第101話 津波の正体は、古代の海魔獣!?(4)
すべてを感じ取る。
俺が狙うのは、海竜そのものじゃない。
あの黒い魔石だ!
「いくぞ……!」
俺は、メタルジグを投げた。
魔力ラインが海面を走る。
ルアーは巨大な波の中へ飛び込み、海竜の胸元へ向かった。
だが、海竜が身をよじった。
強烈な海流が発生し、ルアーが弾き飛ばされる。
「くそっ!」
もう一度!
俺は竿を振った!
今度は、海竜の動きを読む……。
右へ動く、左へ戻る。
その瞬間──。奴の胸元がわずかに開く。
そこへ、ルアーを送り込む。
《カツンッ!》
竿先に、硬い感触が伝わった。
「掛かった!」
俺は叫んだ!
黒い魔石に、ルアーの針が引っ掛かった。
しかし、そこからが本当の勝負だった。
魔石が赤黒く輝き、凄まじい魔力を放出する。
竿が大きくしなる。
リールが悲鳴を上げる。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
俺は、必死に竿を支えた。
キュモポレイアが、俺の背中に手を当てる。
「新作! わらわの魔力を使え!」
青い光が、俺の身体を包み込む。
海流が変わった。
港へ向かっていた巨大な波が、少しずつ勢いを弱めていく。
海竜の動きも、鈍くなった。
「今だ!」
俺は、リールを一気に巻いた!
魔石が、海竜の胸元から引き抜かれる。
《バキィィン!》
黒い魔石が砕けた。
赤黒い魔力が、霧のように散っていく。
海竜の身体が、青白い光に包まれた。
そして、巨大な波が、ゆっくりと崩れ始めた。




