンッと揺れた。
「きゃっ!」
「うわっ!」
操縦席の警報が鳴り響く。
《ピピピピピッ!》
『船体接触警報』
『船体接触警報』
「何だ!?」
俺は前方を見た。
魔導ガラスの向こうに、巨大な影が現れていた。
岩山だと思った。
だが、違う……。
それは、岩山のように巨大な甲羅を背負った魔獣だった。
身体は暗い緑色!
甲羅には珊瑚が生え、無数の小魚が周囲を泳いでいる。
その大きさは、アクア・フィッシャー号の数倍はある。
「……亀?」
俺が呟くと、キュモポレイアが目を見開いた。
「いかん! あれは、グランドシェルタートルじゃ!」
「グランド……何だって!?」
「海底に住む巨大魔獣じゃ! 普段はほとんど動かぬが、縄張りに入った者には容赦せぬ!」




