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「はぁ」
本気でゲームはやろうと決めたが、得に宛てがある訳もなくうなだれている。
やっぱり、習い事なんかを始めた方がいいのか?しかしいくら本気でゲームをしようと決めても、結局はそれだけだそんな中途半端でなんらかの武術を習わせて貰えるとも思わないし、習える事になっても本気で練習している人にゲームで強くなりたいからと言うのは罪悪感がある。
とりあえず技術に関しては置いといて、スキルについて調べる。できれば魔攻には全く振ってないので、物攻がスキルの要となって、近距離でもいいので範囲が広い技はないかと調べて見るが全く見つからない。
技術うんぬんに関しても人との戦いならそれだけでもいいかも知れないが、俺がやっているのはゲームで敵は魔物、日本の武術に対巨大なアリなんてものがある訳ない、やっぱり技術よりもスキルの方が優先か。
それからネットで調べているとなかなか面白い記事があった、それは"気"についてだ普段の俺なら「へえー」くらいで終わるが今回は違う、気についての説明を見る限り体を回復させたり、相手を吹き飛ばしたり出来るらしい、このような面白そうな情報をわざわざ虫の気持ち悪い体液や首を折るときの感覚をあそこまでリアルにする運営がスキルにしていない訳がない。
もちろん、根拠がある訳じゃないけれど現状で思いつく打開策がそれくらいしかない。
まず気は厳しく長い修業をしないといけないらしい、厳しいと言ってもただ、きついだけの修業ではなく真剣に一つ一つの動きに気をのせるという事らしい。
時間に関しても『オネイロス』内の時間ならば3日で約1ヶ月という事も出来る。
とりあえず、明日から修業は開始する。
コレからは毎日8時間ゲームをするつもりなので、体がだるくならないように、ジョギングをする。
帰ってからは、掃除をいつも以上に真剣に取り組む、リビングなんかは勿論換気扇や家の"外の"壁を磨く。庭の草もむしり取り、土もなけなしのお小遣購入して花も植える。
自分でもやり過ぎだとは思ってしまうが決めたことは徹底的に行わないとすぐに止めてしまう性分なので仕方ないと無理矢理納得する。
「ただいまーって何コレ!?今日何かお祝い事あったっけ?」
妹が叫ぶのも無理はない。
掃除当番といってもお祝い事や客が来るとき以外は整頓して少しゴミを集めるくらいだ、そんな時よりも気合いを入れて雑巾がけや窓拭きをしているので大掃除なみだ。
「いや、別にそういう訳じゃないんだけど、ちょっとゲームに関係する話だよ。」
「?お兄ちゃん、ゲームでそんなに掃除のスキルがとりたいの?」
「違うからまあ別に気にしないでくれ、気分だ気分。」
「ふーん...家が綺麗になることは良いことだから別に構わないけどね。」
そういいながら自分の部屋へ戻っていく。
俺も気の事をもう少し調べてみようか。
翌日
ログイン前に一つ重要な事があった。
普通のプレイヤーであれば直前までいた町へ死に戻りするが、俺は魔物だ、もしも町中へ死に戻りすればプレイヤーが襲いかかって来るもしかしたらLV30まで行っているプレイヤーまでいるかもしれない、そこにジョブの力が合わさり個人としても負けてしまえば勝ち目はない。
もしかしたら、俺がゴブリンという種族を"選んだ"事自体ばれるかもしれない、そうなればもう魔物として悪役プレイも出来なくなってしまう。
まあ恐らく死んだ場所にそのまま戻るだろうな。
考えても仕方ない、早速ログインしよう。
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そうじゃないかとは思ってはいたがやっぱり此処だったか。
俺がいるのは直前までアリと戦っていた場所。
アリの体液や俺の血が混ざりあい現実だったらそくリバースな光景が広がっている。
アリがいない可能性はないがこのまま出会っても負けると思うので早速ステータスを確認する。
名前:レン
年齢:16
性別:男
種族:ゴブリンLV67
職業:なし
体力:670/670
魔力:665/665
物攻:86
物防:0
俊敏:86
魔攻:0
魔防:0
器用:1
ステータスポイント:45
前回30匹程度しか殺せ無かったが急激にレベルが上がっているなかなか良い獲物(獲物になったのは俺だが)だ是非もう一度戦いたい、ステータスポイントは狭い場所での戦いを考えて物防へ振る....なんてことはしないそんなことをすればせっかく気の練習をする意味の80%が消えてしまうということで結局いつもと変わらない。
名前:レン
年齢:16
性別:男
種族:ゴブリンLV67
職業:なし
体力:670/670
魔力:665/665
物攻:109
物防:0
俊敏:108
魔攻:0
魔防:0
器用:1
よし、完了だ体を動かして得に不具合がないことを確認し出発する。
さてコレからが大変だ......
