第49話
お菓子の感想などをひとしきり聞いたので、私が居ない間どう過ごしていたか聞いてみることにした。
「ところでケイ、わたしがいない間はどんな風に過ごしていたの?」
ポテチを噛む音が途切れ、ケイは少し考えてから話し始めた。
「えっとね……イルと一緒に植物魔法と土魔法の練習をしてたよ。花壇にきれいなお花を咲かせたり!土でお家を作ったり!」
ケイは楽しそうに手を動かしながら説明してくれる。
「シルフィとは一緒に風魔法使ってお掃除もしたの!風に乗せて庭の落ち葉を集めたりしたの!あとね、細剣の稽古もしてもらってたんだよ!」
シルフィが補足する。
「ケイは筋がいいんですよ~。教え甲斐があります」
「へえ、すごいじゃない。どれくらい上達したの?」
尋ねると、ケイは得意げに腰に下げた模擬剣を抜いた。
「あのね、こうやって振ったら風の刃が出せるようになったんだ!」
「風の刃?それは凄いわね!」
「シルフィに教わったんだよ。風の流れを感じて振ることが大事だって言われて……それで何度も練習したらできるようになったの!」
シルフィが褒める。
「ケイは努力家なんですよ。よく練習していましたからね」
「えへへ♪」
照れくさそうに笑いながらだが模擬剣を鞘に戻す仕草は様になっていた。
「あ、もちろんママみたいな攻撃はまだできないよ? ヤッとやってシュッとする感じ?」
「ヤッとやってシュッとって……」
思わず笑ってしまう。
それでも一生懸命に説明する姿が愛らしい。
「うーん……ママのあれは難しいだろうから……もっと練習すればいつかできるようになるわよ」
「ホント!? 頑張るね!」
期待に満ちた瞳で私を見るケイに、思わず頭を撫でてしまう。
「ええ、いっぱい頑張りましょうね」
ケイの笑顔は眩しく、この子のために何でもしてあげたくなる気持ちが込み上げてくる。
ひとしきりポテトチップスとチョコレートを堪能したところで、私は地球での出来事を話し始めた。
「それでね、地球に帰った私は実家の家族と会ってきたのよ」
「ママの家族ってどんな人たち?」
「お父さんとお母さん、あとお兄ちゃんと義姉さん、甥っ子と姪っ子がいたわ。とても温かい明るい家族よ」
「へえ! 会ってみたいな~」
ケイは目を輝かせて言った。
彼女の好奇心旺盛な性格が出ている。
「もちろんよ。ケイが地球に行けるようになったら連れて行ってあげるわ」
「本当に!? 約束だよ!」
嬉しそうに飛び跳ねるケイを見ながら、私も微笑む。
家族みんなで写真を撮ったり、一緒にご飯を食べたり色々な場所に行ったりする未来を想像すると今から楽しみになってきた。




