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異世界と地球がダンジョンで繋がった ー異世界転移者の私ー  作者: 白木夏
レーナとラティオン

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第95話

私が荒野に微笑みかけながら挨拶をすると、彼はハッとしたように、


「荒野裕輝です。クルトさんにはお世話になっております」


と慌てて挨拶を返してきた。

挨拶が終わった後も私とクルトを交互に見ているので、


「あぁ、種族の違いはクルトが赤ちゃんだった頃に拾って育てたから違うのよ。血の繋がってない義母ね」


「母上は儂みたいに魔の森に捨てられた子を拾って育てておるのじゃよ」


魔の森は広大で危険なモンスターがたくさんいるので多くの場合は殺されるのだが、私が見つけたり知り合いから報告された場合は育てる事にしている。

まぁそんな幸運な子は年に一度いるかどうかなのだが。

最近は魔の森に隣接する国の治安が良くなったからか捨て子は減っているのか、ケイの後には居ない。


「それも気になってたが、クルトさんの母親というにはレーナさんの見た目が若いと思って」


「まぁラキナでは長命種もいるから地球と違って見た目で年齢は判断できないわよ」


なぜ種族が違うのか教えると、気になっていたのは見た目の若さだったようだ。

色々な種族がいるラキナでは人族と同じ見た目の長命種もいるので見た目で年齢の判断は難しかったりする。

もしかしたらクルトの年齢を知っており、母親って事はその年齢より上?と思っているのかもしれない。


「それにしても荒野さんはクルトの所によく来ているの?」


声をかける前に二人が楽しそうに話していたので仲が良くなっていたのかと思い聞いてみる。


「あぁ、母上と二人で荒野の所に行った後、連絡を取り合っていたんだが鍛冶の話となると現場の方が良いからな、お互いに会いにいく事になったんだよ」


「こちらと渋谷の私の店への行き来はそれほど時間もかからないですからね」


渋谷の『荒野鍛冶工房』での別れ際に連絡先の交換もしていたし、クルトが荒野に自分の工房に来てみないかと、そういえば言っていたな、と思い出した。

ラティオンから一番近いダンジョンは街の門を出て歩いて五分という近さにある。

そこまでの道にしても綺麗に整備されており、日本と繋がってからはダンジョンの外も管理されるようになり危険は少なくなっていると聞いた。


「魔力を乗せた鍛造について教えてもらってますし、今度私の工房の炉をダンジョンの鉱物に適した炉に改造してもらえるよう職人に話を通してもらえたので、ありがたいです」


「儂も日本の鍛冶技術を学べて楽しめているぞ」


「お互いの知らない事を教え合うのは良いわね」


うんうんと頷きながら、私は違う世界の鍛冶職人同士が仲良くしている姿を見て嬉しい気持ちになっていた。


「そういえば、母上は何をしにラティオンに来たのですか?」


「あっ!聞き忘れていたわ、フィアメールがラティオンで泊まれる場所が無いかなって探してるんだけど、クルトの所はさすがに難しいわよね」


そういえば違う話をしてしまい説明していなかったと思い伝えてみる。


「フィアメールですか?流石に王女を泊めるとなると難しいですね」


「王女?」


ラティオンの治安は良いが、さすがに他国の王女を泊めるとなると難しいか、王女という言葉に反応した荒野には後でクルトから説明してもらおう。


「そうよね、クルトの所に寄ってついでに聞いてみようかなって思っただけだから、ありがとうね」


「了解、そういえば母上が鍛冶で最近作った物って今持ってたりします?」


そんな事をクルトが聞いてきたので小首をかしげて考えた。


「包丁なら持ってるけど、どうしたの?」


「荒野に見せてあげようと思ってな、儂の知っている中で一番の鍛冶師は母上だからな」


「えっ!クルトさんより上なんですか?」


荒野が驚いた顔でこちらを見てきたので収納魔法から包丁を取り出してクルトに渡す。


「ミスリル製の包丁よ、腕を鈍らせないように練習で作った物だからあげるわよ」


クルトが受け取り渡した包丁を色々な角度から見たり振ったりしている。


「さすが母上、凄い出来ですね」


「まぁ、クルトが生まれるずっと前から鍛治はやっていたからね」


クルトは一通り包丁を確認してから頷くと、


「母上、この包丁を荒野にあげても良いだろうか?」


と聞いてきた。


「別に良いわよ」


頷きながら言葉を返すと、クルトが持っている包丁の柄を荒野に向けた。


「というわけで荒野、目標として持っておくと良いぞ」


荒野はクルトから向けられた包丁を受け取り眺めていた。


「凄く綺麗な刃ですね。ミスリルでこれほどの物は見た事がありません」


「魔力の扱いに慣れたらさらに凄さがわかるぞ」


荒野の刃の凄さへの驚きに対してクルトが言葉を加える。


「まぁ鍛治の修行のお役に立てばいいわね、じゃあ私はそろそろ行くわね」


「母上ありがとな!またいつでも寄って行ってくれ」


「包丁ありがとうございます。また機会があれば渋谷の工房に遊びに来て下さい」


「またね~」


私は軽く手を振りながら挨拶をして工房から出て行った。


「レーナさんお帰りですか?」


「用事も済んだから。あっ、これあげるわね」


そう言いながら日本のお菓子を収納魔法から取り出して店員の女性に渡した。


「日本のお菓子だからみんなで食べてね~」


「うわー!ありがとうございます!」


その言葉を後ろで聞きながら軽く手を振り店を後にした。

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