四十七:新月、ふたたび
★最初から、そんな感じの表現が出てきます。
母狼が子を産んだ、その日の深夜。
徹夜で二日間過ごして全力を使い果たしたメシア・セエレ・よっすぃ~・月影兄弟・月呼・クロム・龍の子供たちは、盛大に爆睡していた。
しかしアタシは寝付けなくて、音を立てずに廊下を移動する。
夜風にでも当たろうかな~?とか思っていたのだが、ふと、月呼の両隣の部屋から、微かな声がする。
どうしたのかと思って、扉の隙間からそっと中を覗けば。
迦蓮も賽呼も、各々がちょっと漢の秘密道具にてソロプレイしていた。
まあ、隣の部屋に月呼いるから、仕方ねぇよな。
其にしても。
使っている物は色々勉強になるなぁ。
少し観察して、アタシはそっとその場を後にした。
その後、特に変化なく毎日が過ぎて、母狼も仔狼も歩き回れる位になり、狼たちは山へと帰って行った。
もちろん、仔狼がはぐれないように、龍たち総動員でサポートして、送っていったみたいだ。
あの龍たちも、日々、成長して責任感が出てきたみたいだなぁ。
それが、とても微笑ましく思える。
それはそれとして。
明日の晩辺りから、また、新月期に突入する訳ですが。
まさかさ、プロポーズもしてないっつーのに、本気で子作りするわけには、いかんめぇ?
と、言うわけで、今回は最初っからソロプレイする気満々です!
それに、ちょっと実験的に試したい事があるし。
なので、その旨を文にしたためて、今回もよっすぃ~に理由を話して手紙を託した。
よっすぃ~からは、
「あんたって子は・・・本当に、バカだね。」
って可哀想な子を見つめる目で見られてショックだけど、仕方なし!!
何と言われようとも、漢には独りでいるときしか出来ないことがあるんだぃ!
と、言うわけで。
本っっっ当~に珍しく、アタシは昼間から嫁候補4人と一緒に風呂に入る。(クロムは連休をもぎ取っていた)
先に身体を洗って浴槽に入り、4人の姿をとにかく眺め、ついでに色々禁術をこっそり使ってデータを取りまくった。
浴槽の中で色々話しながら、やたらと皆から触れられたりしたが、軽くあしらって、結局何事もなくお風呂タイムを終わらせた。
そして。
皆の一瞬の隙をついて、アタシは隠し部屋へと逃げ込んだのだった。
今回は最初から通信の腕輪の回線を、よっすぃ~以外全てオフにする。
日が暮れて、月の一筋が消える頃。
ああ、キた。
アタシは、色々な術式を組み合わせた新魔術で、嫁候補そっくりのコピー体を生み出す。
少しだけ笑顔が少ないけれど、相手の身体の耐久性は本物と同じ・・・はず。
アタシは、自分自身を4人に分身させ、全ての感覚を繋げたまま、各々の嫁候補コピーに、本能のまま襲いかかったのだった。
翌朝。
ぼんやりする頭で、とりあえずアタシ自身を一人へと戻す。
うっ・・・何だか腰が重たい・・・筋肉痛か?
それから、一口水をのみ、嫁候補コピーを見やれば。
ーーーうわぁ。これは酷い。
全身ドロドロのグチャグチャで、ちょっとやり過ぎレベルでヤバい事になっていた。
昨日までは確かに乙女な身体だったのに。
本能のまま貪ると、こういう風になっちゃうんだなぁ。
とりあえず、可哀想なのと練習を兼ねて、酷い事になっている部分に局所的に、進化した回復再生魔法を使ってみる。
おお、ちょっと柔らかいままだけど、ある程度はしっかり治ったわ。
あとは、全員起こして、身体の状態を確認する。
うん、みんな立ち上がれない位、腰痛と全身筋肉痛に苛まれている。
アタシは広範囲回復魔法・改をかけて、様子を見ていれば。
みんな、不思議そうな顔をしながら、ゆっくりと立ち上がって此方にやってきた。
よし、改良回復魔法も上手くいった!!
このあとどうするかなー?と考えつつコピー体を観察していると。
椅子に座るアタシの足元に全員跪き、アタシの下半身に群がってきた。
うっすら笑顔なのが怖い!!
