↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/82

三十一:ママ

 


「では、先にお風呂頂くね~?」


「ああ、子供たちを任せてしまって申し訳ないな~」


「ううん、僕がそうしたいんだ!行ってくるよ、フミエ!!」



 龍の子供をぞろぞろ連れて、クロムが温泉へと向かう。

 その、楽しそうな後ろ姿を見送り、アタシはすこしホッとしていた。

 餅は餅屋に、龍は龍人にお任せすれば、色々スムーズに事が運ぶのだと実感したからだ。

 現状、木苺も他の子供達も、先輩のクロムの言うことは良くきくのだ。

 お食事の躾も、テーブルマナーも、教え方が上手いのか、みんな良く学んで身に付けようとしていたし。


 流石、ギルマスだなぁ。


「流石に長なだけあって、教え方が上手ですね、彼。」


 アタシと同じく、セエレも認める先生っぷりである。


 いやー、良い人材をゲット出来たぜー!


 手が空いた隙に、食材の在庫を増やしたり、薬の製造をしたりと、ここ最近出来なかった事を片付ける。

 これだけの材料があれば、新しい食材造れるかなー?


 何度かモチモチ錬金術をして、わらび餅と、いももちと、白いコンニャクが生まれた。


 速攻増産して腕輪に収納し、とりあえず、わらび餅に黒蜜をかけ、それをメシア、セエレ、よっすぃ~、月影兄弟、月呼に試食してもらった。

 結果は大成功!!

 よっすぃ~が笑顔でサムズアップしている!


 ホッとしたアタシは、龍たちの分を大量に準備し、保冷庫に入れておいた。


 風呂から上がったら食べてもらおう。




 しばらくして、ニコニコキレイな龍達が戻って来たので、わらび餅を与えてみた。


 クロムに渡す時、此方を凝視し何だか顔が赤かったので、ついでに冷えピタも差し入れてみたら喜んで使ってくれた。


 それから、何故かチラチラと此方を伺うような視線がクロムから感じられたが、はて、お風呂場で龍たちに何かあったのだろうか?


 とりあえず、あとで子供を寝かせたら聞いてみるとしよう。





 それからしばらくして、全員を寝かしつけたクロムがリビングに戻ってきた。


 とても嬉しそうな表情に、リビングにいる全員がほっこりする。



「ああ、そういえば、クロム?」


 アタシが声をかけると、一瞬ビクリとして、クロムが振り返った。


「風呂の時、何かあった?」


 そう告げると、クロムが挙動不審になりつつ、モゴモゴしている。


「何かあったなら、聞かせて欲しい。アタシ達じゃわからない事もあるから、お願い。」


 ここまで言うと、クロムは皆を見回したあと、覚悟を決めた表情で口を開いた。


「お風呂場で、皆の関係を子供たちが話してくれて・・・フミエがパパで、ママと呼ばれる者がフミエの嫁だって聞いた。あとは、姉や兄だって。

 フミエは、その・・・番の性教育はオープンにしているのか?」



 ーーーー吹いた。飲んでた珈琲、全部。



「ゲェッほ、げほ・・・そんなの、してないよ!?」


「でも、子供たちは、いつもパパとママたちはラブラブでイチャイチャだって言ってたから。」


「そんなにフルオープンでやっては・・・」



 ・・・・いない、よな?


 つい不安になって、多分元凶のメシア、セエレ、黒呼を見つめると。


「ああ、あの時の姉さまとのキス、見られちゃったものね~?」

「そういえば、ご褒美の時にミュールが扉から覗いていましたねぇ。」

「あ、白呼の教育の時に、ずっとくっついてたっけ。」



 あああああ!フルオープンだったぁぁ!!



「す、すまん。今度から気を付ける。」


 思わず謝ると、クロムは違う違うと両手を振る。


「ち、違う、そうじゃないんだ!子供から、僕は嫁になるのかって訊かれて!そしたら、僕をママって呼んでくれるって言うから!少し意識してしまっただけなんだ!!」


 顔を真っ赤にして、上目遣いで此方を見つめられましても・・・・


 背後から、エターナルブリザードが吹き荒れているうぅぅぅ!!



「クロムくん、メシアたちはね、今、熾烈な恋のバトルをしているのよ?」

「そうです。ご主人様のハートを射止めて、誰が最初の妻になるか、水面下で戦っているのですよ?」


 二人の圧が、すげえ!!!


「それに、ママになるためにフミエの嫁になるのか?普通は、フミエを愛してるから、妻になってママになるんじゃないのか?」


 黒呼の言うことも、ごもっともだわ!!


「別に、この恋のバトルに加わっても良いのよ?でも、姉さまを愛していないなら、妻になる意味なんてないと思うの。」

「その通りです。先ずは、ご自分の気持ち・想いを確認してからでも遅くはありませんよ?」


 少し憐れみの眼差しで、セエレが伝えると。


「うん、一度、自分の気持ちを整理してみるよ。僕、子供たちに逢えて、少しのぼせてたみたいだ。それで、改めてフミエを見つめ直してみるね。」


 少ししゅんとして、クロムは蜂蜜ミルクを片手に、自室へと戻って行った。



 いや、マジでびっくりした。


 何がって、フルオープンな自分の迂闊さにな!


 今度からは、気を付けよう。


 ふと、よっすぃ~を見やれば、苦笑いでコクンと頷かれた。


 あああ、本当にごめん、よっすぃ~!!

 その頷きは、少しは抑えろって事ですよね!?


 更にガックリときたアタシは、ひとり早々にお布団へと向かう事にするのだった。




 その後、リビングでは。


 メシアとセエレ、黒呼が真剣な顔つきで、何やら相談しあっていたのだが、そんなのアタシは知るよしもなかったのだったーーーー




なお、3人の相談を横で聞いていたよっすぃ~と月呼は、心の中で色々とツッコミを入れまくっていたという。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。