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異世界と地球がダンジョンで繋がった ー異世界転移者の私ー  作者: 白木夏
親友と居酒屋

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第37話

居酒屋が見えてくると居酒屋の前に二人の人影が見えた。

そのうち一人が菜摘で、もう一人はかなり背が高い綺麗な人だったので誰かなと思って近付いて行くと記憶よりも大人びているがもう一人の大切な親友、嵐山 流華(あらしやま るか)だった。


「お待たせ。流華もお久しぶり」


懐かしい顔を見られた喜びを感じていたが、流華がこちらに走って来て急に抱き着いてきて、暫くすると小さな嗚咽が聞こえてきた。


「麗奈……生きてて良かった」


流華が泣いているみたいで少し慌ててしまう。


「あのね流華には私から連絡したの」


と菜摘が教えてくれた。

流華はこちらを向いて涙を拭きながら、少しだけ笑った。


「本当に心配してたのよ……」


と彼女の声は震えながらも安堵したように聞こえた。

流華は幼い頃から私と菜摘と一緒の学校に通っていた。

私が居なくなってからずっと私を探していたのだろうと察することが出来た。

私も抱きしめ返す。

流華の体温を感じながら、彼女の思いを噛みしめる。

暫くして、落ち着いた様子の流華を見て声をかける。


「中に入ろっか?」


と促すと流華も頷いて、三人で居酒屋の中に入って行った。

店内に入ると賑やかな雰囲気に包まれており、おしゃべりや笑い声があちこちから聞こえてくる。

菜摘が先程予約していたおかげで、私たちはすんなりと個室へ案内された。

部屋に入ると和風の装飾が施され、心地よい照明が和やかな空間を作り出していた。


「ここならゆっくり話せるね」


と菜摘が満足げに呟き、メニューを取り出して適当に料理を注文する。

ビールを三つ頼むと、すぐに店員さんが運んできた。

グラスを掲げて、菜摘が言った。


「麗奈、おかえり」


「麗奈、おかえり」


続けて流華もグラスを掲げて言った。

私は笑顔を向けながら、


「ただいま」


と答え、グラスを掲げて軽く当ててビールを飲む。

ビールの泡が喉に沁み渡る。


「本当によく帰ってきたわね!」


流華が目を潤ませながら言ってきた。

私は少し苦笑しながら肩をすくめる。


「まあね……色々とあったけど、なんとか生きてるよ」


と冗談めかして返した。

菜摘が笑いながら続けた。


「見た目からして色々ありすぎだよ! ちゃんと説明してほしいことがたくさんあるんだけど?」


「そうだね」


私は大きく息を吸い込む。


「じゃあ、話すわ」


まずは一番重要なことから話そうと思った。

異世界での暮らしについて、220年という長い時間について、そして不老不死になった理由。

私の長い物語を要領よくまとめて話すことになった。


「消えたあの日から、私は別の世界……ラキナで暮らしてきたの。そこで冒険者として修行して、最終的にはSランクダンジョンをソロで踏破した」


流華と菜摘は驚愕の表情を隠せなかった。

特に流華は真剣な眼差しで私の話に聞き入っていた。


「信じられないけど……でも麗奈が嘘つくわけないし」


「踏破したら地球に帰ってこられるかもと思って頑張ったのに、踏破したせいで私は不老になって、見た目も変わったの」


私は眼鏡を取り銀眼を見せた。


「しかもSランクダンジョンを踏破したことで政略結婚の話や暗殺者なんかに襲われるようになっちゃって国を飛び出して私を知らない国に逃げて不老の理由の為に魔女って名乗って220年くらい暮らしていたわ」


「想像を超える内容すぎて脳が追いつかないわね」


流華は苦笑しながら、それでも興味津々といった感じで私を見つめていた。

私は落ち着いた笑みを浮かべながら続ける。


「それでも、私の人生で得られたものも多いの。精霊たちと新しい事を色々試したり、色々な捨てられていた子どもを育てたりして仲良く楽しく過ごせていたわね」


流華は眉をひそめながら疑問を投げかけてきた。


「でも、200年のズレはどういうことなの?私たちにとってはあなたの失踪から20年しか経っていないのに」


私は少しだけ考えてから答えた。


「おそらく、私が飛ばされたラキナは200年前の時代だったんじゃないかと思うわ。どういう現象でそうなるのか詳しいことは分からないけれど……」


「なるほど……転移したときに時を超えたってことか」


流華の目は輝いていた。

次の質問を投げかけてくる。


「ところで、私が知ってる限りでSランクダンジョンの踏破話なんて聞いたことないんだけど……」


それは当然の疑問だと思った。

でも、私は淡々と答えることにした。


「私が攻略したのは200年以上も前の話だからね。しかも、その国から逃亡したわけだし、攻略成功の記録なんて残したくなかったんじゃないかな」


「なるほどねぇ……」


と流華は唸った。

彼女の目には好奇心と尊敬の色が浮かんでいた。


「麗奈らしいと言えばそうなんだけどね」


菜摘は穏やかに笑いながら口を挟む。


「とにかく、色々あったんだね。それでも生きて戻ってくれたのが何より嬉しいわ」


その言葉に胸が熱くなる。


「ありがとう、二人とも」


私は二人の昔と何も変わらない態度が嬉しかった。

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