第111話 潜水艇、試作一号完成! 目指せ沈没船の墓場、海賊王の亡霊を釣り上げろ!?(1)
異世界の潜水艇は、職人のロマンでできている!
異世界に来てから、俺は何度も思ったことがある。
魔法って、便利すぎないか?
火を起こすのも、風を起こすのも、水を操るのも、魔法使いにとっては当たり前……魔石を使えば照明だって動力だって確保できる。
そして今、俺の目の前では――。
「よし! 最後の魔力珊瑚を固定しろ! そこが緩んだら、海の底でお陀仏だぞ!」
「親方、固定完了です!」
「よぉし! 魔導推進機、起動!」
《ゴウンッ!》
工房の床が震えた。
巨大な金属製の筒が、青い光を放ちながら低く唸る。
その筒を中心に、丸みを帯びた船体が組み上がっていた。外殻には黒光りする魔獣の甲殻が使われ、前方には分厚い魔導ガラスの窓が取り付けられている。
どう見ても、潜水艇だった。
ただし、前世の潜水艇とは少々違う。
船体の両側には魚のヒレを思わせる補助翼があり、後部には魔石を動力とする推進装置──上部には緊急浮上用の魔導浮袋まで取り付けられている。
船体の側面には、金色の文字で名前が刻まれていた。
【アクア・フィッシャー号】
「完成じゃあああああああああっ!」
鍛冶職人オルディン親方が、ハンマーを高々と掲げた。
工房中から歓声が上がる。
俺も、思わず両手を握りしめた。
「すげえ……本当にできた!」
「当然だ! このオルディンさまが造ったんだからな!」




