ノクスの過去
クライマックスです。是非読んでください。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
…僕はノクス・ヴァロ。王家の第8王子だ。
僕は、小さい頃からなんでもできる。
字を書くのも、計算も。
4歳の頃には、字が書けるようになり、計算もある程度は出来るようになっていた。
5歳の頃、飛び級して魔法学園に入り、魔法を学び始めた。
魔法も、基本はもちろん、中級魔法も6歳までにはもう完璧だった。
そんな僕に嫉妬したのか、同じクラスの子が悪口を言ってくるようになった。
当時は気にしていなかったが、本題は8歳の頃。
僕は8歳にてもう高等部に入っていた。
8歳になると、クラスの子の嫌がらせがエスカレートし、ある日。
「お前、放課後校舎裏来いよ。」
僕は、そう言われたが、断ろうとした。
「…ごめん、放課後用事があって。」
「は?」
しかし、クラスの子は、機嫌が悪くなり、こう言った。
「お前のこれ、どうなってもいいのか?」
その子はあるネックレスを僕に見せた。
「え、それ…いつの間に…」
そのネックレスは、母上の形見で、いつも持ち歩いていた。
母上は、僕を産んだ時に亡くなり、それから父上も荒れていた。
父上は、この国の国王でもあって、仕事が忙しいと言っていたが、母上が亡くなられてから父上は酒に溺れ、仕事もまともにしなくなった。
なにか頼むとすぐ機嫌が悪くなり、最悪人を殴る。
でも、そんな父上も、このネックレスを見ると少し落ち着いていた。
そして僕に、このネックレスをくれた。
父上は僕に渡す時、こう言っていた。
「…妻が亡くなる時、1番近くに居たのはお前だからな。」
そしてくれた、大切なネックレス。
僕は放課後、校舎裏に行った。
校舎裏では、散々悪口を言われ、殴られ、蹴られた。
「……」
僕はそんなことに耐えきれず、逃げた。
「はあ、はあ……」
もう、止まった時には、日が暮れかけていた。
家に帰るにしても、父上がまた…
学校ではあいつらが……
先生は、何もしてくれない。
僕は、この時小さいながらも世界を正そうと決めた。
その決意は、今でも僕の中で生き続けている。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ノクスが魔法を唱えた瞬間、ノクスから黒い闇が溢れ出した。
その闇は急速に広がって行き、私やスノ達の所にも広がった。
「うっ…」
闇の中に入ると、めまいと激しい頭痛がきた。さらには体が熱くなり、座り込んで動けずにいた。
「スノ…」
私はスノを小さい声で呼ぶが、その声は届かなかった。
スノたちも、闇に飲まれているのだろう。
1分程して、闇がノクスのところに戻って行った。
そしてノクスは座り込んでしまった。
私はしばらくして立ち上がろうとしたが、上手く立てず、ノクスを見るしか出来なかった。
そんな私に気づいたノクスが、名残惜しそうに言った。
「…僕は、僕は結局逃げてばかり。」
そういうノクスをよく見ると、腕から崩れて消えていっていた。
「ごめんね、ありがとう。」
ノクスはたちまち顔の左半分が崩れて消えて行く。
多分あと1分も持たないだろう。
私は、ノクスのさっきの発言を振り返り、消える直前にノクスに微笑みかけた。
ノクスは、驚いた顔をしながらも、笑顔になった。
その頬には、涙が伝っていた。
「…ノクス」
私はノクスが完全に消えると、体調が良くなり、立ち上がれるようになった。
そしてすぐさまノクスのいた場所に行った。
そこには、綺麗な、ルビーが埋め込まれたネックレスが落ちていた。
読んでくださってありがとうございます。
次回もお楽しみに!