アタシはとりあえずコピー体を制止し、トトの魔眼で確認をして、驚いた。
自我のない人形が勝手に動く事が状態異常でも何でもなく。
コピー体なのに色々ヤバイ称号が付いていたから、動けたのだ。
アタシは、コピー体をその場で分解・消滅させ、そのなかにある各々の気のようなモノ、アストラル体的な魂みたいなその存在を、要らない部分を取り除いた上で結界に閉じ込め凝縮させ、その4玉をコッソリ隠し持つ事にしたのだった。
その後、部屋と自分をクリーンの魔法で綺麗にし、そっと隠し部屋から出て、風呂に向かう。
全身を綺麗にして、浴槽でまったりと腰の重さを癒していたら。
物凄い勢いで、嫁候補本体たちが、全裸で風呂場に突入してきた。
そして、泣かれた。
でもよ。
アタシとしても、キチンと段階踏んで番になりたいから、其までは一人で我慢するって伝えたら。
全員から、そんなのはいいから、今ここで早く抱いてと言われたのには、心底参った。
だって、アタシもうその気配は昇華し済みだもの。
とりあえずアタシ自身の分身を作って、感覚繋げたまま本能のままに各々4人と長いキスをして、腰砕けにさせたら満足したみたいだけれど。
そのキスの最中に、各々の身体に例の玉を仕込んだなんて、心の底から言えない。
これは、墓場まで持っていく秘密だぁ。
それから、風呂から皆で上がって、仲良くリビングで髪を乾かしていると。
凄まじく微妙な顔をしたよっすぃ~が、リビングに入ってきた。
アタシを見て、ものっっ凄いため息をつく。
今回もよっすぃ~には頼りきりだったからなぁ。
あとで、白呼くんと2人で過ごせるように、計画しなきゃだわ。
何だかんだ言って、よっすぃ~は珍しく、白呼くんには優しくて甘いんだよね。
本人、自覚してるかはわからないけれどさ。
そんな事を思いつつ、アタシは分身体をひとつに戻して朝御飯の準備をするのだった。
朝飯を食べ、その後魔方陣の改良に勤しみ、色々あって夕方頃に、例の『完全復活魔術』の雛形が完成した。
その陣形等を頭に叩き込み、アタシたちは庭に出て牛皮を地面に置く。
今回は帰ってきたばかりの木苺たちも、固唾を飲んで見守ってくれていた。
これで失敗したら、洒落にならない。
アタシは魔力を練りに練って、ものっすごく集中してから、一気に陣を構築する。
きっと、これなら、いけるハズだっ!!
『一陣完了、二陣OK、三陣クリア。
ーーーーーいけ!還魂再禮!!』
三つの陣の中で、牛皮が消えた。
と思ったら、小さな塊がどんどん成長し。
子牛からすくすく、すくすく、と大きくなって。
最終的に、滅茶苦茶ゴツい乳牛へと進化した!!
ていうか、なんでそんなにムキムキなの!?
そして、陣の光が消えて、今回もキングが颯爽と近寄り、何かを話してからこちらに向かって。
『大成功!!』と言わんばかりに鳴き叫んだ。
長かった。
ちょっと・・・いやスゲー疲れた。
まあ、なんでムキムキなのかってツッコミと改良の余地はあるけれど、一応は成功したんだ。
此方に近寄って、宜しくと言わんばかりの乳牛に『マダム』と名付けると、マダムはよっすぃ~の元へ行き忠誠を誓っていた。
何!?ムキムキな一族はよっすぃ~の下僕になる運命なの!?
よっすぃ~も、何故か困惑して此方を見るし。
此方を見られましても!?
まあ、マダムは牧場で好きに生きて貰うよう案内し、一日に数回、搾乳の契約を取り付けて、セエレの部下が世話する事になった。
てかさ、マダムって実は闘牛の血を引いてるんじゃないの?
凄く動きが俊敏なんだけど!!
まあ、身内には機嫌良く接してくれるみたいだから、有事にはがんばってもらう事にしよう。
その夜、更なる改良が加えられ、やっと普通に復活出来る新魔術が完成したのだった。
これは後に、『女神の神業』として、伝説に残る事になるというーーーー
はい、男の性には勝てません。
そして、何故かムキムキになってしまう魔術たち。
メシアの改良で、それは落ち着いたみたいです。




