↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/82

八十:最後の龍皇の想い

クロムの、外伝なお話しです。



 

 龍人ていうのは、卵の内から、外側の世界を学んで育っていく。


 血筋による記憶、両親から受け継がれる知識、王となるべき基礎、そういうのも卵の中で全て自分に消化して、そして世界へ産まれ出る。


 勿論それには、外界から魔力を貰って、それを糧として成長していくものなんだけれど。



 でも、僕は、自分の本当の両親から産まれるギリギリまで魔力を貰っていたのに、最後は育ててくれた叔父さんから魔力を貰って産まれた。


 そしてすぐ、名前を与えられた。


 育ててくれた叔父さんーーーバイオレーンは、商人として各国を廻って商売していて、実は僕とは同じ種族だけれどそれを隠して生活しているようだった。


 まあ、旅の途中で色々教えてくれたり鍛えてくれたり、各国の王族やギルドや様々な後ろ盾を付けてくれたりと、凄くやり手な人だったけれど。


 でもある時、天空の王国へ着いて、丁度その時は産まれてから30年くらいだったかな?


 そこで、突然、独り立ちするように言われた。


 その頃から、天空の王とも仲良くなり、王も何故か僕の素性を知っていたからこそ、冒険者ギルドでの勤務を斡旋してくれて、その後あれよあれよと言う間に王都に次ぐ大きさの街のギルド長へと昇格いう状態になってしまったんだ。


 まあ、人間よりも長寿だし、社会経験も繋がりも豊富だからね。


 それに、職員になってからは種族も隠せなかったから、最初は力試しとかの奴に絡まれたりしたけど最短で撃退して、実力共に地位向上したって経緯もある。


 時には人間が行けないクエストとか調査とかもやるけれど、基本的には普通で普遍で退屈な毎日を過ごしていた。


 そのうち、僕の手足になりたい人達が集まって、とんでもなく厳格な影の集団が出来たりして、僕の知らないところで、ある程度世界に精通し僕を護る役目を買ってくれて、平和に過ごしてたんだけど。


 50歳過ぎたあたりから、僕の結婚関係の話が出てくる事もあって、辟易してた。

 だって、僕より弱い人と結ばれたら、相手死んじゃうよ?

 龍人は、自分と同等の力を持つ者か格上とでしか結ばれないし、平和な家庭を築けないんだよね。

 人間は、それをわかっていないから、不必要に求愛してくるんだよ。

 それが本当に煩わしくて、例の第2王子の件からは、ずーっと天空の国に引きこもっていたんだ。


 ただそれも、100歳を超えてくると、少しは寂しくもなるし、恋愛とかにも興味が出てきたりするし。

 だから、育ての叔父さん以外の龍人を探して、毎日少しずつ情報を集めて、ある程度ここにいるかもって、かき集めた情報に信憑性が出てきたな〜って思っていたある日。



 龍の卵の密輸事件と、運命の人に出逢う、そんな出来事が起きたんだ。



 初めてギルドでみんなを見た瞬間、ああ、勝てないなって思った。

 レベルとかも勿論みたんだけれど、正直、規格外。

 あの集団の中でも、突出しているのが、フミエだった。


 その上で、話を聞けば、7体の龍の父親って言ってた。

 どんだけの魔力を使えばそうなるの!?って、平静を保つのに精一杯だったんだよ?


 でも、フミエは何故だか凄く優しくて。


 僕の心情をどこからか察してくれたのか、龍人の子供達と一緒に生活させてくれて。


 それに、家族で一緒に生活するのに慣れない僕を、結構サポートしてくれたりして、直ぐにみんなと打ち解けられて、凄く嬉しかったんだ。

 いつもはある程度一人で生活してて、家の事をやってくれる影の者たちも、どちらかと言うと一歩引いた感じで接してくれてたからね。家族、とは言えないよね。


 勿論、影の皆もとても喜んでくれて、朝や帰りに会うときには、色々とサポートしてくれたり融通を効かせてくれたりもした。

 そこに関しては、どうやら僕が毎日楽しそうに生活してるからか、セエレくんの部下の人達の気持ちがわかる!って言って積極的に動いてくれているんだよね。

 いつの間にセエレ君の部下たちと仲良くなったんだろ?まあいいや。



 で、その日のうちに。


 龍の子供達から、フミエの周囲の恋愛とかの話を聴かされて、すごく気になって。


 初めて、他人の家族の褥を覗く、って事をしちゃったんだ。


 もう、なんて言うか、伝聞じゃ伝わらないくらい、凄くドキドキして。


 僕と同じくらい強いであろうセエレくんが、あんなにも弱く、あんなにも淫らな姿になっちゃうくらい、フミエって凄いんだって思った瞬間。


 僕も、あれしてほしい、いいなぁって身体が熱くなって、暫くそのまま動けなくなっちゃって。


 それでフミエに見つかった途端、自分の部屋に逃げ帰って、初めて自分の身体の変化に戸惑いつつ、知識だけではじめて、その衝動を鎮めたんだ。


 その時を境に、僕もフミエに触りたい、触って欲しいって思って堪らなくって、実際、僕を抱えて飛んでくれたときに、フミエに密着した瞬間に、僕は陥落した。


 もう、皮膚を通して感じる力量に陶酔して、ずーっとフミエの側にいて、交わって、子供産んで、奥さんになるぅっ!って身体中が悦んじゃったんだ。



 そこから、僕も毎日毎日、もちろん他のお嫁さんの皆もだけど、穏やかな日々の中ですごーくがんばって、好きだってことを真っ直ぐ全身全霊で伝え続けて。

 それで、友達以上恋人未満にはなれたのかなぁ?って思ってたら、新月の事件が起きて。


 僕の事もきちんと想ってくれてたんだって、声だけなのに、身体がすっごく気持ち良くなっちゃって、大変だった。


 その後、フミエのアレをみんなで分けて、自室で一人で最高に美味しく味わって、気持ちよくなって。


 まあ、その後黒呼くんと風呂場で鉢合わせて、お互いの惨状には苦笑いだったけど、あれは仕方なかったと思う!


 それに後日、僕の故郷の探索途中、イレギュラーだとしてもフミエに思いっきり気持ちよくしてもらって、もう、一瞬でも離れるなんて無理って思うくらい、凄く身体に覚えさせられちゃったんだ。



 本当に、生きてて良かったって、思ったよ。



 それに。


 それに。


 こんな僕でも、お嫁さんに・・・番にしてくれるって言ってくれて。


 本当に、本当に、僕、嬉しくて幸せで。



 少し過去の環境が複雑で、僕が最後の王として産まれた國も滅んじゃったし、両親が娘夫婦になるとかカオスだけど、それでも。


 僕は、フミエの嫁として子供を産んで、みんなで幸せな大家族を、作っていこうと夢見ているんだ。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。