第99話
星霜の旅団を後にした私は、王宮に向かい歩いていた。
人混みの賑やかな場所を抜け、貴族街に入ると大きな家が多くなっていった。
王宮近くまで来ると王宮を囲う巨大な壁と正面扉が見えてきた。
正面扉に立っている兵に話しかける。
「こんにちは、通ってよいかしら」
話しかけながら王宮への通行許可証を見せた。
「確認しますね……はい、大丈夫です、どうぞ」
通行許可証を返してもらい扉を通り中に入っていく。
巨大な壁の中はまっすぐ王宮に向かって道があり周りは広場になっていた。
道を歩いていき王宮の入口へ向かう。
王宮の入口には騎士が左右に待機していた。
「こんにちは、クラリーヌに会いたいんだけど、今は王宮内にいる?」
ここに来た時によく見る騎士だったので会いに行く人物が出かけていないか聞いてみる事にした。
「こんにちは、レーナ様、皇太后陛下ですか?確か今の時間は予定が無かったと思いますので王宮内にいらっしゃると思いますが、中にいるメイドに確認してみましょうか?」
「大丈夫よ、ありがとう、自分で聞いてみるわね」
「はい、お気をつけて」
騎士にお礼を言い王宮内に入る。
王宮内に入ると数名のメイドが待機しており、その中の一人がこちらへ向かってきた。
「レーナ様、こんにちは、本日はどのような御用でしょうか」
「こんにちは、クラリーヌに会いに来たのだけど、今どこにいる?」
挨拶をして用件を伝える。
「皇太后陛下ですね、今はご自身のお部屋においでですね、ご案内いたします」
そう言いメイドが奥の方へ進むのでついて行く。
メイドについて行くと一つの扉の前に着き立ち止まりノックの後、中に向けて、
「失礼致します、皇太后陛下、レーナ様がいらっしゃっています」
と言うと、中から、
「あら、入ってきて」
と言う言葉の後、中から扉が開く、
「レーナ様、どうぞ」
メイドはそう言いドアから離れたので私は中に入って行った。
中に入るとクラリーヌが椅子に座って休んでいた。
「クラリーヌ、久しぶりね、元気にしてた?」
「お母様、お久しぶりです、元気にしていますよ」
クラリーヌが微笑みながら返事を返してくる。
クラリーヌは昔から王家と関わりがあった私と一緒に王宮へ行った際に前国王に見初められ、色々な問題を乗り越えて王妃になった私の娘だ。
今の国王はクラリーヌの息子が国王になっており前国王と一緒に王宮内で隠居生活を楽しんでいた。
私が椅子に座るとクラリーヌの専属メイドが紅茶を淹れてくれた。
私が紅茶を一口飲んだタイミングで、
「それで、お母様、今日はどのような用事で来られたのですか?」
と聞いてきたので頼みを伝えるため話し始める事にした。




