第53話
みんなとの連絡先の交換をし終えたカイトが
「そういえば、インターネットって何ですか?」
と質問してきたのでどう説明するかと考え、
「ああ、そう言えば……」
以前、颯斗と理依奈がカイトとマリについて話していた時のことを思い出した。
私はパソコンを操作して検索エンジンを開き、二人の名前を入力して検索をしてみる。
画面にいくつかのサイトが表示され、私は一番上に表示されたものをクリックして開く。
カイトとマリは驚いたように目を見開いて画面を覗き込んできた。
「わぁ……これ、僕とマリじゃないですか!?」
画面に映るのは、彼らの写真と共に書かれた記事だった。
「本当だ……何か色々と書かれてるね」
マリも信じられないといった様子で画面を眺めていた。
私は二人の反応を見て、少し笑ってしまった。
「こんな感じで調べたりできるのがインターネットかな。他にも色々と使えるけど後々覚えて行くと良いわよ」
「なるほど、それにしてもこんなに綺麗に描いてもらえるなんて、嬉しいです」
そこで私は誤解を正すことにした。
「これは絵じゃなくて写真って言う物よ。カメラって言うもので現実の姿をそのまま写しとる事が出来るのよ」
話を聞いていたケイがにっこり笑って言った。
「じゃあ、カイトお兄ちゃんとマリお姉ちゃん、写真撮ってみるね?」
ケイはスマホを二人に向けて、カメラアプリを起動させた。
シャッター音が響き、画面にはカイトとマリの顔が鮮明に映し出された。
「ほら、これ!」
ケイは嬉しそうにスマホを掲げて自分が撮った画像を見せた。
カイトとマリは驚きながらケイが掲げたスマホの画面を覗き込んだ。
「すごい……私たちだ……」
マリが感嘆の声を漏らす。
カイトも興味深そうに画面を凝視している。
「他にもこんなこともできるのよ」
私はパソコンを操作し、動画などが見られるウェブサイトを開く。
文字を入力し検索する、お目当ての動画を選ぶと、画面上にダンジョン内部で撮影されたリアの動画が再生され始めた。
リアがクランパーティとともにモンスターを相手に戦う様子が鮮明に映し出される。
「静止画だけじゃなく動画も撮る事が出来るのよ。これは前にリアのクランが地球のダンジョンで戦っていた動画よ」
「えっ、音も聞こえるし写真も動いている?」
カイトは驚きながらも、画面から目を離さずに食い入るように見つめていた。
マリも同様に感心した表情で見つめている。
彼女の目には、リアの一挙手一投足が鮮明に映し出されていた。
「うわぁ、すごいな~。まるでリアお姉ちゃんがそこにいるみたい」
マリが感嘆の声を上げる。
カイトはさらに詳しく画面を確認している。
「それにしても、リア姉さん……いつもの優しい顔じゃなくクランのマスターって感じでキリッとしてるね」
「リアはパーティメンバーをしっかりとフォローしているわね。クランを育てているのかしら、本当に偉いわ」
と、私はカイトの言葉に付け加えた。
リアは昔から頼られるタイプで、特にクランの運営に関しては才能があったのだろう。
そんな彼女を見ていると、自然と口元が緩む。
「お母さんも楽しそうですね」
とカイトが微笑みながら言った。
その言葉に私は微笑みながら
「そうね、リアがクランのメンバーを大切にしてるのが分かるから、感慨深い気持ちになっちゃって」
と答えた。
その瞬間、マリが羨望の眼差しを向けて言った。
「いいなぁ、私も将来はリアお姉ちゃんみたいな素敵な人になりたい!」
「マリはもう十分素敵だと思うわよ?」
私は微笑みながらマリにそう告げた。
彼女の成長を見るのはとても楽しいし、自信を持っていてほしいから。
「え?そ、そうですか?」
マリは照れ隠しのように少し顔を赤らめた。
「ええ、あなたはいつも一生懸命だし、とても優しい子だから」
私の言葉に、マリはますます照れた様子で俯いた。
彼女のこういった純粋な部分を見るたびに、育ててきてよかったと思える。
「それに、私の大切な娘だもの。当然じゃない」
マリの頭を優しく撫でる。
「お母さん……ありがとう」
マリが嬉しそうに微笑む。
その笑顔を見ていると、心が温かくなるのを感じた。
そうこうしてるうちに夕食の時間が迫ってきたので
「さて、そろそろ晩御飯の支度を始めましょうか」
と立ち上がり、キッチンに向かう。
すると、カイトが声をかけてきた。
「あ、母さん、実は兼六園ダンジョンで色々な食材を集めてきたんだ。これ使ってよ」
と、収納魔法から肉や野菜などを取り出した。
どれも新鮮そうで美味しそうなものばかりだ。
「あら、ありがとう!ちょうど夕食に何を作ろうか考えていたところだったの」
と、二人にお礼を言い、持ってきてくれた食材を確認する。
大量の牛肉や羊肉、鶏肉に加え新鮮な野菜も沢山あった。
「たくさん取れたのね……」
私は感心しながら呟いた。
カイトとマリは得意げな顔をしている。
色々なお肉を食べるならバーベキューがいいわねと思い、みんなにバーベキューにしようと提案すると全員賛成してくれたのでバーベキューの準備を始める事にした。




