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第116話 海中航行、開始!(1)
「潜航開始!」
俺の声とともに、【アクア・フィッシャー号】がゆっくりと海中へ沈んでいった。
船体の外側を青い光が包み込む。
魔導ガラスの向こうに、海面の光が揺れていた。
やがて、太陽の光が少しずつ遠ざかっていく。
海の色が、明るい水色から深い青へ変わった。
「……すごい」
俺の口から思わず、声が漏れた。
窓の外には、色とりどりの魚が泳いでいる。
銀色の群れが一斉に方向を変え、岩場の陰から小さな甲殻類が顔を出す。
珊瑚の森には、淡く光る海藻が揺れていた。
前世では、船の上から水面を眺めることしかできなかった。
だが今は違う。
海の中を、自分の意志で進んでいる。
しかも、異世界の海だ!
「……来てよかったな」
「新作?」
「いや、何でもない」
俺は、操縦席の計器を確認した。
【水深は二十メートル】
船体の耐圧にも問題はない。
魔力残量も十分だ。
「このまま、予定の水深まで進むぞ」
「うむ!」
キュモポレイアは、窓の外を夢中で眺めていた。
その姿は、女神というより、初めて水族館へ来た子供のようだった。




