第64話
そうこうしていると玄関の開く音がした。
「ただいま~」
という声が聞こえた。
ピザ生地作りに夢中になっている面々をそのままにして玄関に向かうとカイトとマリがいた。
「おかえりなさい」
「ただいま~」
「ただいま。玄関に靴が多いけど、誰か来てるの?」
とカイトに問われた。
私は微笑みながら答える。
「えぇ、フィアメール達が来ているわ」
そう伝えるとマリとカイトは笑顔になり、
「フィアメール達ひさしぶりに来たのね!」
「前来た時から結構経ってるね」
と言いながら喜んでいた。
二人は靴を脱ぎ私と三人で廊下を歩きダイニングへと向かう。
ダイニングに着くとマリとカイトが、
「ただいまー!」
「ただいま」
と大きな声で言い、
「お兄ちゃん、お姉ちゃん、おかえり~」
「おぉ!マリ、カイト、おかえりなのだ!」
「おかえりなさい」
「おかえり~」
「おかえり!」
「おかえりです」
みんながそれぞれの反応を見せた。
マリとカイトの二人も嬉しそうに微笑んでいる。
ダイニングのテーブルには色々なピザが並んでいた。
「まぁ、いっぱい作ったわね」
私はテーブルを見渡しながら言った。
「いろんな種類をみんなで作ってみたのだ!」
フィアメールが誇らしげに答える。
みんなそれぞれで生地を伸ばして具材を乗せて作っていたが、シンプルなものから変わり種まで幅広く、どれも美味しそうに仕上がっていた。
私は満足そうにうなずいて、
「そうね、どれもおいしそうね。みんなで美味しく食べましょう。さぁ、そろそろ焼きましょうか」
そう言いながらオーブンへと向かう。
オーブンを開けて熱した炉床の上にピザを並べて蓋を閉めた。
しばらくするとチーズが溶け始め、焼き上がるにつれて香ばしい匂いが立ち込めてきた。
待つことしばし、オーブンを開けて中を確認する。
ピザの縁はこんがりと黄金色に焼き上がり、トッピングされた具材は程よい焦げ目がついて食欲をそそる。
ピザが焼きあがるとみんな喜んでダイニングテーブルからリビングへと移動して行った。
次々と焼き上がったピザをリビングへと運ぶ。
ルガルやバロスト、カイトはピザの乗った皿を運んでいく。
シルフィとイルは飲み物を運び、フィアメール達は食器などを用意していた。
サタレアは運ばれてきたピザを切り分けていく。
サラとアクアはサラダを準備してテーブルに置いていく。
全ての準備が完了するとリビングにみんなが集まりそれぞれが好きな場所に座った。
みんなが自分達の作ったピザを取り分けて食べる。
食べた瞬間から歓声があがる。
「おいしい~」
「うまっ!」
「すごくおいしい!」
「うまいぞ!」
「美味しすぎるのだ!」
と大絶賛。
「私のピザを食べてほしいのだ!」
フィアメールが自信満々に差し出してきた、ピザは具材も少なくシンプルなものだった。
一口食べるととても美味しい。
「うん、とってもおいしいわ、フィア」
そう言うとフィアメールは嬉しそうにはにかんだ。
「本当か!良かったのだ!」
それを見ていたケイも負けじと自分の作ったものを取り分け私に差し出してくる。
受け取って一口いただくとこちらもとても美味しかったので素直に褒める。
「ケイのもすごくおいしいわ。どちらも甲乙つけ難いわね」
二人はお互いに顔を見合わせると嬉しそうに笑い合っていた。
「レーナ叔母さんの作ったピザも美味しいのだ!」
フィアメールはそう言うともう一枚取って食べ始めた。
他のみんなも自分の作った物だけでなく他の人の作っていた物も気になって食べる。
みんなそれぞれ個性が出ていて面白い。
その日の夜ご飯は楽しく和やかに過ぎていった。




