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異世界と地球がダンジョンで繋がった ー異世界転移者の私ー  作者: 白木夏


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第32話

渋谷駅へ到着するアナウンスが耳に入る。

扉が開くと同時に私は降り立つ。


賑やかな駅構内を抜け、徒歩五分程度で大きな建物が見えてきた。

入り口には『渋谷探索者ギルド』と書かれた看板が掲げられており、中に入ると多くの探索者たちが行き来して活気に溢れていた。


私が休憩室へと向かい歩いていくと、椅子に座ったクルトが見えた。

彼もこちらに気づいたらしく、手を挙げて迎えてくれた。


「クルト、お待たせ、待った?」


「いいや、ついさっきまで『日本へ来たらやるべきこと、やってはいけないこと説明会』を受け終わって休憩してただけだから問題ないよ」


そう言って壁際を指差すと、そこには大きなポスターが貼ってあり『日本へ来たらやるべきこと、やってはいけないこと説明会』と書かれていた。

さらにその下部には『探索者ギルド主催』という文字が添えられていた。


「なるほど……それは大事よね。私の場合は昔の知識があるから問題無かったけど」


クルトが笑いながら頷き、説明会について話す。


「かなり詳しい説明だったから助かった。ラキナとは違っていろいろな規則があって、それにちゃんと対応しないといけないことも多くて。すごく勉強になった」


彼は続けるように言う。


「それで、これを持っておくようにってもらったんだ」


テーブルの上に置かれた分厚い本を手に取ると、それは『初心者のための日本の常識ガイドブック』というタイトルの冊子だった。

中をパラパラとめくってみると、交通マナーや商業施設での基本的な行動など、初来日用の内容が盛り込まれていることがわかった。


「なるほど……クルトにとっては重要な参考資料になりそうね」


私は本を閉じるとクルトに返した。


「まあ、こうして学ぶことができたからよかったよ。少なくとも犯罪行為だと知らずにトラブルを起こすことは防げそうだ」


クルトが安心したような表情で言い、続けてポケットから小さな装置を取り出す。


「これは『携帯電話』というものだそうだ。こんな小さな金属製品に通信機能が組み込まれているなんて驚いた」


彼が嬉しそうに見せるのはスマートフォンではなく、比較的古いデザインの折りたたみ式携帯電話だった。

おそらくラキナから来た人の為にギルドで使い方が簡単な格安通信機器として販売しているもののようだった。


「最新の物ではなく機械に慣れていなくても使い方がわかりやすく魔導通信が可能でも安価で渡せる物をギルドは作ったようね」


そう言って私がクルトに最新のスマホを出してみせると、彼は興味深そうに目を輝かせた。


「これが最新のものか? 説明会で話は聞いていたが、実際に見てみると想像以上に薄くて使い方が全然違いそうだな」


私は簡単に操作方法を教え、お互いの連絡先を登録することにした。


「もし困ったことがあったらいつでも連絡してね。私も頻繁に日本にいるわけじゃないから、すぐに対応できないかもしれないけど」


クルトは頷きながら魔導通信契約もしていると言い、


「ラキナから持ってきた貨幣をギルドで機械に入れて金額分だけ魔導通信を使えるようになっていると聞いている」


と自信ありげに答えた。

これからの生活において、ラキナから来た人に対しての最低限の通信手段は整っているのだと感じた。


「まずはこの渋谷の街を見てみましょうか。地球の街は初めてだろうし、せっかく来てくれたんだから楽しんでもらいたいし」


私が提案すると、クルトは目を輝かせて同意した。

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