第99話 津波の正体は、古代の海魔獣!?(2)
「封印が崩れたことで、守護者は命令を誤認しておる。海流を制御するために、周囲の海水を無理やり集めているのじゃ!」
「つまり……この津波は、町を襲うためじゃなくて、海底装置の暴走が原因なのか?」
「おそらくな」
俺は海竜を見た。
その巨大な目には、怒りよりも、苦しみのようなものが浮かんでいる気がした。
こいつは、敵なのか、それとも、助けを求めているのか、少なくとも、今のままでは町が危ない。
そして、この海竜を倒したとしても、海底装置が暴走し続ければ、問題は解決しない。
俺は、竿を握る手に力を込めた。
「……キュモポレイア」
「何じゃ?」
「こいつを、元に戻す方法はあるか?」
女神は、しばらく黙っていた。
やがて、静かに答えた。
「ある。じゃが、海底神殿へ行かねばならぬ」
「潜水艇が必要だな……」
「うむ。じゃが、今はそれどころではない」
海竜が、再び身体を動かした。
海面が盛り上がる。
巨大な波が、再び港へ向かって動き始めた。
「くそっ!」
俺は竿を引いた。
だが、海竜の魔力は強すぎる。
このままでは、糸が切れる。
そのとき、ピカリが俺の肩へ飛んできた。
「ピカリ?」
小さな魚が、身体を激しく光らせた。
《ピカッ!》
《ピカッ!》
《ピカッ!》
その光が、海竜の身体に刻まれた古代文字を照らし出す。




