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異世界と地球がダンジョンで繋がった ー異世界転移者の私ー  作者: 白木夏
親友と居酒屋

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第36話

ホームへ降り立ち改札を抜けると、いつも通りの静かな住宅街が広がっている。

実家へ向かう途中、先ほどの菜摘との電話内容を思い出す。

楽しみなような少し緊張するような複雑な気持ちになった。

でも久々に親友に会える嬉しさが勝っていて、自然と足取りも軽くなる。

実家の扉を開けて入ると、リビングには既に何人か集まっていた。

恵と浩一がリビングでテレビを見ているようだった。

啓介と晴奈、それに旭もそこにいた。


「ただいまー」


声をかけると、皆がこちらを振り向いた。


「麗奈ちゃん、お帰り」


「おかえり。今日は早かったな」


温かい声が返ってくる。

私はソファに座り、菜摘との予定について告げる。


「さっき菜摘から連絡があって、今日は彼女と外食することになったの。だから、何時に帰るかわからないんだよね。それで遅くなったら理依奈ちゃんを起こしちゃうかもしれないし寝る場所は客間を使うことにするね」


その話を聞いて、みんなが納得したように頷いてくれた。


「じゃあ客間の布団を出して準備しておくわね」


と恵が言ってくれるので、


「ありがとう、お願いね」


と返事をした。

その後、玄関の開く音がして理依奈と颯斗が帰宅したことが知らされる。

リビングの扉が開くと、元気な理依奈の声と共に颯斗も姿を見せた。


「ただいま~!」


「ただいま」


「おかえりなさい」


「おかえり~」


理依奈と颯斗が家に帰ってきたので菜摘と夕食を食べてくる事を伝えると


「楽しんで来てね!」


と言ってくれた。


それから菜摘からの連絡を待つ間、リビングで過ごしながら理依奈と颯斗に魔力制御について少しずつ教えることにした。

まず始めに彼らの体に触れ、私の魔力を微量に渡す。

これは彼らの魔力を感じ取るためのステップだ。


「理依奈ちゃん、颯斗くん、私の魔力を感じることができる?これが自分の体内にも存在するエネルギー源なんですよ」


と説明する。

二人とも少し緊張した様子だったが、意識を集中させようと必死な顔つきだった。

少し経つと、理依奈がふっと息を吐き、


「あっ……確かに感じる……不思議な感覚だよ」


と言った。

颯斗も同じように、


「うん、ぼんやりだけど分かる気がする」


と応える。

それを聞いて安心しながら更に続ける。


「いい感じよ。今度は、自分の中にある魔力を感じてその中の一部を動かしてみて。ゆっくりでもいいから、まずは体の中で循環させるイメージでやってみて」


二人は再度集中し始める。

私はそばでサポートしながら見守ることにした。

それぞれの呼吸や姿勢を調整しながら励ます。


「焦らなくていいからね。最初は自分の魔力を感じることも難しいけど、徐々に慣れていくわ」


しばらく続けていると、疲れて集中力が切れてきたようなので、


「いきなり出来るようになるものでは無いから毎日少しずつ頑張っていってね」


と伝えると、二人とも頷きながら休憩に入る。

休んでいるとスマートフォンが鳴りだし、画面を見ると菜摘の名前が表示されていた。

ちょうどいいタイミングだと思い、理依奈と颯斗に一声かけてから電話に出た。


『もしもし、麗奈?今どこにいる?』


電話越しに明るい菜摘の声が響く。


「今は家にいるわ。場所はどこにするの?」


そう尋ねると、菜摘は近所の居酒屋を指定し、


『私は駅からそのまま行こうと思ってるけど、大丈夫?』


と菜摘が聞いて来た。


「大丈夫よ。じゃあ、現地集合ということで」


と答えると、


『了解!』


と元気よく返事が返ってきた。

電話を切った後、家族に外出することを伝え、準備を済ませた。


「行ってきます」


と声を掛けて家を出る。

街灯が煌めく夜道を歩きながら、今から菜摘との再会を楽しみにしていた。

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