と思っていたのに30分程度で出ることが出来た、しかもいきなり穴が空きどんどん出口へと続いていくどれだけアリがこちらに出ていって欲しいかがわかる瞬間だった。
少し考えればその気持ちもわかる女王アリかなんかがいたとすると、侵入者を排除、食料にしようと思っていたのに以外としぶとく自分の駒が何十匹も殺された挙げ句、やっと殺したらいつの間にか消えてしまう。とどめに無傷で復活するなんて悪夢以外の何物でもない、これは仕方ないね。
ともかく脱出には成功した。しかしこの場所に見覚えが全くない。
仕方ない適当に歩いて行くか別にどうしてもあの場所じゃないといけない訳じゃない。
条件としては見つかりにくくできればプレイヤーが多い場所だ。
とりあえず目的の場所を探す。
経験値も欲しいため【気配察知】だけ使用しながら堂々と歩く。
しかし、森と言うことは同じような場所である可能性が高い。
ん?前方100m先の場所にNPCがいる、男1人に女2人組だ俺の視力もだいぶ上がっている用で顔や体型もはっきりわかるがこのゲーム内ではイケメンや美少女なんかしかいないのか?村に行った時もそうだったが道具屋のおじさんも太ったまんじゅうのような人ではなくダンディな人だった。
閑話休題
あの子達の年齢が12歳くらいということだ衰弱してる様子はないし近くに村か町があるという事だろう。しっかりと武器や防具を着込み腰に道具袋なんかも持っている血濡れな事からもうすでに魔物と戦っているのはわかる恐らくゴブリンだろうしかしだからといってしゃべりながら、警戒もせずに歩いているのはいただけない、プレイヤーならむしろ積極的に狩るところだがNPCはなので戸惑う。
しかも大人ならまだ倒そうとも思うが子供だ、ゲームとはいえこの運営の事だ復活したりする事は無いだろう。
さすがに子供が死んだり殺したりするのは嫌だあの調子じゃ此処で俺が逃げてもこの先の魔物に奇襲されればやられることはわかりきっている。
恐怖をトラウマにならないくらいに植付けてから追い返し村までの道を知るためにつけていこう、向こうは安全に村に帰る事が出来て、こっちはとりあえず人がいる場所を知ることが出来る前に行った村なら帰り道もわかる。
向こうは予想通り奇襲を受けて苦戦している軽戦士の少女が腕を叩き折られた用で気絶している。もう一人の、魔法使いの少女は震えて泣いている、戦っている、男の子も5対1しかも2人を守らなきゃいけないことでゴブリンに苦戦している。
さてそろそろか俺はローブを取りだし着る。石を拾い【投擲】で倒す。
物攻が上がったおかげかゴブリンくらいなら一発で殺す事ができる、さすがにレベルは上がらないか。
呆然としている子供達の所へむかい回復薬の性能の検証も含めて男の子へ使う、骨が折れている女の子は下手に骨が変な向きでくっついても困るので抱える、何をしたかわからないという様子だったが紙を懐から取り出した用にして。
喋れない。運ぶから村まで案内を とかいて渡す。
それから、道を教えて貰い村へ歩く最初は困惑していた2人もお礼をいってくる。口で答える代わりに手を振って気にするなと伝える、伝わったかは微妙だが頷いてはいたので問題無いだろう。
村の入口が近づく。二人も安心し俺も安心したのもつかの間、俺は凍りつくそこに居たのは妹達のパーティだった。




