表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界と地球がダンジョンで繋がった ー異世界転移者の私ー  作者: 白木夏
帰りとスマホ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

47/140

第47話

列車が徐々に減速を始め、車内放送が流れ始めた。

プラットホームに着き、魔導列車を降りる。

金沢駅の中を歩いていると立ち食い蕎麦の店を見つけた。

もうすぐ昼食の時間になるので、とりあえずここで食事をすることに決めた。


食券を買って渡すと、店員さんが麺を茹でてどんぶりに入れ、ツユを注いでさっと完成させてくれる。

出てきた蕎麦はシンプルだけど、意外と旨かった。


「うん、悪くないわね」


食べ終えるとそのままバス乗り場に向かった。

バスに揺られて目的地に向かう。

しばらくして降りると兼六園探索者ギルドに到着した。

入り口をくぐると、昼から探索に行く人たちなのかたくさんの探索者たちがいて賑やかだった。

その中を進みダンジョンの入口へ。

受付で探索者カードを提示し通過する。

ダンジョン内に入ると、渋谷ほどではないが、やはり多くの人で溢れている。

ドローンカメラが飛び交い、配信をしているグループが複数いた。


「やっぱり、探索者は人気なんだなぁ……」


その様子を見ながら、菜摘の会社がうまくいっている理由もなんとなくわかる気がした。

ゲートの方向へ向かい歩いて行く。

ゲートを抜けてラキナのダンジョンに入る。

ここでもいくつかドローンカメラが飛んでおり、日本人らしき探索者たちが配信を楽しんでいる様子が窺えた。

ラキナの人々にとっては全く慣れない光景だろう。


「こっちでも配信してる人いるんだ……」


ダンジョンを抜け、外に出る。

ダンジョン入口エリアは、数日前よりも遥かに賑わっていた。

以前はダンジョンに入る人だけだったが、今は探索者だけでなく、露店商やテントを張っている商人たちがところ狭しとひしめいていた。

日本人探索者も多くいることもあってか、市場のような活気が生まれていた。

日本人らしき人たちがカメラの前に立って元気よく解説したり、商品を見たりしていて、まるで祭りみたいになっている。

ラキナ側の住民も珍しさからか、好奇の目で観察している様子だ。


「なるほど、こういう形で交流が進んでいくわけか……」


周囲を見渡しながらフォノンの町へ足を進める。

町の中に入ると、ちらほらと日本人らしき探索者の姿があり、多くの新しい建物の建設も始まっているようだった。

そして今までは冒険者ギルドだった建物も『探索者ギルド』に名前を変え、現代風な制服に身を包んだ職員たちが忙しそうに対応していた。

ギルド内を覗いていると、


「こんにちは、レーナさん」


「あら、ダリウスくん、こんにちはお久しぶりね」


声を掛けてきたのは大柄で筋骨隆々な壮年の男。

見た目は傷だらけでかなりいかついが可愛い物と子どもが好きというフォノン探索者ギルドのギルドマスター『ダリウス』であった。


「お久しぶりですレーナさん……くん付けはやめてくださいよ。もうそんな歳じゃないですよ」


と照れ臭そうに言うがレーナにとっては小さい頃から知っているので子供の感覚が抜けていなかった。


「あら?いいじゃない、ダリウスくんはダリウスくんよ」


「いやいや、もう四十超えてますし……それに周りも見てますよ」


と恥ずかしそうにしているがレーナは構わず続ける。


「ふふっ、相変わらず照れ屋さんなのね」


「うぅ……」


そんなやり取りをしている二人を見ているギルド内の人々はいつもの光景で微笑ましく見ている者と、怖い見た目のギルドマスターが子ども扱いされている姿に驚く者の二通りがいた。

前者はフォノンのギルド職員と馴染みのある探索者、後者が日本から来たギルド職員とフォノン探索者ギルドに最近来た探索者であった。


「ごほん!それはさておき、探索者ギルドを覗いていましたけど何か御用でしたか?」


「賑やかになってたからちょっと気になってね」


そう言いながら、あたりを見回す。

ダリウスも周りを見てため息をつくように言った。


「えぇ……地球と交流が出来たことにより色々変わりましたからね。おかげでこちらはてんてこまいですよ。良い事もありましたが、あちこちでトラブルや揉め事も増えましたから……」


困ったように苦笑いするダリウスの顔には疲労の色が濃い。

きっと、地球とラキナの異なる文化や習慣に振り回されているのだろう。


「大変そうね……。地球に行ってきたんだけど向こうも似たような感じでトラブルが起きてたわね」


「そうですか……お互い様ですね……」


そう言ってため息をつき、ギルド内の状況を見渡しながら呟く。


「しかしまぁ、こんなに混雑するとは想像していませんでしたよ。我々としては嬉しい悲鳴ではあるのですがね」


確かに以前と比べるとギルド内は随分と賑やかになっていた。

地球側のギルド職員が増え、カウンターの配置も近代化されている。


「ところでレーナさん、今回地球に行ってみてどうでした?」


私は少し考え、


「そうね、こっちに比べると移動手段や連絡手段、娯楽などの生活関連は地球の方が発展しているわね。ただ、ダンジョン関連や魔法、武器などに関してはラキナの方が上って感じかしら」


と言った。ダリウスは頷き、


「なるほど……向こうはまだダンジョンが現れてから15年程しか経っていないと聞いています。しかも、それまでは魔法も無くモンスターも居ない世界だったと聞きました」


と言い腕を組んで考え込んでいる様子だった。


「交流も始まったばかりだし少しずつ落ち着いて行くでしょうね、まぁ何かあれば助けてあげるわよ」


と言いスマホをダリウスに見せながら電話番号を登録しましょうと言うとダリウスは了承し携帯電話を操作し電話番号を登録し合った。


「これからはこれで連絡ができるんですね。何かあればすぐに報告しますのでよろしくお願いします」


と言い握手を交わして別れた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