第48話
ダリウスと別れ魔の森方向にある家に向かう。
魔の森近くまで歩くと家が見えてきた。
家に着き鍵を開けドアノブを捻り扉を引く、
「ただいま~」
と言い中に入ると、
「ママ!おかえり!」
と小さな影が飛び出してきた。
「ケイ、元気にしてた?」
私が両手を広げると、ケイは満面の笑みを浮かべて胸に飛び込んでくる。
そのまま抱き上げると、嬉しそうに首元に顔を擦り寄せてきた。
「うん!元気にしてた!」
「寂しくなかった?」
「ちょっとだけ……でも、アクアやイルたちが一緒だったから大丈夫!」
健気な返事に思わず頭を撫でる。
「よかったわ」
そう答えると、奥からメイド服姿のアクア、イル、サラ、シルフィが続々と現れた。
「おかえりなさいませ、レーナさま」
「おかえりなさい」
「レーナおかえり!」
「おかえり~」
それぞれ個性的な挨拶をしながら近寄ってくる。
アクアが一礼したあと、丁寧な口調で言った。
「紅茶を淹れますのでリビングでお寛ぎください」
私はケイを抱えたままリビングへと向かう。
ソファに座ると、テーブルの上に綺麗なティーセットが並べられていった。
ポットから注がれる琥珀色の液体からは、心地よい香りが漂ってくる。
「ありがとう、アクア」
そう言うとアクアは静かに微笑み、小さく頭を下げた。
全員が座り、穏やかな空気が流れる。
「皆に美味しいお土産があるわよ」
私は日本で買ってきたポテトチップスとチョコレートの箱を取り出した。
ケイが袋の絵を見て目を輝かせた。
「お菓子だ!」
「ふふ、今日は地球で買ってきたポテトチップスとチョコレートよ。皆で食べましょう」
私は大きな皿にポテトチップスをあけていく。
カラカラと音が部屋に響き、塩気と香ばしさが鼻をくすぐった。
「わぁ~!ママ、ありがとー!」
ケイは待ちきれずに一枚つかむと、口に放り込んだ。
「美味しい!」
満面の笑みを浮かべるケイにつられて、私も一枚食べてみる。
うん、やっぱりポテチは止まらない。
隣でシルフィがチョコレートの箱を開けている。
甘い香りが広がり皆も食べ始める。
「これは……素晴らしいですね」
「甘くて美味しい!」
アクアは品良く、イルは静かに、サラは味わいながら、シルフィは勢いよく、ポテトチップスとチョコレートを食べていく。
「ねえママ、地球のお菓子美味しいね!」
ケイが目を輝かせる。
「本当。これなら毎日でも食べたいくらいだ」
「でも、食べ過ぎたら太っちゃうよ」
とサラとイルも頷いていた。
「そうね。だから食べ過ぎないようにしないとね」
私はみんなの喜ぶ姿を見ながら笑顔で答えた。




