八十一:初夜
ええ、途中から※っぽくなりますが、さらっといきますとも!
翌日。
朝からソワソワする嫁達を送り出し、アタシはよっすぃ〜をアタシの部屋に呼んで、しっかり鍵をかけてから、腕輪の通信をONにする。
勿論、相手は、天空の王。
数コールしてから、「もしもし、支配人殿かのぅ?」という、いつもと変わらぬ王の声が聴こえた。
「すみません、深淵の森の、フミエです。」
「おお!取締役殿か!下界から帰って来ておったのか!!」
「ええ、原種の戦闘国家の転移陣の修復は、昨日までに終わらせました。
もしかしたら、これからセエレやクロムから報告が上がると思いますが・・・その前に、他のメンバーには内密で、王に聞きたいことがありまして。」
「ふむ、何事じゃ?」
急に真面目なトーンで話したからか、王の雰囲気も厳格になる。
アタシは、掻い摘んで先日の事件と、例のデカブツの、黒い心臓の事について、単刀直入に聴いた。
アレを造れるだけの魔力量を持つ者が、下界にいること。
術式の原型がどの国で産まれたのか。
そして、中に使われている人柱について、詳しく説明し疑問を口にする。
暫く、唸るように聴いていたのだが、王もアタシと同じ考えに至ったのか、通信越しに影を呼んで指示を出していた。
「むかし、本当に昔に、それに似た話を聞いた事はあるのぅ。
しかし、その人柱になりえる人物に心当りはない。
むしろ、そのように魔力制御ができえる器が、大昔の時代以降に生まれていた事が稀なんだがのぅ。
・・・のぅ、フミエ、それを造りし者は、この世界全てを狙っていると思うか?」
「多分。表向きは善行の研究。しかし、本来は禁忌に触れて、その上でその力を行使し、この世界どころか、全てを掌握せんとしてると思う。・・・危険だね。
んじゃ、心臓の中の少年、とりあえず助け出して、話を聴いちゃってもいいかな?」
「あまり派手には動きなさんなよ?ワシの方でも探りを入れてみるが、お主の森の中ならばよいが、他のエリアから見えるようにやれば、下界の者に感づかれる。」
「それは重々承知。相手が人間じゃないかもしれないもんね。」
「何かわかったら、ワシからも連絡する。健闘を祈るぞぃ。」
お互い小声になりながらも意見交換し終えたところで、あ、と気がついた。
「ああ、そーいや言うの忘れてた。」
「何じゃ?」
「アタシ、メシアとセエレと黒呼とクロムの四人と、結婚したから。」
「ふぁっ!?いや、お主ーーー!!」
「じゃ、またね!!」
アタシは何か言われる前に通信を切り、よっすぃ〜と目を合わせ頷き合う。
そしてそのまま作戦会議を行った。
新月が終わったら、例の人柱少年救出計画を行う事にし、アタシが動けない間で森の魔物や洞窟のカーちゃん達に事情説明と注意喚起をよっすぃ〜がしてくれる事になり、作戦会議を終了させた。
「とりあえず、皆に危険が及ぼさなければいいんだけどねぇ。」
そんな事を言いつつ、扉を開くと。
「「あ・・・・・・」」
「お前ら・・・・」
扉の前で、メシアとセエレがしっかり聴き耳たてておいでました。
どうすべかと逡巡していれば、よっすぃ~が無言で外の2人の腕を掴んで、部屋の中に引き込みあそばせました。しかも、謎に笑顔で。
うん、まあ、聴かれたら仕方ないかあ。
アタシとよっすぃ~はアイコンタクトで意志疎通し、メシアとセエレにも、あの平原で見つけた黒い心臓の核やこれからの事について、説明することになった。
「これはこれは・・・何と麗しくない・・・」
「うぅっ・・・これ、こんなの、ヒドイわっ・・・グスッ」
例の黒い核を見た2人の感想は、やっぱりな反応で。
醜悪な術式に悪態をつくセエレと、中の惨状に心を痛めるメシアに、ちょっとだけ罪悪感を覚えた。
本当に、次から次へとイベントが降ってくる、というか巻き込まれるなぁ。
とりあえず、2人の頭をポンポンと撫でて、気持ちを落ち着かせる。
「とりあえず、この子はまた後日、対処することになるから、一旦頭から外しておいて?
