第50話
色々な話をしつつ落ち着いてきた所で、私は収納魔法の中から、いくつかの荷物を取り出した。
「これは、地球のお土産よ。みんなに買ってきたからね」
袋に入った箱を順番に開けながら、中身を見せていく。
まず、ケイには淡いピンクの髪飾り。
イルには土の色に近いブラウンのブレスレット。
サラには炎をモチーフにした赤い石のペンダント。
シルフィには風が吹くような彫刻の施された銀製のリング。
アクアには深い海を思わせる青い宝石の付いたイヤリングを渡していく。
そして箸やコーヒーカップなどの日用品のお土産をテーブルに並べた。
「わぁ……可愛い!」
「すごくいい」
「属性に合わせてるのか、綺麗だな」
「かっこいい!」
「ありがとうございます……レーナさま」
皆、それぞれ反応を見せながらも喜びをにじませている。
ケイは早速髪飾りを付けて、鏡の前でくるりと回っていた。
「ママ、似合う?」
「ええ、とっても似合ってるわ」
私はケイの髪飾りをつけた頭を撫でながら褒める。
彼女は嬉しそうに笑い、また鏡の前でクルッと回転した。
「ふふっ♪」
皆がプレゼントを喜ぶ姿を見て私自身も幸せな気分になっていく。
「箸やコーヒーカップはみんなの髪の色に合わせた色にしたから後で使いましょうね」
と私がみんなに言うとアクアが自分の色の物を持ち、
「洗っておきますから自分の色の物をキッチンに持ってきてください」
と言いキッチンへ向かう。
その後ろをみんなが自分の物を嬉しそうに持って行くのを見て私も自分の物を持って行った。
みんながリビングに戻ったので次に取り出したのは、設置型の通信機器とノートパソコンとスマートフォン。
設置型の通信機器とノートパソコンをテーブルに置き、5台の色違いのスマートフォンをみんなに渡していく。
「わぁ、綺麗!」
「板?」
「これは何でしょうか?」
「えーっとね……これは『スマートフォン』、略称で『スマホ』ともいうものよ。遠くの人と話したり画像を撮ったり色々な事ができる道具なの」
と言いながら皆にわかりやすいよう一つずつ説明していく。
「まずは電源を入れるんだけど……ここをこうやって押してみてくれる?」
サラが興味津々といった様子で手に取ったスマホのボタンを押すと画面が明るく光った。
「おぉ!?」
みんなもそれを見てボタンを押していく。
「光った!」
「何か表示されましたがこれは何でしょうか?」
「今表示されているのはホーム画面っていう物よ。色々なアプリが入ってるから試してみてもいいわよ」
「アプリ?」
イルが疑問を浮かべる。
「アプリっていうのは、この四角い絵のことよ。これをタッチすると、いろんな機能が使えるの。」
私はみんなにゆっくりとした動作でスマホを扱う方法を教えてあげる。
「例えばここをタッチすると……ほら、こういう風に選択できるのよ」
みんなは真剣な表情で見つめていたが、慣れない操作に戸惑っている様子だったので順番に教えながら手本を見せていった。
「次は一つのスマートフォンに一つの電話番号っていうのが登録されていて電話番号の数字を入力する事によってその電話番号の人と遠くにいても話すことができるのよ。そしてその電話番号をこの電話帳に登録しておくとその人の名前の部分を押すだけでその人に電話することが出来るようになるわ」
と私のスマホの画面を見せながら説明して行く。
「じゃあみんなで電話番号を登録し合いましょうか、わからない事があった場合は聞いてね」
私の言葉を聞き、みんなが慣れない手つきでスマホを操作し電話帳に電話番号を登録し合っていった。
そしてみんなが電話番号の登録し終わり電話のかけ方、受け方を教えてあげると、
「シルフィ!電話してみていい?」
「いいですよー、二階の部屋に移動するので少し経ったらかけて下さいねー」
と言いシルフィは走って二階の自室に向かっていった。
シルフィが部屋に入るだろうタイミングでケイがスマホを拙い手つきで操作して電話をかける。
呼び出し音が数回鳴ると通話が始まった。
「シルフィ聞こえる?」
『はい、こちらシルフィです。ケイちゃん、どうですか? わたしの声、ちゃんと聞こえてますか?』
「うん、聞こえるよ! 」
と画面の向こうから聞こえるシルフィの声に驚きつつもケイは興奮している様子だった。
「ほんとに離れたところから話せるなんて凄いですね」
その様子を見てアクアが感心していた。
「この電話ってどれくらいの距離まで届くの?」
イルが気になったのか質問してきたので、
「地球では電波っていう物が届く所ならどこからでも届くわね。ラキナやダンジョンだと魔導通信って技術を使って魔力がある場所なら届くようだよ?魔力阻害や枯渇しているような場所には届かないようだけど」
と分かる範囲で答えた。
「それは凄いですね」
「まぁまだラキナで携帯電話が使われ始めたばかりだから問題も出てくるかもだけどね」
そうこう話をしていると、ケイとシルフィがしばらく通話をして満足したのか、
『じゃあそっちに戻るねー』
とシルフィが言って通話を終えた。




