第41話 理依奈視点
三人でお喋りをしているとチャイムが鳴り先生が入ってきた。
「はい、今から準備をしてダンジョンに向かいますよ。パーティメンバーと一緒に玄関に集まって下さい!」
担任の先生が呼びかけを終えると生徒たちがそれぞれのパーティメンバーと合流するために動き出す。
私も颯斗と沙希、澪、それに颯斗の友人の井上 大晴と一緒に玄関前に向かった。
「パーティごとに引率してくれるDランク探索者と一緒に行動してくださいね」
先生がそういうと各パーティの前に引率者が来た。
私たちの引率探索者は20代半ばくらいの女性で、柔和な笑顔を浮かべていた。
「皆さん、こんにちは。今日担当させていただく佐藤と申します。よろしくお願いしますね」
「よろしくお願いします」
挨拶をし終わると先生から、
「それでは、皆さん行きましょう」
とうながされ、一行は校舎を出発してダンジョンへと向かった。
校門を抜けて道路沿いを進んでいくと、巨大な建造物が見えてきた。
その入り口には大きく『杉並探索者ギルド』と書かれている看板があり、多くの人々が出入りしている光景が広がっていた。
「今日もすごい人混みだね」
思わず口にしてしまう私に対して佐藤は微笑み、
「そうですね。平日のこの時間は色々な学校が探索科の授業で使いますからね」
というので周りを見ると、他にもちらほら学校の探索用の服を着た人達が同じような引率の探索者と一緒にダンジョンへ向かっているのが見えた。
受付を済ませてダンジョンの中へ進む。
渋谷ダンジョンと違い洞窟を抜けると草原と森林で構成されている。
「まずは第一層の様子を見て、状況に合わせて進んでいきましょう」
佐藤さんは後方に移動したので私たちは慎重に進んで行く。
しばらくして前方から現れたのは二匹のゴブリンだった。
「さぁ、実践ですよ。パーティの連携を大切にしましょう」
佐藤さんが背中越しにアドバイスしてくれる。
私たちは顔を見合わせた。
麗奈お姉ちゃんが教えてくれたことを思い出し、深呼吸をして気持ちを落ち着かせる。
「行こう、みんな!」
私が号令をかけると同時に颯斗と大晴が前へ出て武器を構えた。
ゴブリンたちが唸り声を上げながら突進してくる。
「颯斗、左側をお願い! 右は大晴と沙希、澪は補助魔法をお願い!」
私は杖を構えながら指示を出す。
「了解!」
澪が杖を構えて魔法を唱える。
「猛き戦神よ、かの者に戦う力を、オフェンスパワーアップ」
みんなの体に淡い光が輝く。
颯斗は前へ踏み込み、剣を横薙ぎに振るう。
鋭い斬撃がゴブリンの体を捉え、鮮血が飛び散る。
大晴は相手のゴブリンの一撃を大盾で防ぎ、その隙に沙希が敏捷性を活かして素早い動きでナイフにより攻撃を加えた。
そして私は味方が射線に入らないよう移動して魔法を発動する。
「風の精霊よ、我が意志に応えよ、ウインドカッター」
魔法は颯斗の戦っていたゴブリンにあたり絶命させた。
残り一匹のゴブリンは颯斗も加わり三人で倒した。
ゴブリンは素材としては魔石しかない為、体内にある魔石を回収する。
その後、沙希と颯斗が索敵しながら進む。
ホーンラビットやコボルトなども出始めたが特に苦戦することはなかった。
何度か遭遇するたびに戦闘を行いながら順調に進んでいく。
1時間が経過した段階で第二層に降りる階段まで来ていた。
「二層に降りて一回戦ったら帰りましょう」
佐藤さんから指示を受け、私たちは戦いに臨む。
二層に降りてからすぐに現れたのは三匹のゴブリンだった。
だが、この程度の数ならばすでに慣れている私たちは即座に対処することができた。
「颯斗、右側をお願い! 大晴は左と中央に『挑発』お願い!」
私は的確に指示を出し、仲間たちもそれに従い陣形を整えた。
「猛き戦神よ、かの者に戦う力を、オフェンスパワーアップ」
澪の補助魔法によって再び私たちは力を増幅させて戦闘態勢に入った。
まず大晴が大盾を構えゴブリンに『挑発』を使う。
彼のスキルによって敵の注意が彼に集中する。
その隙を狙って颯斗が側面から一閃の如く剣を振り下ろし、一体目のゴブリンを瞬時に切り裂く。
一方、残りの二匹は沙希と大晴が対処していた。
沙希は機敏な動きで相手の急所を狙う。
大晴は大盾で防御しつつ隙あらば剣で反撃していく。
最後に私自身も戦闘に参加する。
私は杖を構えながら位置取りを考えつつ魔法を準備する。
「風の精霊よ、我が意志に応えよ、ウインドカッター」
放ったウィンドカッターは大晴に攻撃していたゴブリンの首へ直撃し致命傷となった。
颯斗は先ほど攻撃したゴブリンにトドメを刺し、沙希が完璧なタイミングでゴブリンの後ろから胸部に向けて短剣で一撃を入れ沈めた。