で、ワタクシゴト等が落ち着いてから、もう一度皆に伝えるよ。」
「・・・。(コクリ)」
よっすぃ~も、仕方ないかとばかりに頷く。
本当は二人だけで処理したかったんだけどなぁ。
セエレとか、結構さらっと暴露しやがるからなぁ。
まあ、正直ーーー
「ただし、メシアもセエレも、黒呼もクロムも、多分動けないと思うから、絶対無理しないこと。」
「ええっ!?どうして姉さまっ!?」
「それは聞き捨てなりません!私もお手伝い致します!」
「いや、・・・その、・・・なぁ~」
思わず口ごもるアタシに、やっぱり食ってかかる二人と、怪訝な表情のよっすぃ~に押され、アタシは諦めて告げることにした。
「いや、多分みんな、子供出来ると思うから・・・」
大昔と違って、スキルに、千発千中あるから、まあ、そうなるだろうなぁ。
そう告げると、「あらまあ!」な表情によっすぃ~はなり、他の二人は一気に赤面する。
その後、メシアとセエレは、ニマニマといった表情へ変わり、アタシはため息をつくのだった。
夕方になり、クロムと黒呼が帰宅して、嫁達はお風呂タイムを取っていた。なお、アタシは先に風呂を頂き済みである。
なのでアタシは、多少しんどいけれど皆のご飯を作り、月呼とよっすぃ~へ後を託して、先に寝室へと向かった。
昼間にベッドを拡張し、ベッドサイドの棚の強度を確認し、サイドテーブルや椅子も人数分揃えて、外に声が漏れないよう結界も張って準備万端。
序でに美味しい水を準備して、一口飲む。
もう外は暗く、美しい夜空へ変わっていく様は圧巻だ。
ああ、今日はとても良い満月だなぁ。
じくじくと体内を浸食されるような感覚を抑え、とにかく理性を残しつつ、事を成さねば。
嫁達のために、嫁達を悦ばせるのが最優先。
勿論アタシも良いか悪いかの感覚は、ヴァッさんの予言のせいで気にはしておくけれども、それ以上に今回集中すべきは、嫁の状態だ。
あと、墓まで持ってく黒歴史の消化、だな。
しっかりと其を自分の心の楔として刻み、自分自身を5人に分けて、事に望む事にした。
勿論、一人は理性を保つだけの役目の為に、残しておくのだ。
しばらくして、嫁達が階段を登ってくる音を聴きながら、アタシは気合を入れ直すのだった。
もちろん、その夜の事は、一生涯忘れられないくらい最高な夜だったのは、言うまでもない。
で。
翌朝、スッキリしたアタシは元の自分一人に戻り、嫁達のケアに勤しんだ。
まあ、気絶しても気持ち良くて起きる、みたいに一晩中がんばりすぎて、嫁たち全員深度の気絶状態になってしまったからなぁ。
まあ、すごくがんばっただけあって、身体の損傷はあまりなかったから、少しだけ回復かけて治したけれど・・・
でも、何より。
メシアとしか居なかった、過去の時代とは違い、今回は。
嫁全員の身体の状況確認をして、アタシは一人、安堵と涙を流した。
お昼頃。
「う、・・・ぅん・・?」
「お、メシア、起きた?お水飲める?」
誰よりも先に目覚めたメシアを抱き起こし、グラスにストロー差してゆっくりと飲ませる。
声が、可哀想なくらいカッスカスだったので、声帯にも回復魔術をかけながら、ゆっくりとメシアが覚醒するのを待った。
そのうち、ふわふわとした意識がハッキリしてきたのか、メシアが微笑みながら、アタシに抱き付いてきた。
「ふふふ、メシアの初めても、姉様の初めても、お互いに貰い合っちゃったわね?」
「・・・ああ、そうだな。」
きちんと黒歴史が消化されていて、こちらも安堵する。
「それに、すごーく気持ち良くて、ビックリしちゃった。
・・・姉さまは?その・・・どう、だっ、た?」
恐る恐る此方を見上げるメシアに、アタシは微笑む。
多分、ヴァッさんの予言を気にしてるんだろうな。
「めちゃくちゃ、気持ち良かった、デス。」
「本当っ!?・・・良かったぁ~!」
安堵で、泣きながら微笑むメシア。うむ、可愛い!
アタシはギュッと抱き締めて、泣き止むまで背中を撫でてあげながら、昨晩のコトを思い出す。
そう、もう、四人とも最高に気持ち良くて、理性飛ばしそうになった事が何度もあった。
その度に、残していた一人に嫁の見えない角度からひっぱたかれて、理性を取り戻すって事が、何度も何度もあった。
最後らへんなんかは、深度の気絶状態になってる嫁相手に更に追い撃ちかけようとして、自分に対して拘束魔術を使うなんて事になってたからね。
そんな事を考えつつ、次第に落ち着いてきたメシアに、もうひとつ大事な事を告げた。
「あと、メシア。」
「ん、、なぁに?姉さま?」
「・・・お腹、子供、できたから、ね?」
「・・・・・!!!」
聴いて、理解した瞬間。
メシアは驚きの表情から一変、号泣した。
「本当、っ?・・本、当に、っ?・・・ほんとだわ、姉さまぁぁ!!うわぁぁん!!」
「ふ、本当に、本当に、良かったね、メシア?」
自分で自分のステータスを確認し、メシアは今までにないくらい喜んで号泣していた。
アタシも、ついまた涙が溢れた。
起きて、皆の身体の状態確認した時に、全員に【妊娠中】の文字を見つけて、あれだけ泣いたってのに。
それでも。
大昔、子供が欲しいって、すごくメシアはがんばってたのに、いくらがんばっても子供が出来なかったから。
永い時間かけて、やっと、できた。
しかも、双子みたい。
良かった。本当に、良かった。
アタシとメシアが号泣してたせいか、他の嫁まで起き出したので、アタシは分身を使って同じようにケアし、懐妊を伝えた。
みんな、驚いたり嬉し泣きしたりと、ひとしきり喜び合った。
なお、メシアは双子、セエレ・黒呼は1人ずつ、クロムは三つ子な卵がお腹のなかにいる。
そう、アタシの子供は、魔族と同じく卵から孵るのだ。
もうね、余りにも遠い記憶だから忘れてたけれど。
真の戦いは、ここからなんだよね。
しばらくして、嫁が落ち着いてきたのを見計らって、アタシは皆に告げることにした。
出産・育児は、戦いなのです!
次話、結構、※満載!!




