12話 殺しの達人
「これは、UBKの決勝戦だ。何が起きても不思議じゃ無い」
ナイルさんがニヤニヤ見ている。楽しそう。
「すごく、勉強になっています」
「それは良かった。それはそれとして、集中するぞ」
「久しぶりだな、お前と戦うのは、俺の炎とお前の氷は相性こそ、悪いが、技術力で全て覆せる」
「そうだな、さっさと始めるぞ」
斧と鎌の攻防が目が眩むほどに、激しくなる。まさに炎と氷、どちらも引けを取らないほどの、熱い戦い、そこに会話はなくただ鍛えられた力の衝突、一瞬の判断で生死を分ける戦闘だ。
「ナイルさんこれ見えてますか?」
「ああ、あれぐらい見えないと、隊長格には、一方的に蹂躙されるだけだぞ」
「なるほどお、俺には無理そうだ」
「そろそろ、本気を出すか」
「こちらもな」
両者が力を解放した瞬間に、フィールドがサルンがいる方が凍りつき、アイムの方が燃える焦土とかした。
「これが、隊長格の本気か。自然すらも破壊する。まさにデタラメです。そう思いますよね、タトロン隊長?」
「ああ、そうだな、両者の力は拮抗している。何かの判断でその拮抗が壊れた時、全てが決まる」
「そ..うですね」
戦場はさらに激しさを増した。この会場自体が、いつ壊れてもおかしくない。そんな戦いだ。
両者の戦闘が、最高潮に達した時に、会場の壁が破壊された。
その瞬間に会場がいたアルス隊長が、一般人に避難命令を迅速に出し、タトロン隊長がその壁の壊れた場所に、移動した。
僕は何か出来るのだろうか
壁が崩壊した。観客は逃げ惑い、隊長達は的確に命令を出している。
俺が出来ることは、今はない、とりあえず、観客の護衛に行くしかない。
「やはりお前か、こんな事が出来るのは、お前か、外神しかいないのだから。なあ!スラト」
「久しぶりだな、元同期よ。まだ、外神に手こずっているのか?俺はもう、6と5を殺したぞ。タトロン、お前を殺せとお上から依頼されたからな、さっさと殺させてくれ。元といえど昔の友を、殺すのは悲しいのからな」
その瞬間、スラトが目にも止まらぬ速さで拳銃を抜いてきた。
「流石に、腕は上がってんなー、だけど、技術が上がっているのは、お前だけだと思うなよ」
銃が邪魔だから、接近して剣術勝負に持ち込む。
「昔は、1秒でやっとだったのに、今は10秒ぐらいか?感覚的に」
「合ってるよ。そんな事も分かるのは、無能力者の特権なのかね」
ナイフと剣の火花が散る。ナイフで、剣と互角にやっているスラトがやばいな。
「はあー、はあー、まだまだ!」
「どうした?もう息が上がってきてるぞ。最強の隊長」
「はあー、はあー、俺は能力を使ってないからな」
「別に俺は能力を使っても、良いと思うがな、それとも能力を使ったら俺が死ぬと思っているからなのか?はは、舐められたものだ」
「そうか?じゃあ遠慮なく」
「後ろだな」
「パァン!」
その銃弾は、タトロン隊長の脇を貫通した。
「マジでか。くぅ、はあ、はあ、時間停止を、見抜いた?ハハ、俺が見ていない間にだいぶ強くなったじゃあないか」
「ああ、そうだよ。タトロン、俺は吐くほど努力したさ、この能力のない体を、俺が、ここを出た後にアメリカが拾ってくれたその日から!もう終わりだタトロン!お前は元同期だからな、苦しまず、殺してやるよ!」
「おい!クトゥルフ、帰ったら、怒られるが、このようなチャンスは、この後も訪れないだろう。水の瓶を割れ!早く!」
「分かりました!」
水の瓶をクフゥルフが割った瞬間、その割った水が形をなして、弓になった。
「今だ。打て、クフゥルフ!」
「はい!」
クフゥルフが作った水の弓の矢が、無警戒のタトロンに向けて放たれる。
「....!」
突然!スラトが、水の矢を斬って、庇った。
「スラト何をし...て」
「他の奴らにお前を殺されたら困るからな、とりあえず、お前は逃げろ」
「.......分かった」
「お前、スラトだな?確か元タトロンの同期だったな、今はもういないと思っていたが、まあいい、予定に無い相手だがいいだろう。このニャルラトホテプが相手だ」
「まじで、ニャルラトホテプがいたとはな」




