第63話
しばらくすると外から稽古をしていた五人が家に戻ってきた。
「どう?みんな稽古は順調かしら?」
私が尋ねるとルガルは疲労困憊といった表情ではあったものの気丈に答える。
「はい……俺はサラさんに手も足も出ませんでした」
苦笑しながら言う彼の言葉に、バロストが続く。
「こちらもシルフィさんに翻弄されっぱなしでした……」
二人共手も足も出なかったものの悔しさよりも充実感の方が大きいようで清々しい表情をしている。
私はそんな彼らの様子を見て思わず笑ってしまった。
「みんな、お疲れ様。リビングで休みましょうか」
優しく声をかけるとその様子を見ていたアクアとサタレアがみんなに飲み物を運ぶためかキッチンへと来た。
私もキッチンへ向かい冷蔵庫を開けて飲み物を取り出し一緒に運ぶ。
「お母さんありがとう!」
「ありがとうなのだ!」
リビングに持って行き飲み物を配るとケイとフィアメールが礼を言って受け取った。
アクアとサタレアも飲み物を配って行きみんなに配り終わり、それぞれ椅子に座り話し始める。
「みなさま、お疲れ様です」
アクアが労いの言葉をかける。
それからしばらく談笑した。
もう発酵が終わる頃だろうとキッチンへ行くとピザ生地が倍ぐらいの大きさになっていたのでリビングにみんなを呼びに行くことにした。
「これからピザっていう食べ物を作るから、みんなも手伝って」
みんなを呼びダイニングに迎え入れ生地からピザの作り方を教えていく。
「こういう風に作るのよ。みんなもやってみて?」
そう言ってダイニングのテーブルに打ち粉をふり、適当な量の生地を取り出す。
生地の上にも打ち粉をふり、手のひらで押すようにガスを抜いていく。
みんなが不思議そうに見つめる中、指で生地を円形に薄くのばしていく。
ピザ生地が薄い円形の形になった所で、
「これくらいの大きさにしたら好きな材料を置いていくのよ」
そう言いながらピザソースを塗りチーズをふりかけ、その上に野菜やベーコンなどの具材をトッピングしていく。
「これを焼けばピザの完成よ」
そう言いながらみんなに見せる。
「すごーい!!」
「フィアもやってみたいのだ!」
「僕もやってみたい!」
「私もやってみたいです!」
「オレもだ!」
みんなそれぞれの反応を見せる。
私は微笑みながら続ける。
「じゃあみんなで作ってみましょうか」
そう言ってそれぞれに生地を分けてあげるとみんな興味津々といった様子で作業を始めた。
ある者は力強くこねくり回したり、また別の人はゆっくり丁寧に伸ばしたりと様々であった。




