第93話
フィアメールたちをグループに誘うと、
「フィアちゃんたちといつ連絡が取れるの?」
「フィアたちが気づいてくれたらかな」
リリスからの確認に少し考えてから答えた。
私のアカウントでグループに誘ったのでフィアメールたちが気づけば参加してくれるだろう。
ただし、今は天音と勉強しているだろうからいつ気づくかは分からない。
「そうなのね~、連絡がくるのが楽しみね~」
そう言いながらリリスはスマホの画面を見ていた。
とりあえず、フィアメールたちがすぐには帰らない事とスマホを渡す事が出来たので魔国へ来た用も終わった。
「じゃあこれ、あと四台スマホがあるから、アルグオスと他の王妃に渡して使い方を教えてあげてね。あと、これ地球のお菓子、アルタニヤは地球の日本って国と結構交流が出来てるからリリスも地球に興味があったらスマホで連絡してね」
リリスにスマホとポテトチップスやチョコレートなどのお菓子を渡しながら、そう口にした。
「あら~、もう帰っちゃうの?アルグオスと会っていけば良いのに~」
リリスから少し寂しそうに言われるがアルグオスに会うと面倒なので帰ろうとしていたのだが、庭園入口から声が聞こえてきた。
「おぉ!レーナ、本当に来ていたのだな!」
声の方へ振り向くと黒髪の少し吊り目の男性と同じく黒髪で似たような顔をしているが目元が違って優しい雰囲気のする男性がいた。
「げっ!アルグオス。ヘリオス、こんにちは久しぶりね」
吊り目の方が魔王アルグオスで優しい雰囲気のする方が第一王子のヘリオスである。
「『げっ』とはなんだ、久しぶりに会えて嬉しいだろう!どうだ?我の嫁になる気になったか?」
「なるわけないでしょ、諦めなさい」
アルグオスの言葉に即拒否の返答を返した。
アルグオスに会うと毎回嫁にならないかと聞いてくるので出来れば会わないようにしたかった。
「父上、毎回レーナ叔母さんが嫌な顔で断ってるんだからもう諦めたら?」
ヘリオスはアルグオスに私への告白を毎回やめたらと言ってくれている。
私はヘリオスがリリスに似て優しく育ってくれた事に感謝しながら彼の言葉に頷いていた。
「む~、今回もダメか、まぁ気長に待つさ」
ヘリオスの言葉など聞こえていない感じで諦める気はないようだ。
長命種は一度では諦めない気の長さがあるのが面倒だ。
しかも昔、アルグオスがリリスと結婚してすぐに私に嫁になれと言ってきた時に、
『リリスと結婚したばかりなんだから二人で仲良くしなさい』
と注意すると、
『私もレーナとなら~、一緒に住みたいな~』
などとリリスが言うから夫婦揃ってタチが悪い。
「それでレーナ叔母さんが来たと聞いて父上と来たのですが、母上にテーブルの上に乗っている物を届けに来たのですか?」
テーブルの上には大量のお菓子とスマホが置いてあった。
「テーブルに置いてある物を届けに来たのもあるけどフィアたちについて伝えたい事があって来たのよ」
私はそう言い、フィアメールたちの事やスマホの事、アルタニヤなら地球の日本へ簡単に行けてスマホなどを契約できる事を話した。
「なるほど、アルタニヤ王国へ行けば地球との交流もできると言う事か……」
先ほど『嫁になれ』と言っていた人物と本当に同じかと思うくらいに真剣に考えている。
前にヘリオスも、
『父上の事はレーナ叔母さん関係以外は尊敬してるんですけどね』
と言うくらい昔の傲慢な性格からは考えられないくらい国民に愛された良き王だ。
「今ならスマホもあるし私からアルタニヤの王族にあなたたちの電話番号教えておきましょうか?」
この後アルタニヤ王国の王都ラティオンにも行こうと思っていたので国交もある王族同士だ、連絡先を交換しておくのも良いだろう。
「それは助かる、アルタニヤ王国と連絡が取れるなら色々と便利だからな」
アルグオスから返事をもらい伝えることも伝えたので魔国を離れる事にした。
「じゃあ、今度からはスマホで簡単に連絡も出来るから、何かあったら連絡してね」
私がそう言うと、
「アルタニヤ王国への連絡先の件頼んだぞ」
「妹のフィアをよろしくお願いします」
「何も無くても連絡するわね~」
三人の言葉を聞き、
「またね」
と言い庭園を離れ魔王城を後にした。




